【モノローグエッセイ】悪い子の子守唄
子守唄というものは「良い子」の所有物であり、特権で、「悪い子」には縁などないものだとふと思う。
ねんねんころりよ おころりよ
ぼうやは悪い子だ ねんねしな
なんて、歌はない。
ゆりかごやベッドで眠るのは皆「良い子」たち。
「悪い子」に眠りなど来ない。ゆりかごもベッドもない。
夜こそが彼らの居場所、あるいは逃げ場所なのである。目的もなく夜を過ごす。
「良い子」が一生かかっても分からないような世界に「悪い子」は生きている。
だから「子守唄」なんてノーセンキュー、●ッキューなのかもしれない。
でも、「悪い子」にこそ、子守唄が必要なのかもしれない。もうなんでもいいから寝ろって。
それはどんなメロディーだろうか。
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