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ウチナータイム 「みんなの民俗学」より

かつて沖縄で働いていた時期があり、ウチナータイムの洗礼を受けることになった。
午後7時開始の飲み会で、時間通りに集まるのは県外出身者だけ、実際は9時頃開始という文化で
ルーズな自分にとっては意外と心地よかった(さすがに最初は衝撃を受けたが)。

一方で勤務先の時間は後ろにずれることはなく、その線引きについて不思議に思っていた。

最近読んだ、下記の本でその疑問が少し解消された。

「みんなの民俗学 ヴァナキュラーってなんだ?」

p.112 【コラム①】ヴァナキュラーな時間 によると、

ウチナータイムは、遅れるだけでなく前倒しも含まれること(船便など)。
このことから、「ウチナータイム」=「時間にルーズ」というわけではなく、「状況に応じて延び縮みする柔軟な時間」のことである。

「公式的な時間」= 学校・役所・会社・鉄道などの時刻通りの時間
のほかに、近代以前では地域に、ウチナータイム的な時間が存在していた

鉄道が広まるなかで公式的な時間が広まったが
地域によってはウチナータイム的な時間が生き残っている(存在意義のあるものとして、主体的に選択されている)

どうやら沖縄に鉄道がなかったことも関係していそう・・
ウチナータイムの解釈をはじめ、現代民俗学に気軽に触れられる良い本でした。

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