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39歳のモテないおばさんが結婚に至る前のどうでもいい話

綺麗に(?)完結したわたくしぽっちゃり不細工オタクアラフォー処女おばさんと斉藤さんの話。

たくさんのスキやコメントありがとうございます。誰かに聞いて欲しかっただけなので3人くらいの人が読んでくれれば嬉しいなーと軽い気持ちで書き始めたのですが、スキや読んで下さった方の数が増えるとやはり嬉しいし生きる励みになります。サポートまでいただき夢のようです。ありがとうございます。

自分で読み返すとあまりにもトントン拍子でそんなにうまくいったか?綺麗ごとすぎないか?斉藤さんがめちゃくちゃいい人でイケメンすぎてこれ本当か?美化しすぎてないか?教科書に残せる史実か?と疑問が湧いたので結婚までに起こったことを思い出しながら少し書こうと思います。

まだ合体(釣りバカ)する前、斉藤さんが「遠くに行きたい、海が見たい」などと女子みたいなことを言い出したので日帰りで海を見に行くことになった。私たちが住んでる所は海無し県なので結構な遠出だ。

斉藤さんも私も普通車に乗ってるのだが斉藤さんの車は古いので長距離の高速運転は心配と言われたので私の車で行くことになった。

9時に出発したのだが高速に乗ってすぐに運転していた斉藤さんが「トイレに行きたい」と言い出したので「じゃ次のサービスエリアに寄りましょう」と提案すると返事がないので「どうしました?」と聞くと

「サービスエリアまで持たない」

と若干青い顔で言い出したので「まさか大!?」と私が聞くと「大!!大!!やばい!出る!!」と大騒ぎしだした。おいおい冗談じゃないぜ!!これ私の愛車!!自慢の愛車!!

正直この時はまだ斉藤さんに恋愛感情なんてないからう○○漏らしたらぶっコロ助(可愛く表現)してやる!!!と本気で思ったナリよ。キテレツー!

サービスエリアまで持たないと言われては最悪路肩に止まるしかない!!と覚悟を決めていたのだがインターチェンジが直ぐ見えたので「とりあえず高速降りましょう!」と急遽高速を降り料金所の横にある職員さん達の事務所?みたいなところへ車を止めると勢いよくドアを開け「うわあああああーーー!!!!」と叫びながら斉藤さんは事務所へ走って行った。その姿が面白すぎて5分くらい爆笑した。

良かった。愛車のシートは守られた。最悪斉藤さんのパンツやズボンは犠牲になってもらおう。そんなの買えばいいし。

10分くらいで斉藤さんは戻ってきた。いつもの涼しい顔をして「すみません、大丈夫でした」と言ったあと「トイレ我慢してるのに田中さんに笑われたのがショックだ」などと言い出した。いやいや、ちゃんと付き合って初めてのドライブデートで出発して15分かそこらで普段クールな相手が大が漏れる!と大騒ぎして叫びながら便所へダッシュしたら笑うに決まってるじゃないか。でもここは素直に謝っておいた。斉藤さんはお腹が弱いらしい。

2時間以上掛け海の近くの目的地に着いた。新鮮な海鮮を食べ私が行ってみたかった超有名神社へ行くことにした。別に神社仏閣好きなわけではないのだが年々こういう所に興味が出るお年頃(39)

普段来ない県なのに斉藤さんはナビも見ずスイスイ運転するので来たことがあるのか聞くと2年前に別れた元カノがこの辺に住んでたと話出しお茶吹いた。遠距離恋愛だ!と私が興奮すると「車で2時間くらいだしお互い行ったり来たりしてたから距離はそんなに気にならなかった」と遠い目をしていた。

そっか、私はこの年で初めてのちゃんとした彼氏だけど斉藤さんは色んな恋愛をしてきてるんだ、年下だけど私よりずっと大人だなぁとしみじみ思った。

話は戻るがこの遠出デートの前、食事だけのデートの帰りに恋愛の話になり斉藤さんは11人付き合った人がいるが本当に好きと思った相手は2、3人だと言った。その中でも25才の時に付き合った彼女が本当に本当に好きで好きだからこそ譲れなかったり許せないことがあってケンカも多くなって振られた。その後1年くらい落ち込んで泣いて自暴自棄になって何人も立て続けに付き合ったけど長く続かなかった。もしかしたらその彼女より好きになれる人はいないんじゃないかと思ってる。と正直に話してくれた。

私は斉藤さんに付き合ってくれた感謝こそはしてるがこの時はまだ恋愛感情もなく、そんな激しい恋愛や好きになる感情がわからないので黙って聞くことしか出来なかった。なので「斉藤さんはその彼女のことを好きでいい。私は斉藤さんに感謝してるから私なりに力になりたい」というようなことを言ったら「ありがとう。田中さんのこと好きだし一緒にいると安心する」と言われた。

これが心底好きな相手なら「なに元カノのこと引きずってるのよ!私のことどうでもいいの!?」となるかもしれないが私は「ふえーー!すげーなー!ちゃんと恋愛してるなーーー!!ひゅーひゅーだよ!(牧瀬理穂)」とドラマをみてるような感情で聞いていた。当然斉藤さんと結婚したい!みたいな気持ちは微塵も無かった。こんなイケメンが私といてくれる奇跡よ!神に感謝!儚く短い夢!あわよくば処女でなくなりたい!くらいの気持ちだった。

