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好きなこと。

父は、いわゆる『転勤族』でした。
そのため、私は、小さな頃から何度も引っ越しをしてきました。
(今ちゃんと数えたら、高校を卒業するまでにほぼ7回)
借家に小さな庭がついてたこともあったけれど、
父も母も多忙だったし、団地住まいもかなり長かったので、
幼い私が、土をいじるようなことはほとんどありませんでした。
(ちなみに私の祖父母は父方も母方も大都市住まい)
私が高校生の時、ようやく一軒家に落ち着いた父は、
腰を据えて庭仕事をはじめましたが、
ティーンエイジャーだった私が手伝うことはありませんでした。

結婚し、さらに何度か引っ越して、今の庭付き一戸建てに。
しかし、当初は仕事に子育てに家事にとたいへんいそがしく、
なかなか庭まで手が回りませんでした。
四十代に入ると、ついに体調はガタガタ。
子どもたちをなんとか学校に送り出し、ぱたっと倒れるような毎日。
書き仕事はできなくなりました。
一行も書けません。
だめだ。書けなくなったから、もう書き仕事は終わりだあ。

ところがそんなとき(2004年)読者の方からメールをいただきました。
「クリスマスローズ、今年も咲きましたか?」
以前公式ホームページにちらっと書いたのを、覚えていてくれたんだ!
ええ、咲いてます咲いてます。
純白一重の花の写真を見せたいと思い、あわてて庭に出ました。
見せるといっても、当時はTwitterもblogもないからね、
公式ホームページにffftpで写真をアップロードしてからhtmlを書き換えてリンクを埋め込みました。
写真を貼り付けたついでに、
庭の様子なんかを書き始めたら、あら、とまらない。
すごく楽しかった。書ける書ける。なんだ私、書けるじゃない。

書きたいなあ。この小さな庭について、私の庭仕事について、
もっともっと書きたい。
でも、書き仕事が全くできてないのに、公式ホームページで庭のことばかり書いてたら申し訳ない。
そこで、趣味のホームページをこっそりひらきました。
すると、
すぐにコメントをやりとりできる花友達、庭仲間がたくさんできました。
彼女たちとは、年代も近く、子育ての愚痴もこぼせて楽しい。
ますます土いじりに精を出すようになりました。

ふしぎなもので、
横になって寝込んだり、薬やサプリを試しに飲んだり、
体調についてあれこれググるより、
庭に出て、お日様を浴びながら、
シャベル片手に、土いじりをしているほうが、ずっとずっと体調がいい。
庭仕事をしながら、楽しくホームページを続けるうちに、
次第に書き仕事にも戻れるようになりました。

そんなこんなで、書き仕事をしながら、
小さな庭でちまちまと土いじりを続けていたのですが、
一昨年、
黒柴の散歩に出ただんなさんが、
なんと、近所に突然、貸し農園をかりてきたんです。
前からやってみたいなあとは思っていたのですが、
とうとう二人で本格的に畑仕事をすることに。
これが本当に楽しい。
(幸い、目の不具合は、畑仕事にはほとんど支障ないのです)

というわけで、この二年くらい、
畑仕事初心者として、日々楽しく励んでいるはるなです。
ご近所のみなさんとも、すっかり畑仲間になりました。

畑仕事にかまけて、このnoteとも、すっかりご無沙汰してしまい、
はるなはいったいどうしているんだと心配かけてすみません。
(実はご心配のメールをいくつかいただいてしまった)
元気にしております。
そして実は、この、土臭い日常を、
よそにblogを借りて、またこっそりと綴っています。
(家庭菜園をやってるシニアのお友達が増えて楽しい)
不定期の気まぐれ畑blogで、
書き仕事とはまったく関係ありませんが、
とりあえずはるなの安否確認はできますので、よろしければ遊びに来て下さい。

(なんでnoteに書かないのか?う~ん、こういう何の役にも立たないことをまったり楽しんでるシニア仲間が、noteではなかなか見つけられないからだろうなあ)

まあ、もうしばらくすれば冬支度を終え、畑仕事も少なくなるので、
そうしたらまたこちらのnoteで『書き仕事の日々』の続きをつづりたいと思っています。(もう少し下書きが残ってる)

お墓の前で手を合わせている時より、
土いじりをしている方が、亡くなった父を近くに感じ、時にしみじみ思います。
ティーンエイジャーだった日、
私は、父の庭仕事を手伝いませんでした。
手伝う気もなかったけれど、
父だって、私に手伝わせようとはしなかった。
なぜか?
今ならわかるような気がします。庭って、そういうもの。
土をいじっている時間、私は、自分だけの宇宙にただよってる。
誰にも干渉されず、誰の評価も必要ない。
そして、暖かくて柔らかい土は、いじった分だけ、私によろこびと、ご褒美をくれる。
このちび芽たちのかわいいこと、この小松菜のおいしいこと!
神様ありがとうございます。他にはなんにもいりません。
私に黒土の広い畑と、たっぷりの日差し、
そして時々優しい雨をお恵みください。

ありがとうございます。サポートして下さったあなたのおごりでゆっくりお茶を頂きながら、次は何を書くか楽しく悩みたいと思います😊