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人生が映画なら、どんなエンディングテーマを流そうか?

 社会人になって約5ヶ月

 
 やはり、中々大変です。自分のために割ける時間は学生の頃に比べて格段に減り、やらなければいけないことに忙殺される日々。減る一方の貯金。会いたい人にも中々会えない。
 気がつけば、今の自分は今後どこに向かってるんだろう。なんの為に生きてるんだろう、なんて今まで考えたこともなかったようなことが通勤電車や眠りに落ちる直前、頭をよぎるように。社会人をかじってたった5ヶ月でここまでになるとは…。
そんなある日。
 久々に、家の漫画棚からお気に入りの本を持っているだけ取り出し、読み始めた仕事終わりの夜。
 もう少し、ここから自分で頑張ってみようと思わせてくれた作品を2つ、今回は記録しようと思います。

コナリミサト先生の『凪のお暇』

数年前に黒木華さん、中村倫也さん、高橋一生さんなどの豪華キャストでドラマ化され、話題になった大好きな作品です。
 私はドラマにどハマりし原作本に手を出すタイプなのですが、今回も例に漏れずそのパターン。
 主人公の凪が空気を読みすぎる自分を変える為に仕事もやめ、恋人とも別れ、やりたいことを探し、やらなければならないことにもしっかり向き合えるように奮闘していく姿が元気をもらえるんです。
 ただ前向きに頑張るのではなく、隣に住む中村倫也演じる、妖艶で人たらしなゴンさんに引っかかってしまい、ボロボロになったり、お母さんとの関係に悩んでもがいていたり。ただのヒロインではなく、もがいて傷ついてそれでも前に進む凪ちゃんは本当に一人の人間という感じがして気がつけばかなり入り込んでしまいます。
 凪ちゃんには何度読んでも元気を貰うのですが、今回私が見入ってしまったのは、凪ちゃんのアパートの上の階に住む映画好きでお茶目なお婆さん、吉永さんの提唱する、『人生は映画』というお話しです。

 吉永さんは他人の人生を視姦できるから、という理由で映画を見るのがお好きな方。思い悩んだ凪ちゃんを家に誘い、映画を見ながら
 『映画ですよ人生は』『脚本、監督、カメラ、演出主演も諸々全て自分。地球上の生物の数だけつねにロードショー中よ』
 というシーン。
 自分が自分の人生の決定権を握っていること、どんなことでも選び取り入れる権利を持っていることを思い出させてくれました。
 長い学生生活の中、小中高大と決まったレールをとりあえず自分なりに走ってきたつもりでしたが、最近気がついたのです。
 今後の人生の自分次第なこと。そして学生時代の22年よりもずっと長いこと。 
 これからの人生、自分で決めたことしか起こらないぞー。
 じゃあ、どんな人生にしよう。どんな映画にしよう。
 急に一端の監督気分。でも、自分の人生が映画だと思えば、少しだけ俯瞰的になり、最近立ち込めていた思い詰めた感情が和らいだのがわかりました。肩肘張りすぎずに、自分をもう一度しっかり見てあげる時間になりました。

 そして、自分の人生を、映画を面白くするにはどうしよう、と考えた時。
 まず、面白かった!よかった!と思える人生にしたいと思いました。
 あの、映画が終わった後もしばらく余韻で動けなくて、流れてるエンディングも映画の内容にぴったりで。シアターを出た後も少し友達に話しかけにくいぐらい浸ってしまった映画のように。

青葉市子さんの『アンディーブと眠って』

たまたま、朝の通勤電車で一番が滅入る、人コミコミの地下鉄に乗り換えるタイミングで、その曲は再生されて
 私はあ、この曲、人生のエンディングテーマに流したい、と思ってしまいました。 
 青葉さんの曲はおろか存在も全く存じ上げなかったのに、、すみません。
 調べて架空の映画のサントラを制作された、という情報が出てきて、その発想が素晴らしすぎて更に惹かれてしまいました。

 優しいけれどもどこか悲しい、それでもベールのように包み込んでくれる声。控え目なのにその雰囲気を切なく温かく作り上げているメロディー。

 アンディーブと眠って 
 いまは世界も目を閉じて
 わたしたちを隠して

 穏やかな曲はなんだか安らかな眠りに誘っているような気がして。
 私の人生のエンディングは、こんな風に静かに、優しく満足感に包まれた瞬間がいいと思いました。

 監督が完成作品を見て、ああ、いいものができたな、とこの曲が流れるシアターでぽつりと呟いてしばらく席から立てないような、そんな映画。そんな人生。
 私は私の人生を決めて、生きてやる。私の為に。そう思いました。

 だからと言って具体的にはまだ何も決まっていませんがそれでも、今後の制作方針は少しだけ固まりました。
 自分のために、自分の満足いく人生を作り上げて生きたいと思います。

 最近忘れていた、見失っていた感情を心に灯してくれたこの2つの作品に敬意と感謝を込めて。

 ではまた、どこかで🥐


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