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天才と名人 中村勘三郎と坂東三津五郎

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今もあふれる悲しみ。『天才と名人 中村勘三郎と坂東三津五郎』(文春新書)を書くことになったのも、私にとっては宿命だったような気がしています。いつまでも忘れられず、記憶のなかで生き…
ふたりの天才と名人のことが今でも、こころから離れません。『天才と名人 中村勘三郎と坂東三津五郎』(…
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#坂東巳之助

【劇評258】右近、巳之助の『弁天娘女男白浪』は、歌舞伎の未来を予告する。

 歌舞伎座で『京鹿子娘道成寺』を踊るのは、女方舞踊の頂点に立つひとりと認められるに等しい…

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長谷部浩
2年前
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【劇評243】包容力のある菊五郎の工藤。父の教えを愚直に守る巳之助。そして、千尋の…

 九月の半ば、帯状疱疹という病気に罹患した。  発熱と激痛に襲われて、一週間はほぼ寝たき…

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長谷部浩
2年前
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『初心忘れず 坂東流創立百年』を読む。

 坂東流創立百周年の冊子をお送りいただいた。  十代目三津五郎とは、生前ご縁があり、二冊…

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長谷部浩
2年前
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三津五郎の墓参りに行って、ぼんやり考えたこと。

 入試の季節は、受験生の必死な思いとぶつかりあうことになる。  もっとも、二○一五年の二…

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長谷部浩
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【劇評205】二月大歌舞伎。魁春、歌舞伎座で久し振りの『十種香』を出す。松緑、巳之…

 二月大歌舞伎は、第一部『十種香』から。年表を見ても、松江から魁春となった平成十四年から…

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長谷部浩
3年前

『野田版 桜の森の満開の下』の劇評。シネマ歌舞伎のDVD化を記念して。

 4月7日(水)に、シネマ歌舞伎『野田版 桜の森の満開の下』のブルーレイ、DVDが発売されると…

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長谷部浩
3年前
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【劇評168】愛之助、壱太郎の『連獅子』。勘九郎と巳之助の『棒しばり』。二本の舞踊ものがたり。

 小津安二郎の映画だったろうか、それとも三島由紀夫の小説だったろうか。  歌舞伎座が下お見合いの場となる描写があったように思う。欧州のオペラ座も同様だろうけれど、国を代表する豪奢な劇場は、単に観劇の場ではなく社交の場であった。  また、消閑という役割もあって、私の父の世代は、あまり気に染まない幕は抜いて、食道でビールをゆっくり飲んでいた。  当時は、なんと不真面目なと思っていたが、今は、そんなのんびりした情景が懐かしく思い出される。  二月の千穐楽から、八月の初日まで。長

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