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夢は、「持っておく」のに、向いている。

寒くなって、最近は、朝焼けがきれいです。朝、はやくに起き出して、その朝の光を浴びながら朝のページを書くのが、最近は至福の時間になってます。とはいえ、ぼくは怠惰な性格で、毎日そういうわけにはゆかない。朝寝をしてしまう日もあり、というのも、夜更かしをしてしまう日があるからなのですが…

2020年も、もう、あと僅か。この、毎週月曜に書き続けてきたnoteも、今年はあと、今日も含めて残り2回です。来年のことはまだ考えてませんけど、このまま、続けようかな。書く曜日は、ちょっと再検討しようと思いますが。

ここでは、ぼくは「書いている」というより「喋っている」という方が感触としては近くて、今週は何を喋ろうかな? と毎週、考えるたのしみがあります。

でも、疲れて、何も喋る気がしない時もあります。今夜も眠いんですが、今日はここに書かなければ(喋られなければ)と思っているので、頑張って起きている。眠いだけならいいんですけど、少し前には、他のことが心配で気になって眠れないような夜に、頑張って関係ないことを書いていたりしたこともあった。

とはいえ、いつも楽しみなんです。定期的に何かお喋りするような場があるというのは。

道草の家の文章教室」は、そういった"お喋り"を、実際に顔を付き合わせてやっていると言ってもいいかもしれない。

この2020年は、人と人が実際に顔を付き合わせて会うということの意味を、大きく変えた年だったと言ってもいいんじゃないかと思います。

大勢が集まって、ワイワイやるということは、昨年までは、とても良いことのように思われていた。でも、いまは、そうじゃない。

その、戸惑いの中に、まだ、私たちはいるんでしょう。と、言いたいところなんですけど、ぼくはちょっと違う。

もともと、大勢でワイワイやるのが、好きじゃなかった。大勢でワイワイやるのを「なんで嫌なの?」と思われるような感じが嫌で。でも少人数で、じっくり語り合うのは好きで。

その、じっくり語り合うようなことを、今年は、久しぶりに、ちゃんとやれる年になった。だから、個人的には今年はとてもよい年だった。

そのきっかけのひとつに、「道草の家の文章教室」はなってくれました。

だから、今年は、文章教室が自分の中でのヒーローというか、2020年の主役といってもいいような役割を果たしてくれた。

6月末に、3ヶ月ぶりに文章教室をひらいたときに、参加してくれた数人が、ため息をつくように「話せてよかったあ〜」と話していたのを、ぼくはよく覚えています。

その日は、なんというか、無事に会うこと、話すことが目的だったというか… ぼくは久しぶりで「調子が出ないなあ」なんて思いながらの数時間でしたけど、もしかしたら、参加している人たちには、そんなことはどうでもいいことだったというか…

あの日が、2020年の真ん中にストンと落ちていて、その前後で、この1年がびろーんと伸びているようなのを想像して、この1年をいまぼくは振り返っています。

何だか、ものすごく長い、長い、1年だったような気がする。

そんなふうに感じていたものだから、今月(12月)の文章教室のテーマは「2020年の夢」と、何の疑問も浮かべずに、掲げていた。

そうしたら、常連のNさんには、「下窪さん、2020年の夢もいいですけど、2021年のことは、何か考えてますか?」と言われた。

そのときは、まだ自分には、来年のことを考えるだけの心の余裕がなくて、何も言えなかったが、そのあと、Mさんが他の人たちに「ただの夢じゃないですから。2020年の夢、ですからねえ。おもしろい」と話していて、「ふーん?」と聞いていた。

それでもぼくはまだピンときていなかったが、メールでUさんに「2020年のおわりに、2020年の夢を書こうっていうのは、ユニークですね」といったことを言われて、ようやく気づいた。

ああ! みんな夢は未来にあるものだと思っているわけか! と。

「将来の夢は?」って言うものね。なるほど。

ぼくは先週、ゲストハウス彩で週末を過ごして、2021年のこともいろいろと見えてきたんですけど、それは夢ではなくて計画かな。夢はみてない。具体的な案が浮かび、計画を立てて、実行するかどうか、というところだ。

でも、過去のことを、計画立てるわけにはゆかない(と思うけど、どうか?)

2020年の計画を立てるには、もう、ちょっと遅い(と思うけど、どうか?)

でも夢は、みられるし、描けもする。──と思っているんです。

と、そう思っている延長で、この2020年、文章教室で書かれたものを幾つか小冊子にして、持っておきたい、という思いが芽生えてきました。

夢は、「持っておく」のに、向いている。手元に、置いておきたい、と。

ぼくが自宅のプリンタで印刷して、自分の手で製本する、文庫サイズの、ささやかな冊子です。

文章教室に参加する人たちは、無料でもらえて(文章教室の参加費はかかりますけど)、読むことができるものにしたくて、実際にそうしてます。

ついでに、読んでみたいけど、文章教室には参加できない、という方(『アフリカ』を読んでくださっている方など)むけに、読んでもらう方法を考えていました。

2020年の夢_告知1220

こんなものをつくることにしました。「道草の家の文章教室」のサポーターセット。1口1,000円にしよう。1口あたり、その"セット"を1つ、お送りします(送料別)。

文章教室は、参加者が1人でもいれば、やろうと決めていて。そうなると赤字なんです。2人でも経済的には厳しい。3〜4人来てくれたらいいかな。それには自分の人件費なんかはもちろん入ってない(道楽か、笑)

では参加費を上げたらいいじゃないかと言われるかもしれませんけど、ぼくは2,000円のままにしておきたい。お金のない若い人や、いろいろ余裕のない同世代にもぜひ来てほしくて、それにはこれ以上あげられないという実感があるから(2,000円でも厳しい方もいるかもしれませんけど、どうしても参加したい人には、少し頑張れば払える金額でしょう)

「読みたい」と思う方には、ぜひサポーターになっていただきたい。まだまだ、これからの試みで、定期便にしてまとめてサポートをいただくような準備はできてないので、まずは1回やってみます。

"セット"の内容やサポート方法の詳細など、今週中にはアフリカキカクのウェブサイトでお知らせします。ウェブショップからもサポートしていただけるようにしますね。

この年末年始につくって、お届けする「2020年の夢」は、2020年の傑作選というか、「習作選」です。

習作はおもしろい。じっくり書き込まれた作品ではない、サラッと書かれた中にある面白さ、発見があって(中にはじっくり書き込まれた短い作品もあります)。

文章教室で読ませてもらっている文章は、そういうキラッと光る面白さの宝庫です。

(つづく)

『アフリカ』最新号(vol.31/2020年11月号)は、好評発売中。

アフリカキカクのウェブサイトウェブショップ、そして珈琲焙煎舎(府中市)でもお買い求めいただけます。

ウェブからでもご注文いただければすぐにお届けしますので、初めての方は少し緊張するかもしれませんけど、どうぞお気軽に。

下窪俊哉の20数年を辿るアンソロジー『音を聴くひとも、ひそかな好評を得つつ発売中!

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