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モテないおばさんが結婚に至るまでを書きたい2

そんな36歳の悲しい失恋(?)を経て私の人生に色恋はいらない、処女のままいつか仕事を辞めたら尼さんを目指そうと新たな夢を持っていた。

それから3年、びっくりするくらい何もなく日々は過ぎ39歳になった。40歳まであと一年。処女だし何も楽しいこともないだろうから思い出を作ろうと夢の国の年間パスポートを作った。私は某県の田舎に住んでいるので夢の国は新幹線で行く程の距離だが年に数回は現実逃避の為に一人で行っていた。

この先もどうせ何もない人生だもの一年くらい奮発してもいいじゃない、と清水の舞台から飛び降りた。

年パス保持は楽しかった。月に3回ほど行くこともあった。泊まりで行ったり給料の多くを夢の国で散財した。後悔なんてない。お金じゃ変えられない夢を見させてくれる場所なのだ。(信者)

そんな楽しい日々を過ごしていた夏のある日、職場のかなり年上の奥様から「紹介したい人がいるんだけど」とにこやかに持ちこられた。相手は役所勤めの43歳公務員と聞いてとりあえず会ってみようと思った。(ゲンキン)

結果は残念だった。相手は何も悪くない。私のことも気に入ってくれた。ただ私が駄目だった。女性に大人気である公務員という職業で40間近の地味ブスおばさんが紹介される時点でそんな予感はしていた。

相手の方はすごく太っていた。滴る汗がすごかった。夏であることを差し引いてもナイアガラの滝だった。距離感が掴めなかった。近すぎて怖かった。ご飯に行ったイタリアンのお店がボロボロだった。別に特段お洒落じゃなくても高級じゃなくていい。今時和式の男女共用トイレってどうなの。マザコンだった。母親想い、家族想いと思えばいいのだろうが何かにつけ「母が~…」と言われた。決定打は「僕が結婚できないのは優しすぎるからだと母に言われるんです」と真顔で言われて冷めた。キグナス氷河のダイヤモンドダストを打たれた気分だった。

自分の立場を思えば選ぶなんてとんでもない!どんな男性であれ選んでいただけるだけ感謝です!オネシャス!!と大和田常務ばりの土下座をするのが筋ってもんなのだが駄目だった。

この人で処女消失するならやっぱり一生処女でいいと思ってしまった。

丁重にお断りしまた平凡な仕事と夢の国の日々が始まった。

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