見出し画像

モテないおばさんが結婚に至るまでを書きたい8

もう8回ともなるので登場人物の整理をしたいと思います。

私(田中) 39歳。ぽっちゃり不細工オタク処女おばさん。魔法は使えない。

斉藤さん 35歳。美容師。お洒落なイケメン。背は小さめ。愛犬を溺愛している。どこか暗い影がある。

北野さん 私の職場の同僚であり先輩。明るく可愛い。斉藤さんの美容室のお客様。

タロー 斉藤さんの飼ってる小型犬。大人の女性が大好き。私には見向きもしない


突然の「付き合いませんか」宣言。当然私はフリーズ。何?え?今なんて?え?え?「はい?付き合う?」と私がアホのように言うと「そう、付き合ってみませんか」と同じことを言う。一気に汗が吹き出る。

う、嘘だ!?付き合うってあれ?カップルになるってこと!?それって突き合うってことでしょ!?私と斉藤さんが!?こちとら処女でっせ!?ベーゼすら未経験でっせ!?39年間攻める価値が無いと証明されてる老朽化してボロボロの砦(処女膜)でっせ!?とパニックになった。

「いや~…ええ~?そんな馬鹿な…」としか言えず冗談じゃなく手が震えた。斉藤さんは美容師だしこれまでも普通の恋愛をしてきただろうになんで私なんかに?2年間彼女いない間におかしくなった!?毎日美人なお客さんを相手にしてて私のようなBPO(ブサイクぽっちゃりおばさん)が逆に新鮮に感じちゃった!?普通の料理に飽きてグロ珍味が食べたくなっちゃった!?

パニックになりながらハッと思い出す。男性はディズニー好きの女が好きじゃないとネットで見たことがある!すかさず財布から年パスを出し見せる。「私こういう物を持っていて毎月のように新幹線乗って夢の国へ遊びに行ってるんですが…」私が半笑いで年パスを見せると斉藤さんは無表情で「へー、そうなんですか。で?」と逆にクエスチョンで返されてしまった。

で?と言われましても!!!!

正直言うと嬉しさもある。斉藤さんはイケメンだ。だがしかし、私には誰にも言えない体のコンプレックスがある。付き合うということは突き合うということだ。(2回目)誰にも見せたことのないその体のコンプレックスを斉藤さんに見せる勇気がない。あと斉藤さんの本心が見えない!こちとらブサイクぽっちゃりおばさんだしまだ会って2回でっせ?

「嬉しいのですがまだ2回しか会ってないし私のこと全然知らないのにどうして付き合おうと?」私が当然の疑問を尋ねると

「うーん、言わなくても良かったかもしれないけど今日の帰りとか明日とか俺が事故って死んだら田中さんに付き合おうって言っておけは良かったーと思うとおもったんです」と真顔で言った。

ど、どういうことだってばよ…?

「ソ,ソーデスカ…アハハ」としか言えずずっと下を向いてると

「返事は今すぐじゃなくていいです。来週会いましょう、その時に聞かせて下さい。」

と斉藤さんは立ち上がった。私は現実感がなく足元がふらふらしてた。帰り別れる時に用意したビールを渡してないのを思い出し「ちょっと待った!」とねるとん張りの大声を出した。「この前たくさん奢ってもらって本当にすみませんでした。ありがとうございました。」と言いクラフトビール(瓶ビール6本激重)を渡すと「凄い量ですね、ありがとうございます」と斉藤さんは笑った。

斉藤さんとタロー君を見送り車に乗り一人になって叫んだ。

うおおおおおおおおおおお!!!!!!!

どうすりゃいいんだ!!怖い!付き合いたい!!でも怖い!処女だもの怖い!!斉藤さんが何を考えてるかわからない怖い!!もしかしてお金を取られるのか!?全財産(たいして無い)むしり取られるのか!?まあそれでもいい!一生処女ぼっちだと思ってたからやり捨てられてもいい!!でも怖い!!ディープキスとか怖い!裸見せるの怖い!!!(中学生以下)

色々パニックになったがただひとつ分かっていたことがある。

これは神がくれた最初で最後のチャンスだということだ。

勇気を出して整形外科を調べた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?