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#23「記憶の旅人」

午前練から帰宅し、普段履いている靴を洗い、磨いた。靴を磨くのはいつぶりだろうか。綺麗になった靴を並べると、人格が宿ったのかと思うくらい嬉しそうな表情を浮かべているように見える。

高校生の頃は毎日サッカースパイクを磨いていた。部活が終わり家に帰って来るのはいつも20時頃。ご飯を食べて風呂に入り、その後スパイクを磨く。当時はカンガルー皮などが流行っていたが、私はずっとadidasのプレデターを履き続けていたので、人工皮だった。翌日の朝練の際、綺麗なスパイクを袋から取り出すときはいつもモチベーションが高まる。サッカー選手にとって、スパイクは最も大切な相棒だ。

靴を磨いていると、心も落ち着く。それぞれの靴には各々の思い出があり、履いていた時に起こった事象や記憶が蘇ってきて、勝手に自分の中で振り返り会が始まる。靴を磨くことは、物質的な綺麗さを保つ効果があるとともに、自らの心と向き合い整理する時間でもあったのだ。毎日は難しいかもしれないけど、靴を磨くという習慣はつけていきたい。

今日は、「青春18×2 君へと続く道」という映画を観た。18年前に恋をした女性を想い、彼女の故郷を旅するという話なのだが、正直話の展開はよくあるものだった。それでも、人生のヒントになることや、今の自分に重ねて考えることができる良い映画であったように思う。

「立ち止まると自分が見えてくる」
夢中になって進め、立ち止まることはよくないと言われることが多い世の中のように感じるけど、時には立ち止まることが必要だと私は思う。私の会社の社長も止まらず駆け抜けろと何度も言うのだが、決して間違いではないと思うものの、果たして本当にそうだろうか。進み続けているだけでは見落としてしまう世界がある。夢中になるということは、視野が狭くなってしまい、深くのめり込んでいる状態だ。自然と世界は狭まってしまう状態。そんな時、私は旅という名の旅行をする。普段の生活圏内から離れ、新たな土地で過ごす。

旅行や旅というと、何か新しいことを得なければいけないと思うことが多いけれど、今の自分を見つめ直し、自分の道が間違っていないかどうかを確認できることも旅の良さだと思う。

ところで、この映画の主題歌はMr.Children「記憶の旅人」である。このタイトルを初めて見たとき、ふと自分のnoteと重なったのだ。noteに執筆する時に、今までは兎に角思ったことを素直に書くことを意識していた。それから時が経ち、社会人3年目を迎えた自分は量ではない何かを求めていた。ぼんやりと自分自身を因数分解するような、思考の言語化をしたいなと思っていたのだが、その時にこの新曲のタイトルを見て、これだと思った。「私のnote=自らの記憶を旅すること」に繋がったのである。

完全にパクリではあるが、これ以上のタイトルはなかったので、これからも私のなかにある記憶の旅人でありたい。その旅の中での気づきや思いのかけらをここに記していこう。

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