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身体のバネを見極める。ハムストリングスの爆発力とスプリント。




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今月の私の記事は、ハムストリングスのバネに着目して爆発的なスプリントはどのようにして生まれるのかを紐解いていきます。


今までのPITTOCK ROOMの記事において、ハムストリングスの重要性は知られているかと思います。


過去の記事を紹介しながら、テーマを進めていきます。


身体のバネを見極める。ハムストリングスの爆発力とスプリント。


7月のイクサポの記事で紹介されている一例。

ハムストリングス

このハムストリングスもサッカーでは非常に重要な筋肉です。
膝を曲げたり、足を後ろに引くことで機能します。
この筋肉は接地直前に大きく働き、接地の衝撃を吸収し、加速の力を生み出す役割をします。

この筋肉も3つの筋肉を合わせての名称です。

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怪我の観点からすると、よくある肉離れのほとんどは大腿二頭筋が損傷すると言われています。

サッカー選手でよくある問題として、内側の筋肉である半膜様筋、半腱様筋がうまく機能せず、この大腿二頭筋が過剰に働きすぎることで肉離れやグローインペインなどの怪我を引き起こす場合があります。

ハムストリングスの役割として

・股関節伸展に働く
・スプリントの中で、接地直前に大きく働き、接地の衝撃を吸収し、加速の力を生み出す役割
・骨盤のコントロール

などが解説されている。



松本の記事においては、


ハムストリングは、大殿筋などの他の股関節伸展筋と協調して「股関節を伸展する(伸ばす)時に働く」と考えると、下の瞬間のロナウド選手ではは、右足のハムストリングや大殿筋が効果的に働いているということになります。

マンジュキッチ選手は左のハムストリングや大殿筋が働いているということです。


さて、本当にそうでしょうか?


様々な事例を通して、

・見かけの動きと筋肉の活動が違うこと
・エキセントリックな筋活動による動きの制御
・それを利用した傷害予防

などと詳細に解説している。


また、フットボールにおけるパフォーマンスの図式も紹介している。

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詳細は各ライターの記事をご参照ください。



ハムストリングスのスプリントでの重要性は上記の記事や漫画フットボールネーションで取り上げられて、周知の事実となっている。



しかし、ハムストリングスのバネとしての効果を実感されている方はどれくらいいるだろうか。

私が契約させて頂いていたベテランJリーガーの選手の言葉を借りると

「ハムストリングスが使えると頭と体が繋がる」
「バネ感が出てきた」

毎回のトレーニングで効果を実感していた。


本記事ではハムストリングスによる爆発的なスプリントをフットボールジャンキーへ



身体のバネを見極める。ハムストリングスの爆発力とスプリント。


ハムストリングスの特徴として
・力指向の羽状筋(機能)
・多関節を跨ぐ連結筋(構造)
・足裏、背中との密な関係性(機能)



私がツイッターで取り上げた事例を中心に紹介していく。


まず、外見上の構造として弛緩していると細く見え、収縮していると非常に太く見える。


ティエリ・アンリ、フェノメーノ



これには羽状筋としての特徴がある。



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羽状筋は個々の筋線維が短い分、より多数の筋線維が筋肉の中に詰まっていることになり、しかも短い筋線維が並列しているため、それぞれの筋線維が生み出す力を足し算することができます。したがって、より強い力を発揮することができる。つまり羽状筋には、スピードは出ないけれども力は出せる、という特徴がある
太ももの裏の筋肉(ハムストリングス)は構造的には羽状筋なのですが、羽の傾きが非常に浅く、平行筋に近い羽状筋といえます。


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岡崎慎司選手の通常時と膝関節が曲がっている時のハムストリングスを比較すると太さの違いがわかるであろう。



このハムストリングスはスプリントに重要な他の関節や筋肉との繋がりがある。




・下腿三頭筋の機能的連結
・広背筋との筋膜連結


ハムストリングス、下腿三頭筋、広背筋のパフォーマンスを確認できるのがジャンプ動作である。


バレーボール ブラジル代表エース バラセ・デ・ソウザ選手

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マイケル・ジョーダン

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レブロン・ジェームス

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クリスティアーノ・ロナウド

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彼らスーパースターのジャンプは下記の特徴がある。

・背中を使って(背中を丸めない)
・膝が自然と曲がる
・足首が下を向いて足の裏が見える


つまり、

・背中を使って(背中を丸めない)=広背筋
・膝が自然と曲がる        =ハムストリングス
・足首が下を向いて足の裏が見える=下腿三頭筋

これらの筋肉が連動して高いパフォーマンスを発揮をしているのが一目瞭然である。


フランスのスピードスターの映像を確認するとスプリントにも同様の現象が起こっているのが確認できる。




下記のパフォーマンスでのハムストリングスの特徴を紹介した。

・弛緩時と収縮時では外見上のサイズが変化する
・下腿三頭筋と広背筋との機能的連結がある
・ジャンプ動作を確認するとハムストリングスが使えているか分かる


次回は、スプリントに繋げるトレーニングを紹介する。


身体のバネを見極める。ハムストリングスの爆発力とスプリント。


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