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なんでウチのデイは人が来ないんでしょうね?の考察とぼやき

介護スタッフの退職が相次いだ一昨年の年末、そして唯一の看護の先輩がやめてしまった昨年末。
そこから求人広告を介護は1年半、看護は半年出しているウチの職場ですが、決まる気配がありません。
問合せから電話から漂うトンデモ求人感、応募が来たと思ったら履歴書真っ白、面接日程組んでも当日キャンセル又は音信不通が当たりまえ。

人が足りないため、最近は管理職が現場に出るようになりました。
人材の確保はこれほど難しいのかと、補充は半ばあきらめてます。
僕もう疲れたよ...。

そんな現状に絶望した時期に、なぜここまで採用に難渋しているのか八つ当たりのように調べたので、ここに供養します。
同じように職場に人手が足りず悩む同士に届けば嬉しいです。生きろ。


人が来ない理由1:人材の奪い合いが業界の垣根を超えて起きている

そもそも人出が足りていないのは介護業界に限りません。
経済産業省の資料を見れば、求人を出している業界は多く、我らが介護業界や医療福祉業界のほかに、建設業や小売業、宿泊・飲食サービス業も人を求めている現状がわかります。
つまり、我々は他の介護施設だけでなく、これら人手不足の業界とも人材の取り合いをしないといけないのです。

”いわゆる人手不足業種と言われている、建設業、小売業や、飲食店・飲食サービス業、介護事業等は、やはり求人意欲の「上昇」グループに含まれる。”

引用:いわゆる人手不足業種の背後に あるものは何か? ;求人意欲とアウトプットレベル、労働生産性の関係 経済産業省 経済解析室 2017年11月
https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikeizai/pdf/h2amini091j.pdf

「求人意欲」と見慣れない単語が出てきましたが、ざっくりいうと業界で現在働いている労働者に対し、どれだけ求人が出ているかの割合です。

同じ100人の求人が出ていたとして、全体で1,000人いる業界と2,000人いる業界とでは人を欲する熱量が2倍変わるということですね。
少数精鋭で量より質を求めている可能性もありますが、それができるのはある程度人手が充足している業界だと思うので、求人意欲が高い≒人手が足りない業界、とみていいでしょう。悲しい。

そもそも今は少子化で売り手市場。
新卒採用や即戦力の中途採用市場では、いい人材を確保するためあの手この手の採用施策を施しています。
(ライターの仕事でも、転職関係のライティングって結構見かけます。)
そのような採用激戦区の只中にいるから、というのが採用出しているのに人が来ない原因の一つではないでしょうか。

人が来ない理由2:介護業界が不人気かつ舐められている

これまで長年にわたり言われ続け、もはや鉄板ネタになりつつある不人気業種というイメージ。
身体介助に体力を、対人業務で気力を使うため業務内容はハードなうえに、排泄介助などいわゆる「シモの世話」もあるため華やかさは一見なく人気がないのもわかります。

しかし、求人を1年以上出しているとちらほら応募はあったため全く人が来ない、という状況ではありませんでした。それでも現在、採用はゼロです。

応募者を落としまくっていた施設長に言ったことがあります。
「未経験でも年齢が上でも、入ってもらって仕事を覚えてもらえばいいじゃないですか!とりあえず入れましょうよ!」

そうして返ってきた答えがこれです。
「応募してくる人は、それ以前の問題なんだよ」

聞けば、応募時の電話応対が社会人としてどうなのという方や、職歴の空白が長い方からの応募が多いらしいのです。
「応募者の母」と思しき方からの問い合わせ電話もあったとか。

未経験だろうがブランクがあろうが、実際に業務をして覚えていけば問題ないんですよ。ルーティン業務が多く仕事が覚えやすいのがデイサービスの長所です。

でもなぁ、電話応対とか社会で求められる常識とか就職活動で必要な情報は調べてほしいな。電話のかけ方なんかは、ネットでちょっと調べたらいっぱい出てくるよ。

それすらクリアせずに応募してきてるってことは、介護業界が「これくらいでも受かる」と判断され舐められているからだと思うんです。
悲しい(2回目)

人が来ない理由3:採用ページにグッとこない

自社の求人ページをみましたが、求める条件がそこそこ高いわりに、記載文面が適当なんですよね。
ダメではないけど、グッとくるものもない。

アラサーアラフォーの若い()世代を求めているのに、勤務に柔軟性がなく子育て世代には働きにくい。
時給もデイサービスは介護職の中では安めなので、バリバリ稼ぐのにも向いていない。
業務内容は記載されているけど、具体的にどんなことをするのかは読みとりにくい。

キャリア支援や福利厚生など良いこともいっぱい書いてあるんだけど、社名を入れ替えたら他社でも使えそうな文面。
ぜひウチで働いてほしい!という熱量をあまり感じません

冒頭で触れましたが、今は業界の垣根をこえて人材を取り合う時代です。
「この会社で働きたい」と求職者に思ってもらわないと、応募すら来ません。
労働条件や福利厚生もいいんですが、入職して実際に働く姿をはっきりイメージできる情報をもっと伝えたら、応募の数も質も上がるんじゃないかな。

ウチは企業体質こそブラックなデイサービスですが、労働環境や業務内容はホワイトなのでそこをもっと伝えていきたい。

人がくるようにするにはどうすりゃいいのさ?

自社を選んでもらえるようにアピールしないと応募すらこない時代が来ていると思います。(現:弊社)

1.求人・採用に対する既存意識を変える

求人広告だして、応募をひたすら待つのはもう古い。
応募「前」の求人ページはもちろんのこと、企業のホームページでも仕事の内容や積めるキャリアもゴリゴリ紹介したい。
先輩の声として、勤続1年目や5年目の職員にインタビューして具体的な未来の姿見せるのもいいんじゃないかな。
(うち10年選手しかいないけど。)

それから面接は落とす場ではなく、自社アピールの場として対面で採用の熱意を伝えてほしい。所長!聞いてっか!?

2.現職スタッフがはたらきやすい環境を整える

ブラック環境が分かっているのに入職する人はいません。
まずは今働いている我々が心地よく業務を進められるよう、労働環境の改善から始めていただきたい。

上層部、聞いてっか!?

人手を補うために残ったスタッフをこき使うのではなく、業務の整理をしましょうよ。
通常営業の日ですら社員が残業しているのは異常ですよ。

月末月初の休日出勤も、失くしましょうよ。
それか、事務員さんに来てもらって請求業務やってもらいましょ。
社員全員の残業代をかき集めたら、事務員さんの採用できますって。

次の退職者が出る前に、早く。

「人来ないねぇ」じゃないよ、対策してくれ

採用がなく業務が忙しすぎて体力も心も限界が近くなった時期に、上長に軽くキレたことがあります。
上長の「募集はかけているんですよ。変な人ばっかり来るんですよ。」の返答からは、本気で人を募集する気があるのかがわかりませんでした。

業務がなんだかんだ回ってしまっているから、採らなくてもいいと思っているかもしれないですね。

私自身、家族の転勤で退職する可能性が残っているので、その前に早く人を採ってほしいなというのが本音です。

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