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ありがとうモデル生物

わたしのようにぼーっと現代人らしく暮らしていると気づかないが、地球上にはいたるところに色々な生物が色々な組み合わせでいて、その多様さはいまだ計り知れないそうだ。現在、地球の生物種数は530万~1兆の間だと推定されている。なんだその振り幅は!!

こんなに多様だと知られる生物だが、もともとは、共通の祖先であったと考えられている。そのため、進化により多様化したにせよ、生命を維持するために必須で基本的なものは、少なからず変化しながらも保存されてきたきたとされる。

生物学は「生命とはなにか」を探る学問ともいえる。それを探るための研究をするにあたって、すべての生物をしらみつぶしに調べるという方法もある。

、せっかく異なる生物に、生命維持に必須の共通項があると分かっているのなら、ほかの生物よりも扱いやすい生物を使うのが断然楽である。

では、「扱いやすい」とはなんだろう。ヒトの多くは室内で活動するのを好むから、研究室内で繁殖できるものが好ましいだろう。さらに細胞や組織が透明であれば顕微鏡での観察がしやすいだろう。また、遺伝的操作がしやすいこともポイントだ。

当然、このような条件に合う生物は、大勢の生物学者に目を付けられる訳で、数々の先行研究がなされてきた。そのような生物をモデル生物という。

代表的なモデル生物を以下に記す。どの生物も、繁殖スピードが比較的早く、研究室内での飼育に適している。また、過去の学者たちの尽力により、それぞれの実験動物の特徴を活かした素晴らしい実験方法も確立されている。

大腸菌>>>単細胞の原核生物。すごくシンプルな形態。だからこそ、見つかった生命機構はとっても普遍的で重要なケースが多い。

酵母>>>単細胞の真核生物。我々ヒトも真核生物。大隅良典教授がオートファジーにかかわる遺伝子ファミリーを見つけた。

線虫>>>多細胞の線形動物。主に研究に使われるのはイギリス出身のC. elegans。栄養条件が良ければほぼすべて雌雄同体。卵が透明。細胞系譜が全部わかってる。遺伝子操作が簡単。

ショウジョウバエ>>>節足動物。主に黄色ショウジョウバエが使われる。バランサー染色体やP因子を用いた遺伝子操作など、独特な手法が開発されてきた。(文献2参照)ホメオティック遺伝子の解明に貢献。

シロイヌナズナ>>>アブラナ科。双子葉類。白い花を咲かす。小さくて育てやすい。ゲノムサイズが小さい。ライフサイクルが短く、たくさん種子が採れる。

マウス>>>いわずと知れた哺乳類。ヒトに比較的近いため、臨床実験や脳神経の研究に貢献してくれている。キメラマウスを掛け合わせることで変異遺伝子をホモで持つ個体を得ていた。

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SUZURIホームページ
https://suzuri.jp/Ginzame
参考文献
[1]"How many species on Earth? Why that’s a simple question but hard to answer" (2019) The Conversation https://theconversation.com/how-many-species-on-earth-why-thats-a-simple-question-but-hard-to-answer-114909
[2]浅 田 伸 彦「実験動物 としてのショウジョウバエ」https://ousar.lib.okayama-u.ac.jp/files/public/2/20764/20160528010708295579/poalas_007_008_014.pdf

#生物がすき

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