東京都

 私は田舎者だ。

東京には、何度か遊びに行ったことがある。

が、生来田舎者な私の肌や気質に、東京の生温いコンクリートの風は、合わないようである。

そんなカントリー娘は一人、東京の地にいた。

すれ違う人は皆、自分の事しか考えていないようで、冷ややかな雰囲気が私を突き刺す。

 暗い地下通路。なんとも言えない、お便所にも似た、下水にも似た、妙な匂いが漂う。

一人、佇む。人は、冷たい。

何も無いわけではなく、むしろ、色々なものがカオスにごった返しているのだが、虚無、の文字が浮かぶ街、それが東京。

不思議と、淋しさは感じない。人が過剰に有り余っているせいだろうか。

 ふと、思い出した東京の印象が、このようであるが、また近いうちにでも行こうかしらと思わせる。

よくわからない不思議タウン、東京都。

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