話しは戻り遠い県での元カノの話。この人は忘れられない例の彼女ではないがお互いの県を行ったり来たり親に会ったりしてたのでぼんやりと「このまま結婚するのかなー」と思っていた矢先に振られたらしい。でもなんとなくそんな気はしていたと斉藤さんは無表情で話した。そして恋愛はしばらくいいやと仕事に没頭していて2年後に出会ったのが私だ。

神社は大きく神静な空気が漂っており私は興奮しっぱなしだった。広い境内をくまなく歩き参拝し、お団子を食べたりお守りを買ったり坂道でダッシュしたり(39が)楽しんだ。斉藤さんは静かな人なので一緒に歩いてると心地よい。言葉使いも丁寧だし気もきくし優しいしきちんとリードしてくれる。こんなぽっちゃりブサイクおばさんの私に優しくしてくれるなんて裏でホストでもしてるのか?知らない間に口座から金引き落とされてるのか?と本当に思った。

帰りの道中、私が運転をしたのだが日中とはいえ1日長時間一緒にいて帰りが寂しく感じた。「こんなイケメンと1日ドライブデートして急に幸せすぎて明日あたり死ぬかもしれない」と言うと斉藤さんは「なにそれ、困るんですけど」と笑った。でも本当にそう思った。

心のどこかで斉藤さんが私のようなおばさんを本気で好きになるはずないから私は好きにならないようにしよう、好きになったら斉藤さんが可哀想だ、と自分が傷つきたくないから予防線を張っていた。

はっとした。

これじゃ今までと同じだ。予防線を張って謙遜してるふりして自分が傷つきたくないだけ。期待して裏切られたくないから自分から逃げる。相手を想ってる風に見えて正面から向き合わず我が身可愛さに逃げるという一番の裏切り行為。これじゃ駄目だ。斉藤さんは過去のことも正直に話してくれた、私も正直話さなきゃ、変わらなきゃ駄目だ。

斉藤さんが助手席で暗い窓の外を見てたので私の正直な気持ちを話した。 

「斉藤さんのこと好きになってもいいですか?」

斉藤さんは「どういうことですか?」と驚いてるようだった。

斉藤さんと付き合えたのは本当に嬉しい。イケメンだし優しいし今でも夢か騙されてるんじゃないかと思ってる。でも私は39才だし好きになったら年齢的に結婚もしたくなってしまうかもしれない。女性の39歳は重い。だんだん好きになって気持ちが重くなる私を斉藤さんは嫌いになるだろうから好きになっちゃいけないと思った。でも今日一緒にいただけでも帰りたくないと思うくらい好きになってしまった。それでももっと好きになってもいいですか?

と運転中なので正面を見ながら真面目に言った。緊張はしたけど落ち着いて言えた。

斉藤さんは少し悩んで

「いや、好きになってもいいかも何も俺の方が先に好きって言ったんだからそうなってくれないと困るんですが」と言った。

「そうなんですが、やっぱり年齢が重いんじゃないかと思って。39歳に好かれたらしんどくなっちゃいますよ」

自分でも驚くくらい冷静に話した。これは本心だから私の本音を言って別れられてもいいと思った。

斉藤さんに私の真剣具合が伝わったのか少し沈黙して

「年齢は最初から知ってたしちゃんと将来のことも考えてますよ。だから安心して好きになって下さい。実はホストかもしれませんが」と笑った。

この時、斉藤さんは本気で将来のことなんて考えてなかったかもしれない。でもその一言で心と全身の力が一気に抜け、安堵で目頭が熱くなり視界がぼやけた。好きになっていいんだ。堂々と好きになっていいんだ。

帰りの別れの時に勇気を出して「ハグしていいですか?」と聞くと「してませんでしたっけ」と笑ってハグされた。斉藤さんは甘いとてもいい匂いがした。コロンか香水か何か付けてるのか聞いたが何も付けてないと言うので

これが好きな人の匂い!!凄い好きな匂い!!いい匂い!!!と興奮と感動した。

傷付くのを恐れ逃げ癖がついてるから自分に正直になるのって難しい。相手と向き合うのって勇気がいる。でもその先にあるいい匂い。初めてのハグはベーゼより感動した。ベーゼって何だよキスって恥ずかしくて書けないんだよむしろAって書いてやろうか。ABCはーんE気持ち~♪(昭和すぎる)

書いて思ったけどこれ私の話じゃなくてほぼ斉藤さんの話だ。斉藤さんの過去の恋愛話だ。斉藤さん許可なく書いてごめんね!テヘペロ

長くなってしまったのでとりあえず終わります。思い出すとキリがない。同棲前の家具選びでガチギレされた話とかも書きたいけど悲しくなりそうだからやめよう(笑)

とにかく初めての経験だらけで日々勉強の毎日でした。

また書きたくなったら書きます。急に全部消すかもしれない。消さないかもしれない。

こんななんでもない話を読んで下さってありがとうございました。

皆様にも感謝です。

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