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気づいているけど、やめられない。 #センセイを捨ててみる。

私たちは今、メリトクラシーの社会にいるからこそ、あらゆるものを無意識のうちに評価してしまいます。しかし、だからと言ってそれが人間の生まれ持った本性だとは言えないと思うのです。

学校を例に挙げてみましょう。学校の先生は生徒を学期ごとに「評価」しなければならない現場にいますが、実は彼らほど「評価」がいかに不毛かを思い知らされている人たちはいません。

子どもたちがいきいきと体験学習を行っているのを参観した教育界のおエライ先生が「なんだ、子どもを遊ばせているだけじゃないか。彼らはどういう学力を身につけたんだね?」と担任の先生を問い詰めたため、思い悩んで学校を辞めてしまったという話があるそうです。なんと罪深いことでしょう!

もし僕がこの担任の先生なら、このおエライ先生をじっと見つめてこう言います。

「先生、お言葉ですが、生身の人間に『学力』なんか身につけさせてどうするんですか?

そういう時代はもう目の前です。

冒険の書 AI時代のアンラーニング 孫泰蔵

・・・はっきりとそう言われて、戸惑ったんじゃないですか?

「教師ほど、『評価』を不毛だと思っている人種はいない」と。

「評価」は、する側もされる側も楽しくありません。
「評価」は、する側とされる側の分断を生みます。
「評価」は、する側とされる側の「真の関係構築」を阻害します。

このことに気づいた人なら、「(評価者である)教師になって、次世代を育成しよう!」などと思わないはずです。


そもそも私たち教師が過去に勤めていた学校で、「客観的な評価」は存在しましたか?

そんなものは、どこにもありませんでした。

日本の学校教育は(誤解を恐れずに言えば大学レベルまで)履修主義が浸透しています。生徒を一人でも「落第」させるのは、大きなコストを伴うからです。

手続きを踏み、形式を整え、記録を残し、阿吽の呼吸で成績処理を進める。

そこに介在するのは、事なかれ主義に基づいた自己防衛と「やった感」です。

教師は生徒を育てているのではありません。自らの仕事が生徒の伸長につながっていないことに薄々気づいていながら、ひたすら予定調和を繰り返しているだけです。


同書に拠れば、メリトクラシー社会における勝者はAIであり、人間はすべて敗者になります。

よく、「人間と人工知能を対立させて考える必要はない。うまく共存していけばいい」という意見を見かけますが、『共存』という言葉の中に、まだ人間はこれまでの延長で働き続けるという前提を感じます。

しかし、人間がこれまでのように働くことにはもはや意味はなくなるのです。

冒険の書 AI時代のアンラーニング 孫泰蔵

教師は、いえ、教師に限らず日本社会は、誰かを評価している場合ではありません。未来の動向を見つめ、すべての人間が自己の能力を解き放つ社会を目指すことが不可欠です。

「評価」は、それにかかわる人たちを、幸せにはしません。


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心理学修士(学校心理学)
 
NPO法人日本交渉協会認定「交渉アナリスト」1級
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一般社団法人7つの習慣アカデミー協会主催
「7つの習慣®実践会ファシリテーター養成講座」修了


思いつきと勢いだけで書いている私ですが、 あなたが読んでくれて、とっても嬉しいです!