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【モノローグエッセイ】地べたの50万

私はファッションが好きです。
日頃からちょっとした暇つぶしにウィンドウショッピングをしたりするのが好きです。

欲しいものがあったら、そのアイテムがZOZOTOWNで安く買えるか、それとも楽天で買った方が安いんだとか、手ごろにゲットできる方法を調べたりとかしている。

そんなこともあってか、街を歩いていて、道行く人の服を見ていると、「あ、あのブランドの服だ」っていうのがけっこう分かって、同時に値段がどのくらいかもだいたい検討がつく。これは自論だが、ニットはある程度、値のある品の方が良い、絶対。

そんな私が、最近良く見かけるようになったのが、Diorのトートバッグ

電車に乗ると必ず見かける。
見かけすぎて、検索したほど。しかも全部同じデザイン、形、サイズ感。流行っているのかな。

表現に少し困るが、、
見かけたそのトートバッグを持っている電車の中の人のほとんどが、バッグに「持たれてる」人が多いような印象を受けた。「胃もたれ」ならぬ「バッグもたれ」と言うべきか。

まるで、そのバッグでマウントをとるような、なんだろうバッグはハイブランドなのに、服装はファストファッションというようにちぐはぐしている人が多い。まあそのバッグの入手経路やコーディネートなどあくまで個人の自由で私が気にしてもなんだが、ファッション好きとしてはやはり気になる。

極めつけが、先日電車に乗っていたら、地べたにDiorのトートバッグを置いて立ってる人がいて、あー50万が泣いてる、と心の中で思っていた。

また、別の日に、Diorのトートバッグを持っている男性が前から歩いてきたので、ちょっと見ていたら、新聞配達関係の事務所のビルに入っていったのに、ええっ?!とびっくりしてしまった。

そんな人々を見かける日常の中にふと、私の目にとまったのが「絶望散財」という言葉だ。

(以下、一部抜粋)

「経済は最悪で、地球温暖化があり、世界的に政治的、社会的不安が絶えない」と、ミシガン大学で教育と心理学の博士号を取得しているホランドさんは言う。
「すぐに達成できるものにお金を使う方が簡単です」

一般的に、人々は経済的に不安定な立場にあるとき、支出を削減します。 しかし、ますます若い世代は逆のことをしており、彼らの財政的未来は何があっても運命づけられていると考えている。学生の負債負担の増加、生活費の増加、労働市場の変化により、家を購入したり、老後のための貯蓄などの経済的目標を達成することがより困難になっている。

このように、個人金融会社クレジットカルマによると、米国人の約27%が経済と外交に対する懸念に対処するために「絶望散財」を認めている。そして、ミレニアル世代とZ世代の割合はそれぞれ43%と35%でさらに高くなっています。


すぐ手に入れられるものにお金を使う。

残高など気にせずに無謀な高額衝動買いを繰り返す絶望散財。

あのDiorのバッグたちは、すぐに手に入れられる幸せのあらわれだったのかもしれない。

また別の話だが、不景気真っ只中になると、いわゆるハイブランドは民衆に寄り添うようになるのだという。顧客幅を広げて、売り上げを上げるためだ。(ラジオで言っていた。)
そして、景気が戻ると、また元の高層階へ戻る。

今ハイブランドは、どの位置にいるのだろう。

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