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第16回書き出し祭り第三会場感想まとめ 後編(16〜25)

説明

書き出し祭りとは、プロ・アマチュア混合で小説の書き出しのみを公開し、面白いか、続きが読みたいかなどの評価により読者が投票し、書き出しの魅力を競い合う完全匿名のイベントです

公式様↓
https://twitter.com/kakidashi_fes

3-16 さっさと死んどけクソ野郎〜探偵の口が思っていた以上に悪すぎる〜 感想

よかったところ

探偵と助手の悪口の応酬がひどいw
参加した人間が消えるパーティ、謎めいてて好き

個人的に気になったところ

bird……?
日本風の名前なのに苗字がなくカタカナなのはなぜ?近未来とかSFならばありそうな設定だが、世界観がわかりにくいため判定できない。話の本題ではない箇所の読解に労力を割いてしまう

3-17 皇后筆頭候補(代理) は、“粛正皇帝”の最愛を求めない。 感想

よかったところ

敵と領地を接する辺境泊は左遷先でもなんでもなくて、本当に信頼できる家臣しか置けない→さらりとこの点が押さえられてて信頼感がドUP
それでも女の戦いは勃発するところ。主人公が皇帝から依頼されたことからも、主人公が嫌がらせを受けまくることは想像できるが、それに対してどう応戦するのか楽しみでワクワクする
青の魔女というネーミングが好き
なんだかんだ言ってベストパートナーになりそう

個人的に気になったところ

読み逃していたら申し訳ないのですが、10日後に皇后選定の儀式とかがあるのでしょうか。10日という数字がやや唐突に出てきたような

3-18 猫⭐︎ファイブ・ギア・ファイブ!〜地域猫活動と猫嫌いな俺〜 感想

よかったところ

猫を毛嫌いするタイプの描写がリアル(そういう人いるよね〜ってなる)
ただ無責任に餌付け→結果的に制限のない繁殖を助長してしまうタイプと、きちんと地域猫として管理しようとしているタイプ、特に猫嫌いで地域猫活動を知ろうともしない人には見分けがつかないな、と学ぶところも
猫嫌いな主人公がどうやって保護猫活動に関わっていくのか興味が湧く

個人的に気になったところ

エンタメとして楽しませながら社会に問題提起するタイプの作品だと感じた。爆発的なヒットはしなさそう(それは長所とも言える)

3-19 婿入りの宴 感想

よかったところ

文字数の制約の中、違和感なくするする読める
サスペンスホラーを読む際にカタルシスとなるのはこの場合「村の掟の真相」であるが、それを書いてしまえば物語が終わってしまう。けれど続きを読みたいと思わせるには真相の匂わせが必要。主人公の特異体質と父の死、おどろおどろしい夢でその匂わせが効果的に完了している。ついでに主人公の説明、状況の説明も済んでいる。
こなれてますね????

個人的に気になったところ

た。だった。思った。が連続しすぎているところ

3-20 ゴミの王vs透明人間 感想

よかったところ

人間が認知できないはずの「穴」が見えるという才能が明かされていく過程が面白かった
ゴミ屋敷の住人がいわゆる「能力者」っぽいギャップ
価値のなさそうなものに価値を見出し、一般に価値が高いと思われるものをゴミと一蹴する独特の価値観が物語の根幹にも繋がってきそう

個人的に気になったところ

ゴミ屋敷とその住人の描写と、その後の物語の進展を窺わせる「引き」のバランスが悪い気がする。ゴミ屋敷の描写はもっと簡潔にしたほうがいいと思う。
あらすじと本文内に作者のメタ的視点が出てきたが、少々面食らう。

