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俳句で綴る東京の日常

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恋シリーズ1  冬桜

恋シリーズ1  冬桜

触れもせで眺むるばかり冬桜

ふれもせでながむるばかりふゆざくら

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「冬桜(ふゆざくら)三冬

【子季語】

寒桜、緋寒桜

【解説】

冬桜は十一月頃から翌年一月頃にかけて一重の白い花をつける。寒桜は緋寒桜のことで、冬桜とは別種。九州など暖かい地方に寒中緋色の花を咲かせる。」

冬の季語

静謐

静謐

散歩の途中で
自転車の前と後ろに子供を乗せて
颯爽と自転車を走らせる女性に出会った。

夢中で子育てをしていた時代を思い出した 。

ずいぶん遠くへ来たものだ。

静謐や子守唄なる秋の風

せいひつやこもりうたなるあきのかぜ

風爽か

風爽か

気持ちのいい朝の散歩だった。

この歌を口ずさみながら。

「秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる」
『古今和歌集』
 藤原敏行

風爽か雲のパラソル何処までも

かぜさやかくものぱらそるどこまでも

慟哭

慟哭

空と地と人も慟哭秋朝

そらとちとひともどうこくあきあした

鳩時計

鳩時計

子供が生まれた時に
夫が買い求めた鳩時計。

我が家で毎日鳩が鳴いている。

秋分の日に思う。

時計鳴る同じ日のなき秋一日

とけいなるおなじひのなきあきひとひ

百日紅

百日紅

やっと秋が来るようだ。

2023年の夏に
体温越えの最高気温に驚いた。

今年の夏は
ニュースで
連日体温越えの最高気温を聞いて
驚くというよりもむしろ恐ろしさを感じた。

この先地球はどうなってしまうのだろうと。

東京では
9月に入ってからの
最も遅い猛暑日の記録を更新した。

2024年の夏を生き抜いた。

残したる記録と記憶百日紅

のこしたるきろくときおくさるすべり

夏惜しむ

夏惜しむ

夏惜しむ螺旋階段輝けり

なつおしむらせんかいだんかがやけり

花カンナ

花カンナ


灯台の如く立ちたり花カンナ

とうだいのごとくたちたりはなかんな

曼珠沙華

曼珠沙華

流れゆく行きずりの雨曼珠沙華

ながれゆくゆきずりのあめまんじゅしゃげ

雨上がりの庭で

雨上がりの庭で

昨夜東京は雨。

ピーマンが大きくなったので今朝収穫した。

以前NHKの番組で知ったのだが
植物たちも信号を出して情報交換をしているらしい。

ピーマンたちも
雨夜に語り合ったのだろうか。

忘れえぬ秋の雨夜の語り合ひ

わせれえぬあきのあまよのかたりあい

雨粒や秋の苺に雨宿り

あまつぶやあきのいちごにあまやどり

黒日傘

黒日傘

黒日傘全天青の中進む

くろひがさぜんてんあおのなかすすむ

狗尾草

狗尾草

待つ時の弾む心や狗尾草

まつときのはずむこころやえのころぐさ

秋の蝶

秋の蝶

一休み夢諦めぬ秋の蝶

ひとやすみゆめあきらめぬあきのちょう

柘榴

柘榴


爆ぜぬ柘榴仮面で踊る乙女かな

はぜぬざくろかめんでおどるおとめかな