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【ミニ社長塾 第11講】自分の考えや想いがうまく伝わる、言語化力アップのヒント

おつかれさまです!
中小企業診断士で、社長の後継者に【徹底伴走】するコンサルタントの長谷川です。

先日の社長塾では中期経営計画の策定実習を行いました。個人で自己検討を続けているだけでは年末の平日に集まっていただいた意味がないので、多くの時間を受講生同士の意見交換に使ってみました。

すると、

「一人で計画書の作成を進めるのでは行き詰まりそうな所を、他の受講生と意見交換しながら行うことで、頭の整理につながった。」
「グループシェアの時間が多く、様々な気づきにつながりました。」

といった感想をいただき、改めて集合研修の良さを実感した2日間でした。

※どんな感じだったのかは、ブログの開催レポートをご参照ください。

自分の会社の将来のことを考えることは、普段から経営者として行われていると思うのですが、他者の方と話をすることで客観的に会社を見直すことはそれほど多くないようです。ですので、非常に刺激が多かったようです。

ところが、ディスカッションの様子を拝見しておりますと、大変盛り上がっている一方でところどころ聞こえてくるのが「言葉にするのが難しいのですが……」という声。

自社の経営層の方以外に対して自分の意見を表明する機会があまり多くないため、自分の考えを言語化するのに苦労されている様子が見受けられました。

そこで、今回は「自分の考えや想いを相手に伝えるためにはどうすれば」ということについて考えていこうと思います。

1.語彙力を高めるだけでは言語化はうまくならない

早速ですが、言語化がうまくなるためにはどうすればよいでしょうか?

言語化という言葉について、デジタル辞書のweblio辞書によると次のように書かれています。

言語化:言葉で表現すること。感情や直感的なものを説明・伝達可能にすること。

言葉、が関わっているので、やはり言葉をたくさん知らないと言語化はうまくならないと思われるかもしれません。しかし、本当に必要なことは自分の考えや想いを分解して整理する「分解思考」だと私は思います。

ものごとを分解することのメリットは、なにより抽象的→具体化されることで問題点が明確になったり、本質がつかめるようになってくることです。

例えば、営業利益を高める方法を考えなければならないとします。この時、ただ漠然と「営業利益……」とだけとらえてしまうと闇雲に行動してしまったり、あるいは根性論で押し進めることが起こりかねません。

「営業利益」がどのような計算式で成り立っているのかを考えることができたのならば、
・営業利益=売上高ー売上原価ー販売費及び一般管理費
または、
・営業利益=売上高×売上高営業利益率
と営業利益を分解することができます。

つまりは、営業利益を高めるためには、
・売上高を上げる
・売上原価を下げる
・販売費及び一般管理費を下げる
・売上高営業利益率を高める

といった打ち手が考えられます。

また、
売上高=客数×客単価
という視点を加えると、
・客数を増やす
・客単価を上げる

ということも挙げられます。

「分解思考」が身に付いていれば、このように営業利益を高めるための打ち手を様々に考えることができますし、その中でより確実に目標達成できる打ち手に絞ることも可能です。

また、定性的なテーマでも分解することで思考を整理していくことができますので、相手の視点で伝えるべき要点に気づくこともできます。

2.ものごとを分解するコツ

「分解思考」という言葉は書籍「小さく分けて考える」に出てくる言葉なのですが、非常に語感が良いので今回の記事では多く使わせていただきます。

その書籍の中で、上手に分解するための6つのポイントが紹介されていました。その6つとは、

①かけ算で分解する
②一つ上に戻って、全体像を考える
③細かく分けすぎない
④アイデアを出したい時、抜け漏れをなくしたい時は「反対」をとる
⑤あえて大きく捉える
⑥自分の気持ちは分けておく

です。

私はビジネスセミナーでは「若手リーダーのためのロジカルトレーニング講座」を、社長塾では「経営者のロジカルシンキング・問題解決技法」という研修を担当しています。

幅広い方々に対して論理的思考についてお話しし、トレーニングを行うといった講義を行っているのですが、そんな私がこの6つの中で特に大切だと思うのは次の3つです。

①かけ算で分解する
③細かく分けすぎない
④アイデアを出したい時、抜け漏れをなくしたい時は「反対」をとる

特に④はMECE(Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive:モレなくダブりなく)で考えるときに私も「反対」にすることがありますので使えます。

また、③については思考をスタートさせるところから見て4段階くらいまで分解していくくらいが十分だと思います。分解は具体的にしていく作業でもあるのですが、具体的になりすぎると思考が偏ってしまう恐れがあります。ある程度の全体感をもって評価できるようするためにも、細かく分けすぎないことはポイントだと思います。

3.相手に伝わって初めて意味がある

今回は「自分の考えや想いを相手に伝えるためにはどうすれば」ということで分解思考が重要になる、という話をしてきました。

ここで忘れてはいけないことは、ものごとを分解するということが目的になってはいけないということです。あくまでも、相手に伝えることが目的であり、相手に合わせて分解した切り口で表現を変えていくことが求められます。

言語化は相手に伝わりやすいように情報を整理して話を組み立てることとも言えます。そこで、全体像をつかむため、ものごとを分解するときに紙に書きだして見える化するのは効果的です。(私も考え事をする際は、紙にロジックツリーを作って考えることがほとんどです。)

紙に書いてアウトプットすることを続けていけば、かなりのトレーニングにもなります。是非、分解思考を身につけていただき、言語化スキルを高めていただければと思います。

今回はここまでです。
また、次回の【ミニ社長塾】も、どうぞよろしくお願いいたします。

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