本屋さんに行きたい

自粛期間中のGWをみなさま、いかがお過ごしだったでしょうか。
私はもちろんどこへも行かず、部屋の断捨離をしました。
もともとがインドア派で、なおかつ仕事も在宅なので本屋さんに行けないこと以外に生活に変わりはありません。
母と父は気晴らしも兼ねて日用品の買い出しに行くし、妹は仕事に行くけれど、本屋さん以外に特に行きたいところのない私は日々家にこもって原稿と読書。
ときどきあつ森(あつまれどうぶつの森)、そしてYouTube。

「どこかに出かけたいな」と思っても、行きたい場所ってじゃあどこ?って訊かれたら、本屋さん以外は特に思いつかない。
地元の本屋さんにも行きたいし、ちょっと電車で足を伸ばして行く超大型書店にも行きたい。
つまり、私は本屋さんへ行くことがいちばんの気晴らしになっていました。
それができないことが、どんなにストレスの溜まることかと痛感しています。

ここ二カ月はAmazonと楽天で本を買っていて、妹が仕事帰りに雑誌を買いに行くと言うので三冊だけ本を頼んだときがありました。
妹が帰宅して、見慣れた地元の本屋さんの袋から私の本を出してくれたとき、思わず泣きそうになりました。
「本屋さんで買った本」というのに触れたのが、本当に久しぶりだったから。

抱きしめました。
本を抱きしめました。

休業せずに営業してくれている地元の本屋さんにとても感謝すると同時に、「通販ばかりで買ってごめんなさい」と思いました。

私は目的の本だけを買って本屋さんを出るということができません。
だって、本屋さんは思いがけない出会いがある場所だからです。

目的の本と、それからあっちの出版社の新刊はどうかな?とか、そういえばこの作家さんの本を集めたいと思っていたんだ!とか。

カゴいっぱいに本を入れて、レジに向かう日はいつになるのだろう。

一時間以上もウロウロして、気が付いたら目的の本を買い忘れて、笑顔で本屋さんを出て来る日はいつになるのだろう。

本屋さんに行きたい。

でも、密は避けないといけないし、働いてくれている人のことを考えると私のような客は迷惑極まりない。

本屋さんに行きたい。

目的の本なんか考えずに本屋さんに行きたい。
暇つぶしに本屋さんに行きたい。
発売日に本屋さんに行きたい。

たくさんの素敵な本との出会いをくれる、本屋さんに行きたい。

誰かの心無い行動が、まったく知らない人の生活を変えてしまっている。

ただ本屋さんに行きたいだけなのに、たったそれだけのことを我慢しているだけのに、こんなにも悲しくて寂しくて、私の生活はコロナに罹患しなくても病んでしまっています。

誰かが海に行ってバーベキューをして、誰かが「出かけたいから」と言って観光地に行って。

知らない誰かの行動が、知らない誰かの生活に思いもよらない影響を及ぼすことを知って欲しい。

私はただ、本屋さんに行きたい。

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