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上手になる事と 気持ち良く踊る事①大会審査基準の確認

ファン・ダリエンソ(Juan D'Arienzo)の名を冠したD'Arienzo Cupの決勝戦が近づいて来たこともあって、プラクティカも出場者で賑わっています。
(余談ですが、今回12月14日のダリエンソの誕生日に近い日程で行われるようです。初回は10月だったので意図はないかも知れませんが、この時期に行う方が相応しい気がしますね☺)
拝見していると、本当に皆様お上手で、ここに得点を付けなくてはならない審査員の方々の苦労が忍ばれます😔

さて、大会は拝見する専門の私ですが、やはり上手になりたいと思わない訳ではありません。

では、タンゴが「上手になる」とはどのような事なのでしょう

私個人としては、一般的に上手だと言われる方と踊ったとしても、必ずしも踊り易いか、気持ち良く踊れるかと言うと、またそれは少し違う話のような気がするのですが、大会の審査基準を確認してみると、どのような事が求められているのかが分かるので、出場しない方も参考になるかもしれません。

⭐まず、2004年から開催されているTango Dance Asian Championshipの審査基準ですがピスタ部門とステージ部門では基準が異なります。
(Tango Dance Asian Championship https://campeonatoasiatico.com/regulation.html)

■審査基準について
a)「ピスタ・一般部門」、「ピスタ・セニョール部門」(プロ・アマ自由参加)
1)アブラソ(タンゴ・ダンスのポジション)に関して
1-1 ペアは一度組んだら音楽の続くあいだ離れてはいけない。タンゴダンスのポジションであるアブラソを崩してはならない。
1-2 向かい合ったペアの身体がつねに相手のアブラソによって保たれている状態が正しいポジションとされる。特定のフィギュアにおいてアブラソが伸縮することもあるが、1曲をずっと離れた状態で踊ることはできない。
1-3 全ての動きはペア2人が組んだアブラソの空間の中で行われなくてはいけない。
2)審査員は採点基準として、ペアの踊りが音楽にマッチしたものか、又、歩く(カミナータの)スタイルを重視する。
3)ここに記載した審査基準の範囲内でバリーダ、床についたサカーダ、エンロスケ等を含めて一般的に使用される全てのフィギュアをおこなうことができる。
4)跳躍、リフティング、その他ステージ・タンゴの振り付けとみなされるものはいかなるものも完全に排除される。
5)ペアは、ミロンガのダンスフロアと同じように、常に時計回りの反対方向に移動していかなければならない。後続のペアの進行を妨げてはいけない。
6)ペアのどちらも膝の線より上につま先を上げてはならない。

b)「ステージ部門」(プロ・アマ自由参加)
1) 演技者がタンゴダンスについて持つ独自の視点を発揮できる。これにより伝統的タンゴと関係のない動き、フィギュア、テクニックを使用することも許される。
2)正当な理由があり演技に有効である場合はアブラソを解き、他の踊りのルールに由来したテクニックを使用することができる。
3)審査団は次のパラメータを考慮に入れる。 舞踊振付(創造または再創造)/タンゴのエッセンスの保持/ステージ空間の利用/舞踊的なおよび姿勢のテクニック/肉体的および空間的な線の作りかた/ペアのシンクロニゼーション/舞踊的な効果/解釈表現/音楽的正確さ(リラックスしているか、音楽=ダンサー=スタイル)/衣装とメーキャップ

⭐後から始まった他の大会も、おおよそこの辺りの基準に準じていますが

⭐2019年から始まったD'Arienzo Cupの場合は、
レギュレーション
a) 決められたスペース内をロンダで踊る。 そのスペースは(1ペア/ 1.8 m2~2.25m2):9/9発表
b) 主催者が指定したTANGO,MILONGA,VALSを 各1曲ずつ踊る。
c)タンゴであること
d) アブラッソは両方が閉じられていること
e) 腰より高いリフト禁止
f) 他のカップルへの危険行為
g) 決められた審査員(観客以外の)より求められた場合は参加者はもう一度踊ることがある。

審査項目
a)タンゴの技術、パートナーとのコネクション
b)音楽性
c)スペースでの操縦: ロンダ *ロンダを止めているもの
d)服装、靴及びメイクアップ
e)ぶつかった時の審査ポイント
1)前のカップルが下がり後ろのカップルに ぶつかった場合は前のカップルが減点
2)後ろのカップルが前もしくは横、回転等で進み ぶつかった場合は後ろのカップルが減点

のように減点についても明らかにしています。

続きます。➡︎https://note.com/haruoumi_tango/n/n5c37b0172029

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