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女の涙


涙を流すのは、まだ早いだろうか。

私が求めて早五回、彼は私の誘いをすべて断った。

浮気も疑ったが、携帯を盗み見たり、女の影がないか張ったりしたが、そんな事も無かった。

彼は単純に私に飽きたのだ。

私が挽回する余地は残されているか考えたが、もうこの先はないのだろうと、何となく感付いていた。

どうやって別れを切り出されるのかと考えると今にも涙が止まらなくなりそうで怖い。

女という生き物は、どうしてこんなにも恋愛の事となると気弱になるのだろう。

私だって普段は仕事では威勢を張っているが、恋愛の事となるといつもこうだ。

何回かの別れを経験してきたが、いつも威勢がなくなってしまう。

男は別れるときは、意外と冷めている。

女は、執着するのだ。

私から別れを告げるべきなのか、彼から別れを切り出されるのを待ったほうがいいのか、私は前者を選んだ。

威勢とは違う、自分が振られるという現実が嫌だから、私は言われる前に先に行動しようと決意した。

涙が出るのを堪えつつ、私は彼のいるベッドルームへと向かった。

「あのさ私たち、もう無理だよ、別れよう。」

本当はまだ一緒に居たい。

三回目の恋は、私から終わりを告げた。

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