スペイン語をスペインで学ぶことと、日本で学ぶことの違い
2018年3月から11月の8ヵ月間、マドリッドのスペイン語学校に留学して、スペイン語をスペインで学ぶことと、日本で学ぶことの違いを体感したので、書いてみる。
私がスぺイン語を学び始めたのは、6年前の2012年。翌2013年から留学直前までは、日本でスペイン語グループレッスンに通っていた。ほとんどのクラスメートは日本人だった。他の国出身のメンバーがいたこともあるけど、長年日本に住んでいる人たちで、日本語が上手で、日本人の行動パターンもよく知っていた。先生たちは「日本人がわかるペース」で授業をしてくれたし、「日本人にわかりにくいところ」は重点的に解説してくれた。
ところが、スペインでスペイン語を習うと、クラスメートは世界各地から集まっている!中には、フランス語・イタリア語・ポルトガル語など、スペイン語に似た言語がネイティブの人もいる。そういう人たちは、スペイン語の長文をサッと読んだだけで、辞書なしで内容をサッと理解できちゃう。リスニングも同様に、聞いたらほとんど理解できる。ジョークや熟語も、共通の表現が多い。
そして、上級クラスに進級するほど、私達アジア人の割合は減っていき、そういった「スペイン語に似た言語が堪能な人たち」の割合が増えていくのだ。当然、授業も「サッと理解できる人たち」のペースで進んでいく。
先生たちも、ヨーロッパの言語は学んだことがある人が多くて、「あぁ、フランス語ではそういうけど、スペイン語ではこうなのよ」なんて解説をすることも。アジアの言語の特徴を知っている先生もいたけど、全員ではない。
つまり、日本でスペイン語を学ぶことと、スペインで学ぶことの大きな違いは、「すぐに理解できる人たち」とクラスメートになり、「自分はできない…」と感じてしまいやすくなること。他のアジア人のクラスメートたちも、同じように感じているようだった。
ちなみに、「スペイン語に似た言語が堪能な人たち」にも弱点はある。母語とスペイン語を混同してしまうのだ。先生方は「スペイン語ではこういう言い方はしない」と作文を添削していた。「日本語とスペイン語を混同して書く」なんて不可能だから、日本人はそういう間違いはない。
ただ、私がスペイン語を学ぶのが好きなのは、「日本とスペイン語圏の人たちの文化や考え方の、違いが大きいから」なんだよね。もし自分がフランス語圏・イタリア・ブラジルなど、スペイン語圏にカルチャーが似たところに生まれていたら、ここまでスペイン語を好きにはなっていなかっただろう。
だから、自分が他のクラスメートに比べて理解が遅いからといって、「スペイン語をやめよう」とは思わなかった。「違いが大きいから好き、でも大きな違いがあるから理解に時間がかかる」というのが私には明らかだったから。
もしあなたもこれから海外に留学するなら、こんな違いを知っておくと、落ち込まずにすむかも。もし「自分は他のクラスメートよりできない」と感じたら、あなたが学ぶ理由を、思い出してみて。学び続ける、力になるはず。