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鼓膜から脳内へと伝わる音楽をひとり噛みしめながら、秋の空を見上げていた。温かい言葉と、救…
サイレンの音が、遠くから聞こえていた。あの音を耳にすると、嫌でも昔を思い出す。 赤い点滅…
徒然なるままに、日々のよしなしごとを書きつけたい衝動に駆られた、穏やかな昼下がり。久方ぶ…
透明度の高い海を見ると、故郷を思い出す。忌まわしい記憶より、美しい景色を懐かしむ時間が増…
花色のなかでは、白にもっとも惹かれる。理由は特にない。幼い頃から白花がすきで、それが「な…
この手を離したくないと、何度願ったかわからない。まだまだ小さくて、でも、きっとすぐに私を追い抜いてしまう、柔らかな手のひら。どんなに心を傍に置いても、物理的に離れていたら与えられないものもある。キスやハグ、手作りの料理、一緒に笑い転げる時間、そして、思う存分泣けるようにそっと揺れながら抱きかかえるひと時。
昔から、よく転ぶ子どもだった。おそらく、運動神経を母のお腹の中に置き忘れてきたのだと思う…
金魚を見ると、夏が来たなぁと感じる。 幼い頃、両親に夏祭りの縁日に連れて行ってもらった。…
記憶の糸は、自身が意図しない形であちらこちらにつながっている。良い記憶も、悪い記憶も、な…
「お母さんのことすきな人ー?」 ちびが、青空に向かって声を張る。自分が出した質問に、自ら…
他愛もない穏やかな日常の中に、しあわせはいくらでも転がっている。ありふれた日々こそが、ず…
木漏れ日のなか、手をつないで歩く。たったそれだけで泣きたくなる私は、おそらくまだ、相当に…
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