見出し画像

2022年11月 FAJ四国サロン 「組織を芯からアジャイルにする」読書会

11月26日にFAJ四国サロンで「組織を芯からアジャイルにする」のABDを開催しました。

今日は「組織を芯からアジャイルにする」のABDをFAJ四国サロンの勉強会として開催しました。「対話」ができる関係性があるというのは、幸せだなぁと本当に思います。今日は「参加者に問いを立ててもらう」というのにチャレンジして、対話の導入にうまく活かすことができました。対話いいなぁ。本当にいいなぁ。もっと対話できる人が増えると、アジャイルももっと広がるなぁと感じます。

Posted by Haruyori Matsuura on Saturday, November 26, 2022

私とアジャイル、ファシリテーション

私は20年ぐらい前に書籍を通じてXPに出会い、TDDに出会い、アジャイルに出会いました。特に一人で試す事ができた「TDD」は開発作業がとても楽しくなったことを思い出します。当時の3次受けの受託開発の現場はいつも火だるまで、現状打破の新しい方法を模索していた私は「これからのソフトウェア開発のお手本はアジャイルにある!」と強く考えるようになりました。ただ、その楽しさを自組織に広げようとしたものの上手く広がらないだけでなく、「どうして判ってくれないのか?」「どうして試そうともしないのか?」と周囲との間に溝ができてしまい、最終的に離職してしまった苦い過去があります。

その後10年程前に「ファシリテーション」と出会い、XPと出会った20年前には出会えなかった対話できる仲間に恵まれました。勉強会を通じた実践と学び、そして対話を繰り返すことで「やり方(HOW)」「べき論」一辺倒の考え方から離れることができ、自分のアイデンティティも変化してきたように感じます。

アジャイル本をABDするに至った流れ

ただ、「アジャイル」は「IT」、「ファシリテーション」は「集団の合意」とどうしても地続きには感じられず、自分の好奇心は「本当に節操が無いな~」とも感じていました。なので、私が運営に参画して以降の四国サロンの勉強会で「アジャイル」を取り上げる事はありませんでした。

四国サロンの勉強会はもう2年近くオフラインで開催できておらず、来年度に向けたリブートのコンテンツを考えていた頃に、ちょうど「組織を芯からアジャイルにする」を手に取る機会がありました。大好きなワークショップの「アクティブブックダイアローグ」を通じて大好きな「アジャイル」に関する本をテーマに四国サロンの仲間と対話してみたいという気持ちがムクムクと湧いてきました。

更にワークショップの準備中に出会った「CULTIBASE Radio」で「アジャイル」「ファシリテーション」は「組織学習」という面では同じものという気づきを得る事もできました。完全な偶然ではあるのですが、なにか具体的に行動を起こすと成長のきっかけが天から降ってくるものなのだなと感じます。

ABDをする上で注意したこと

今回、ABDをする上で注意したのがこの2つです。


ギャラリーウォークからダイアローグへの流れでいつも「何を話していいのか」という戸惑いが場にあるように感じます。なので、話したい事を「問い」の形で参加者に出してもらい、これもギャラリーウォークの対象としました。また、「対話」を意識した時に気持ちだけを吐露するのではなく、前提をなるだけ意識してもらうようにしました。

この「問い」を軸に対話を始める事で、入り口をしっかり持てたように感じました。あと、ダイアローグについてはあまり流れを「矯正」するような事は意識せず、私も興味に従って、湧き上がってくる想いに従って会話を続けました。

組織学習の血流の重要要素「対話」とは何だろうか

対話に慣れた方が多い上でこのような準備が効いたからなのか、ダイアローグに確保した30分はあっという間に過ぎていきました。参加されている方の色んな考え方に触れることのできたとても濃密な時間だったなぁと振り返って思います。

この「お互いへの関心を持ち寄り、お互いの考え方、感じ方に敬意を持って丁寧に触れる時間」が私は「対話」なのではないかと考えています。そして、アジャイルもファシリテーションも方法だけなぞって「対話」をしっかりしないと、組織を巡る血液はただの塩水になって栄養も酸素も運べず、鼓動がリズムを作っても何の価値も産まないものになってしまうのでしょう。特に同質性の強い日本人の集団の会話は定期的に働きかけをしていないと血液は自然にどんどんただの塩水になっていくのです。

そして、お互いに無関心であることが、VUCAの時代にあって組織の意思決定を迅速に行う事からどんどん遠ざけてしまうし、決定された施策にも納得感なく取り組む事になってしまう。対話のない組織にどんな優れた方法を持ち込んでも持続しないのだと思います。

日本人は特に意識して対話を鍛えないといけないと強く感じます。そのきっかけとしてABDはとても良いワークショップの進め方だと思います。対話はたしかにめんどくさくてしんどい。でも大事な事というのはたいがいめんどくさく時間のかかるものです。

楽しい時間をありがとうございます!

「組織学習」と「対話」とても楽しい時間でした。参加いただいた皆さんありがとうございました!また、ABDやりましょう!


いただいたサポートは、ワークショップのデザインを学ぶ費用として大事に使わせていただきます。高知で大人の学び直しができる場を作っていきます。