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筋肉で息子と語り合う


「ママが『脳筋』と分かりあえる日が来るとは思ってもみなかったよ〜!」と娘が笑うが、
56歳にして「初 筋トレ」してみたら、良いことしかない。
それでもって筋肉モリモリ、格闘技と柔術が趣味のいわゆる「脳筋」息子と過去1仲良くなれたのだから脳筋最高!と言いたい。

(「脳筋」という言葉は知らなかったのだが、娘がしばしば使うので調べてみたら、ちょっとネガティブな言葉なのかしら?)

私はずっと美味しいご飯と美味しいお酒があれば幸せだったし、運動やトレーニングには全く興味がなく、歩いて5分の所にも車で行く。
いかに歩かないで移動できるかを最優先に考えて日々暮らしてきた。
更年期を迎えてからはコレステロール値が標準値より高く、「適度な運動をしましょう」「脂質を減らした食事を心がけましょう」と医師から指導されていたが改善できずにいた。

洋服が大好きなのだが、いつしかお腹周りを隠し、二の腕を隠し、たれ尻を隠し、、、そんな洋服ばかり探すことに疲れてオシャレを楽しむことが億劫になってきていた。

そんなある日、お風呂上がりの私の裸体を見た娘が「ママ、お腹ヤバいよ?!」と放った言葉の矢が見事に私の胸につき刺さり、私は目が覚めたのだ。

その日を境に生活が一変する。

「明日から筋トレするわ!」なぜか突然、『やる気』が降ってきたのだ。

子育ても終わり、これからの残りの人生は「明るく楽しく美しく生きていきたい」と私は常々考えていた。
その為にも健康な肉体と健全な精神が必要不可欠だ。しっかり筋肉量を増やすことを目的としたトレーニングをしようと決意した。

筋トレはやってみると意外にも楽しくて、これには自分自身も驚いた。

ジムに行けば周りの人達が皆頑張っているので自分も自然と頑張る。本気で頑張る。私にとってこの環境は大切かもしれない。老若男女がトレーニングに真剣に励むこの空間はとても刺激になる。

トレーニングは辛いし苦しいけれどやり終えたときの達成感がもの凄い。

こんな感覚は久しぶりで心の底からワクワクした。

そして本当に「幸せホルモン」が出るのだ。
そういう話を聞いたことがあるが、もっとムキムキの人の話だと思っていた。
気分が上がってめっちゃくちゃ元気になる。
以前のように食べたり飲んだりに依存しなくても幸せな気持ちで満たされる。

体に必要なものを必要なだけ取り込むことで体が機嫌良く動く。 
体がよく動くから楽しいことが沢山できる。
楽しいことができるから毎日ニコニコできる。

良いことしかない。

息子は格闘技ジムでトレーナーのバイトもしているので、私の筋トレの話には非常に前のめりに乗ってくれる。時々ウエイトを使ってトレーニングの仕方も教えてくれるのだが、教え方がとても上手い。丁寧に分かり安く的確に筋肉に効くように指導してくれるのだ。
私の知らない息子の一面も知れて母はちょっと楽しい。
マシーンの使い方や、体の使い方、プロテインや食事の話まで色々アドバイスをくれるので有り難いし、共通の話題で息子と盛り上がれるのが想定外の賜物だった。
「今日はジムに行くのサボりたいな」って思う時も、「行ってきな!行けば行ってよかったって思うから!」と息子に背中を押される。確かにそうだ。「行ってよかった」と必ず思う。
そして私が「ジムに行ってくる」と言うと何だか息子が嬉しそうなのだ。

筋肉で親子の距離が縮まったのは間違いない。


しかし、30年以上も全く運動をしてこなかったおばさんの筋トレは決してカッコいいものではない。
イメージだけは富永愛のつもりだが、錆びた体を動かすのは容易ではないのだ。
ジムではひたすら地味ぃーにマシンに向かう。
時々はトレーナーに教えてもらうこともあるが基本は1人で黙々とやる。
歯を食いしばっている顔はかなり不細工だ。マスク生活に救われる思い。

ジムに行く時間がない時でも家でスクワットやプランクをやることを習慣にして、とにかくコツコツと出来ることをしっかりやるだけ。

そうして6ヶ月が経過したので体組織測定をしてみた。

筋肉量が増えてる!体脂肪が減って筋肉量が増えてる。
基礎代謝量も上がってる!

そういえば、今年の冬は極暖ヒートテックを着ないで過ごせるくらい寒さに強くなっている。

ディズニーシーで2万歩近く歩いたけど娘より元気だった。

久しぶりに行った焼肉屋のおじさんに「なんか若くなったねー!」って言われた(笑←これはおじさんの優しさかな

お腹のお肉も二の腕のプルプルも少しはマシになった?

自分の体が変わってくるのが分かると筋肉痛さえも愛おしくてたまらない。

また明日からも頑張る、がんばる!


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