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海のことば、空のいろ

少し深めのエッセイ。創作にまつわるエピソード。時々、小説。 海の傍で生きてきた私のなかにある、たくさんの“いろ”と“ことば”たち。より自然体で紡いでいけたら、と思います。
いつもより深めのエッセイ、創作インスピレーション、創作小説等を月4本以上、ランダムにお届けします。…
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#小説

【垂れ下がる糸の先で漂う】

暗いと怖くて、明るいと眩しい。幼児のような駄々をこねる私は、いつも恋人に愛想を尽かされる…

碧月はる
1年前
29

【物語と月が満ちる夜】

私がはじめて出会った西加奈子作品は、『さくら』だった。

碧月はる
2年前
34

【雪虫の舞う朝だけは】

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碧月はる
2年前
42

【塞いだ、その先】

 朝がきたら、少しは楽になると思っていた。けどちっともそんなことはなくて、雨戸を開けて風…

碧月はる
3年前
30

【溶けて、重なり、降り積もる】

 泣くのを我慢していると、喉の奥がぐうっとなる。熱くて苦い塊が詰まって、そこから抜け出せ…

200
碧月はる
3年前
37

【ぬるくなったココアと、春風と】

 時々、無性に焦がれる。ほしくてほしくて溜まらないのに永遠に手に入らないものを、ただじっ…

200
碧月はる
3年前
35

【名前のない獣】

 波音を聞きながら、空の色が変わりゆくのをただ眺めている。頭のなかでひっきりなしにあらゆる物事が浮かんでは消え、何度かそれを反芻しているうちにすべての輪郭がぼやけた。

金魚の尾びれ

 ゆらゆら揺れる金魚の尾びれ。重なる色と光。 「きれい」  呟いた声が、変化する色と重なっ…

200
碧月はる
3年前
26

悪人

「お前、面倒くさい」 「面倒くさいから、浮気したの?」 「そういう返答が面倒くさいんだよ」…

200
碧月はる
3年前
31

夜泣きと煙草と夏の終わり

「もう切ろうか」  そう言うと、眠たげな声で「やだ」と駄々をこねる。子どもみたいな言い方…

200
碧月はる
3年前
18

 繋がったイヤホンマイクから漏れ出す、規則正しい寝息。酔っ払ったときしかイビキをかかない…

200
碧月はる
4年前
30

愛し(かなし)

失ったものを、ただぼんやりと眺めている。その時間は、何も得るものがない。それでも私は微動…

200
碧月はる
4年前
27

巡れ、巡れ、ぐるぐると。

「大丈夫だよ。だって、これはほんとのことじゃないから」 虚ろな表情でそう言った息子は、ま…

200
碧月はる
4年前
26

わたしの日記帳

「奉仕もできないとか、もはや寄生虫でしかないよね」 薄笑いを浮かべながらそう言ったこの人は、10年前に教会のチャペルで愛を誓った人でした。誓いのキスをおでこにくれて、優しい顔で笑う。そのときのあの人を、私はとても好きでした。

¥200