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動物の細胞が世界を救う

こんにちは、はるきです。
前回のブログでは、培養肉について書きました。

今回は培養肉についてより詳しく書いていきたいと思います。

今回の記事では
・培養肉の普及するためには
・培養肉の現在
・培養肉の今後
・まとめ

培養肉が普及するために

低コスト化

培養肉を作る上でコストが高い。培養肉を大量生産体制が整っていないからだけではなく、培養肉を作る材料が極めて高いからであります。

培養肉を作る際には、細胞を育てるためには培養液が必要です。

培養液には一般的には、アミノ酸、ビタミン、無機塩、グルコース、成長因子など
細胞が成長するための栄養素が含まれております。

この中で最も重要なのが、成長因子とされており、成長因子がないと細胞が育たないです。

成長因子を多く含むものは牛の胎児の血清など、貴重な原料が多いとされております。

成長因子には種類があり「維持芽細胞増殖因子(FGF)」と呼ばれる成長因子は1g当たり5万ドル(約720万円)から高額なものでは50万ドル(7200万円)もかかると言われております。

培養肉を作る原価の6割〜9割は培養液と言われており、培養液を改善できればより安くできるとされております。

低コスト化に向けての取り組み

動物由来の成長因子ではなく、植物のタバコから成長因子を抽出して、培養肉の培養に利用する方法を開発されました。

タバコ由来の成長因子であれば動物よりも圧倒的に安く、1gあたりおよそ1ドル(約140円)となるとされております。

近年、喫煙率が低下していることから、使われずにいるタバコ畑が多く、経済的に苦戦しているタバコ農家の支援にもつなるとされています。

2024年までにタバコ由来の成長因子を利用した商品化を目指す取り組みがされています。

消費者に受け入れられない

培養肉が低コストで作れるようになったとしても次の問題点としては、消費者に受け入れられるかとと言う問題があります。

代替肉の利用意向のアンケートでは、

「食べたいと思う」8.5%
「やや食べたいと思う」20.5%
「どちらとも言えない」36.9%
「あまり食べたいと思わない」18.7%
「食べたいと思わない」15%
「無回答」  0.8%

このようなアンケート結果となり、7割の以上は代替肉にあまり良いイメージをもっていないです。

培養肉に関しては新しい食べ物であり、抵抗感があるのは当たり前ではないかと思います。

理由としては、人間には恒常性維持機(ホメオスタシス)が備わっているからです。

人間は現状を維持しようとする生き物であるため、培養肉を食べると言う事は今まで食肉を食べることから全く未知な食べ物を食べるためホメオスタシスが働いて抵抗感を抱きます。

なので、培養肉のコスト化の問題が解決したとしても、受け入れられるか分からずマーケティング上の問題に直面する恐れがあります。

消費者に受け入れられる取り組み

培養肉が受けれられるようになるためには、まずはハードルを下げるために培養レザーを優先的に開発して、食べることよりも身に着けることに力を入れる取り組みがされております。

技術的にも培養肉を作るよりもレザーを培養する方が簡単がだからです。立体の世界に属する食肉とは違ってレザーはだいたいにおいて平面の世界にとどまっているからです。

食べるのは嫌でも靴を履くということは抵抗感を抱かなかったり、躊躇しないのではないかと思います。

食べる製品ではなく、身につけられる製品を作ることで培養業界の消費者受容が高められるのではないでしょうか。

実際に培養レザーのメリットは非常に多くあります。私達が普段身につけている動物の皮を使用した財布や時計ベルトなどは腐らないようになめしをしてあります。

なめしとは
動物の皮から、腐敗の原因となるタンパク質や脂肪を取り除き、薬品を使って柔軟性・耐久性を持たせる加工技術

培養レザーのメリットしては環境破壊をせずに動物も必要としないからです。

なめしの工程では、解体の際に皮の残った毛や脂肪など不要な成分を強アルカリ性の石灰液を用いて化学的に取り除きます。なので有毒な化学薬品が使用されます。

皮なめし大国と言われているバングラデシュ、インドのような環境規制が緩い国では皮なめしで使用される有害な化学薬品は排水処理もされずにそのまま下水道に流されています。

そうなれば、水生の生き物には大きな影響を与えてしまい生息できないようになる。労働者にも大きな影響を与え健康被害も出てしまいます。

培養レザーではこれらの問題を解決され、身に着けることから始めれば培養肉への抵抗感は緩和されるのではないでしょうか。

培養肉の現在

世界初の培養肉が作られたのは2013年であり日本円にして3000万〜4000万円のコストがかかったと言われております。

今では、シンガポールの政府から許可が降りた米イート・ジャストでは2000円ほどでチキンナゲットが食べれるようになっている。

コスト的な部分に関して大幅に改善されているが、流通量が少なく発展途上とされています。

日本でも培養肉に関しての動きがあり日清食品と東京大学の研究グループが世界で初めてサイコロステーキ状の培養肉の作製に成功しました。

1cm×0.8cm ×0.7cmのサイコロステーキ状の培養肉であり塊状の培養肉実現化へと踏み出しました。

世界では70社以上のベンチャー企業が培養肉の開発に取り組んでおり、牛、豚、鳥だけではなく、魚や甲殻類なども作る開発もされております。

培養肉の未来

培養肉の肉の未来に関しては消費者への培養肉の理解が非常に重要になってくるのではないかと思います。

理解されれば消費者は培養肉を受け入れ積極的に取り入れるのではないかと思います。

培養肉が大量生産できるようになれば私が考えるにスーパーで販売されているお肉は「天然」「培養」「植物性」などといったラベルが貼られるのではないかと思います。

魚でいう「天然」「養殖」みたいな感じになります。
それに加え、タバコに記載されている、「喫煙は、あなたにとって肺がんの「原因の一つになり、心筋梗塞、脳卒中の危険性や廃棄種を悪化させる危険性を高めます」のような記載が動物のお肉のものは表記されるのではないかと思います。

動物のお肉は「このお肉は動物が苦しみ加工されたお肉です」このような表記がされ代替肉と比べ価格は高くなるかと思います。

培養肉は家畜から加工するのではなく、細胞を培養させお肉を作るので畜産業というより製造業に分類されるのではないかと思います。

そうなれば製造業のノウハウなどが必要になってくるかと思います。

培養肉工場でまず必要とされているのは、培養液への不純物混入(コンタミネーション)を防ぐクリーンルームのノウハウです。

無菌培養の必要があるため、半導体工場や精密部品工場、自動車部品工場の技術を生かせそうです。さらに、培養液内の粒子の様子を測定する顕微鏡のような製品も必要であります。

これらの理由から、培養肉を製造する上で今後製造業は重要になってくるのではないでしょうか。

まとめ

培養肉はまだまだ発展途上であり流通量も少なく一般的に食べられるのも数年後、数十年後になるかと思います。

培養肉に関しのイメージはあまり良くはないのでどのようにして消費者に受け入れられるかのマーケティングの要素も必要になってきます。

今後の培養業界に関しては培養肉以外にも培養レザーの取り組みがされているので今後に注目です。

培養レザーに関しては培養レザー商品ブランドであるZOAが誕生しているので培養肉にフードテックに興味のある方やファッション業界の方はぜひ見てください。







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