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【皮を脱ぐ】

透明度の高い海を見ると、故郷を思い出す。忌まわしい記憶より、美しい景色を懐かしむ時間が増えた。こんな日がくるなんて、若い頃には想像もつかなかった。なんだかんだ、生きてみるものだ。

この夏は、あまりにも色々なことがあった。木々の緑と同じように、色も香りも濃い夏が、駆け足で過ぎていく。日が落ちる時間が早まり、朝晩の風も変わった。突如やってきた秋に追いやられるように、夏が幕を下ろしはじめている。

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少し深めのエッセイ。創作にまつわるエピソード。時々、小説。 海の傍で生きてきた私のなかにある、たくさんの“いろ”と“ことば”たち。より自…

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