3-21 駄菓子屋主人のエテルナちゃん 感想

よかったところ

単一種族が基本的に単一国家を持つ世界。単一民族単一国家は世界史で民族運動の発展に繋がったと習った(気がする)が、その一方弊害もあるはず。Wikiをざっと見た限りだが、「俺たち単一民族だよね?」と同化政策を推し進めたり、「単一民族の国だからよそ者はいらないよね?」と排外的になったりするらしい。我々が住む世界諸問題も意識したような世界観が私は一番好きです
夜に君臨する女王が、この書き出しだけでは明確に言及されてないにしろ、駄菓子屋の女主人っぽいのが好き。駄菓子屋に来る子供たちの笑顔を守りたいという女王の働きの動機もわかりやすい

個人的に気になったところ

マフィアのボスが「薬を買いにきたわけではないな?」と襲撃者に言ったのに、追い詰められると「薬が欲しかったらやる」と言うところ

作者様より、「マフィアのボスは最初、襲撃者は薬を”奪いにきた”と思ったため欲しかったらやると命乞いした」と説明を受けました。言われてみればその通りで、私の読解不足でした、申し訳ありません

3-22 油彩『或る女の屍』 感想


よかったところ

天才だった父と、そんな父を嫌いながらもその遺産と栄光に頼らざるをえない息子というモチーフ
息子のジレンマ・劣等感はもちろん、彼の父親もまた、本名名義では売れなかったという屈折した感情を持ってそう
資産家の娘謎めいてて好き。どこかに専属の情報屋持ってそう
最後の展開にヒッってなった

個人的に気になったところ

特にないがグロ系に免疫ないと続きが読めなさそうです
私が絵画に無知なだけだが、絵の具のコブってどんなんだろうと思いスピードが落ちた

3-23 底辺探索者の逆転成り上がり 古代遺跡から最高のメイドロイドを手に入れて 感想

よかったところ

題名のウケが良さそう。内容がわかりやすい
遺跡探索の際の、土埃・汚れの描写がうまい。ムワッとする雰囲気が目に浮かぶよう
大勢が見向きもしないエリアに目をつけて、成果がすぐには見えずともコツコツ努力する主人公に好感がもてる
見返したい反抗心と、ちまちまとでも稼げることが重要という現実の狭間で揺れ動く感じ
終わりの引きがいい

個人的に気になったところ

「そもそも労力に対価が見合わないと、日参しているグラントをバカにする冒険者も多いぐらいだ。」この一文の前後との繋がりが悪い
やや情景描写が長い

3-24 影の令嬢は、しらない間に愛をしる 感想

よかったところ

有事に活躍するタイプの人間は平和な時代には無用になってしまう切なさというか侘しさというか。本人がそれを自覚していて、変に抗わないのもいい
影猫ちゃんがサリアの影に溶けていくの、アニメ映えしそう
影の令嬢とコワモテの親衛隊長のバディ感
そして親衛隊長の圧倒的片思い感……膝から崩れ落ちるのを想像しただけで笑える
サリアさん気づいてあげて〜

個人的に気になったところ

特になし

3-25 星降る夜に嘘をつく 感想

よかったところ

「先祖が異世界から聖女を召喚した」場所で異世界の女の子と会話するのが、種族の伝承に興味がない子という点。無邪気であるがゆえに、結末が悲劇的でないようにと祈るような気持ちになる。「人族と魔族の争いに森の民エルフが巻き込まれた暗黒の歴史」この一文に切ない不安感がそそられる。
森の描写がとても綺麗。キリスト教の絵本とかにありそうな筆致(語彙力)
「恥ずかしさのあまり奇行に走る」で鼻血が出る。末永くお幸せにな!
会話のときに間をあける”癖”。その癖が出る文脈を読み直すと、「あっ……」と、胸にくるものがありますね
嘘にまみれていたのは異世界の女の子もだった。一年に一度しか会えないのにどうやってエルフの男の子は女の子を助けるのか、続きが気になる。

個人的に気になったところ

一年に一度しか会えないのに、結婚という言葉が出てくるものなのか?手を繋がせてくれとかキスさせてくれとかの方がリアルな気がします

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