真面目じゃない、硬派なんだ【みくまゆたんさん企画「#自分語りは楽しいぞ」】参加記事
みくまゆたんさん、企画立案ありがとうございます😊貼付記事以下、参ります。思いっきり独り語りですので、ご容赦くださいませ。
「アンタって、漢字で話すのね」
訳の分からないことを言われたのが社会人一年目。漢字で話すって何ぞ?と一瞬思ったが、ああ、と思い当たる節があり、答えを返した。
「それって、謙譲とか尊敬語とか、やたら敬語が多いってことですかね?」
そう質問した私に、目の前の先輩女性は是と頷いた。
私が敬語を身に付けたのは中学校入学時。ませていたというか、背伸びをした子供であったように思う。そんなだったから、新社会人の頃は、謙譲語尊敬語を使い分けることは、自分にとってはごく普通のことだった。
昭和の終わりに社会に出た世代。あの頃にはパワハラをはじめとしたハラスメントという概念など存在せず、「新入社員はかくあるべし、こうであるだろう=少し足りないところを先輩上司に指摘され、指導されていくもの」という固定概念があった。
敬語が使えたからといって、職場の戦力に繋がるものではない。さしたことでもないのだが、その小生意気さが先輩女史には少々癇にさわったのかもしれないと、今振り返って思う。
「癖みたいなものなんです……使い過ぎないように気を付けますが。私(の話し方)変ですか?」
と私が問うと、
「い、いや……別に変じゃないけど……肩凝ってくるっていうか……」と尻つぼみの答えが返ってきた。
小学生の子供が敬語を身に付けたいと思う。それには自分なりの理由があった。私の父方は秋田の男鹿、母方は四国徳島。双方地元言葉、方言がある。祖父母から父母へと伝わったそれは、北と西の言葉が飛び交い、北海道に生まれそこで育ち、他府県を知らぬ私には外国語のように聞こえたのだ。
方言のキツイ親族の中でも、最も方言が強く会話に難儀したのが父方の祖母だっだ。男鹿の女でせっかちだった祖母は、キツイ男鹿言葉を早口でまくし立て、道産子である私にはその意味が全く聞き取れなかった。
反応に困った顔で立ち尽くす自分の孫の様子に気付き、苦笑いしながら言った言葉を今でも覚えている。
「オレ(女性でもオレ呼称をする地域の出であった)の言葉さ、キタねぇから分かんねぇべ?」
その言葉に薄く頷いた自分にどこか罪悪感を感じた日から、半世紀が経とうとしている。罪悪感を覚えつつ、薄情な孫である私はこう思っていた。
「やっぱり会話は聞き取れてなんぼだよ、おばあちゃん。私は標準語をマスターするね」
さて。私もいつかはそちらに旅立つ。その時、祖母と再会したら、言葉は何を使うことになるのだろうか。それとも、言葉以外のコミュニケーションが可能なのだろうか。今は浮世の私、想像はしばし彼方に置いておこうと思う。
秋の彼岸も過ぎた今、時季外れ、遅刻も甚だしい話題だが。赦してくれるだろうか、かの烈女は。
拙稿題名:真面目じゃない、硬派なんだ
総字数:1104字
よろしくお願い申し上げます。
#お題で書いてみた
#自分語りは楽しいぞ
#みくまゆたんさん
#祖母の思い出
#AIとやってみた
#AIでヘッダー画像をつくってみた
#MicrosoftCopilot
拙稿をお心のどこかに置いて頂ければ、これ以上の喜びはありません。ありがとうございます。