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センセイを捨ててみる。

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行き詰まる学校教育を変えるための、最適解。 それは、現場にいるセンセイが、センセイを捨てること。 今こそ、アンラーンする時です。 気軽に、ちょっとしたことから始めましょうか。
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著書紹介 #私について

こんにちは。「発信するセンセイ」です。 新潟県で教員をしています。 2022年12月に最初の本を書きました。 この本について、富山県で教員をなさっている能澤さんという方がレビューを書いてくださり、FBに投稿してくれました。 私の考えを知ってもらう契機になれば嬉しく思います。 ぜひお読みください。 能澤先生 ここまでが能澤先生によるレビューです。 以降は、上記レビューへの質問からどんどん広がっていったお話しです。 よかったらご覧ください。 K先生 わたし K先生

学校長に期待すること #センセイを捨ててみる。

校長面談がありました。 「自己評価シート」の記載内容について、意見交換をするためです。 個々の教師が当該校においてやりたいことを書き連ねた紙が、「自己評価シート」です。教師の主要な仕事4項目について1年後のゴールを決め、年度内に2回、進捗状況を報告するといった内容です。 校長面談は、校長のカラーが出るまたとない機会です。 過去に私が受けた校長面談の中に、評価シートに記載した文章(私が書いたもの)を順に読み上げ、個々の目標について「いいですね」とか何の役にも立たないコメン

管理職を早く帰そう! #ヒラなりに考えること

どうしたら管理職(特に教頭)は定時退勤できるでしょうか? これは、私の長年のギモンでした。 (毎日一番遅くまで学校に残っているような働き方だと、間違いなく体を壊すよな・・・) (そうでなくても激務なのに・・・) (自分が大変だったら「人にやさしく」なんてできないよね・・・) (校長になるためには、長時間勤務の壁を越えなくちゃいけないの・・・?) (教頭が先に帰ると、ヒラが文句でも言うのかな・・・?) いろんな思いが頭をよぎりますが、とにかく「誰かにしわ寄せがいく職場はよ

衝動に従え #センセイを捨ててみる。

15時45分。 予感がした。 隣の席の同僚が口を開く。 「センセ、今日私4時に帰っても――――」 思った通りだ。 どう見積もっても、今日は早く帰りたい日のはずだ。 1週間の疲れがたまっているんだから。 同僚の言葉を制するように畳みかけた。 「いいね。オレもそう思ってた。帰るぞ、4時に。」 (その先は言わせない) どんな使命感に駆られるとそう思うのかよくわからないが、 とにかく、2人の教師の思いがシンクロしたのは確かだ。 「え~、帰るの~? オレも

負荷を減らすのは誰? #センセイを捨ててみる。

「よりよくしたい」 いつもそう思っています。 あなたもそうでしょ? 状況を変えたい。 ラクをしたい。 合理的に仕事を進めたい。 同じ苦労を繰り返したくない。 大切なことに力を入れたい。 そう思いながら生きていれば、 きっとうまくいく。 ずっと、そう思ってきました。 ・・・でも、そもそも「よりよくしたい」という気持ちは 負荷を減らさないと生まれないようです。 つまり、 負荷が減らないと そういう発想すら出てこないってこと。 だったら、 忙しい現場は、 永遠に忙しい

いじめをなくすのは、私たちではなかった。 #センセイを捨ててみる。

多様であることが自然であり、 多様であることが生き残りにつながり、 多様であるからこそ刺激的で、 多様であるからこそ惹かれ合い、 多様であるから自己の相対化が図れる。 日本の学校教育が多様性から距離を置こうとするのは 何千年もの間続いてきた島国根性が、いまだに抜け切れていないからです。 他国との関係にとどまらず、 隣県と、 隣の市町村と、 隣のブロックに住む人と、 隣の学校と、 隣の席に座っている人とでさえ、つながらない。 身近なところで、 きわめて狭いエリアで、 自分

ノーアイディア? #センセイはガッカリしています。

教員採用試験 6割前倒し 民間流出防ぐ狙い 志願増は一部 施策 2024年度実施の教員採用試験日程について 6割の教育委員会が前倒し 文部科学省は6/16を標準日に 目的 志願者減少をくいとめる 結果 志願者が前年度比で増加したのは2割 前倒しした自治体の担当者 「民間企業の内定より遅れている構図は変わらない。どんな効果があるかといわれると難しい。」 文科省 来年度の採用試験日の標準日を5/11に早めたい。 識者 まずは給与など待遇の向上や長時間労働の抑制を進めるな

まるごと先生 #センセイのキャリアはすべてつながっている

フェイスブックグループ(以下FBG)の「グループ名」と「中身」を変更します。 グループ名は「Unlearn Teachers」から「まるごと先生」へ変わります。 www.facebook.com/groups/marugotosensei/ 「Unlearn Teachers」は、「従来の学校教育のあり方や教師のふるまい方を見直す」方向で記事の投稿をしてきました。結果として、教師に対して批判的な記事を連ねることになりましたが、メンバーの方々の「いいね!」に支えられ、どう

仕事は、人生そのものじゃない。 #センセイを捨ててみる。

教師になって32年。 私の人生は、この仕事を中心に回ってきました。 数年おきに県内を移動する人生。 アパート暮らしは、19歳から44歳まで続きました。 この間、引っ越した回数は9回。 そういうもんだ、と思っていました。 普段は住居と職場を往復する毎日。 夜8時前にスーパーに寄って、値引きした総菜を買って夕食。 そんな生活は25歳から39歳まで続きました。 土日は部活。祝日は大会引率。 テスト期間で部活がオフの時も学校へ。 私以外にも、必ず数人が休日出勤して採点をして

教師にとっての「成功」とは? #センセイを捨ててみる。

質問です。 Q1:あなたの仕事は、人の役に立っていますか? もとい。 あなたは人の役に立つ仕事の仕方をしていますか? Q2:あなたの仕事は「1日4時間以内」で終わる仕事ですか? Q3:家庭は円満ですか? Q4:対価を得るために時間を切り売りしていませんか? 私の回答。 A1:「教師」という仕事は人の役に立っていると言える仕事ですが、私の仕事のやり方が人の役に立っているかと問われたら、はっきりと「イエス」とは言えません。 A2:終わりません。ほぼ毎日「8時間以内

あなたがつくられた時期は #センセイを捨ててみる。

10代の過ごし方は、人生を左右する。 もう少し広げると、20代までの生き方が、人生を決定づける。 どの国でも階級社会的な側面はあると思います。ただ、それが表向きに取りざたされていない日本は、諸外国に比べれば努力次第である程度のラインまで到達できる国と言えるでしょう。どの領域においても、そこで課せられた試験にパスすれば、それなりの道は開けます。 しかし、その機会が長い人生の中でバランスよく配置されているかと言えば、そうでもありません。 「親ガチャ」という言い方は好きにはな

退屈な教師を回避しろ #センセイを捨ててみる。

教師には「いい人」が多いと感じます。 もちろん性格的な部分もありますが、職業柄、誠実でありたいと思う人たちが多いんでしょう。 ただ一方で、「物足りない」と感じる点もあります。 それは、「話していて面白みに欠けている点」です。 「人を惹きつけるような楽しい話ができない」という意味ではありません。 正確に言うと、「当たり障りのない回答」ということになるでしょうか。 たとえば、仕事の改善点を募っても既視感のある回答しか返ってこなかったり、生徒にとって魅力的な学校づくりを提案し

自分が誰なのか知りたければ #センセイを捨ててみる。

「発信」には大きく2つの目的があります。 ✔ 自分の意志を表明するため ✔ ビジネスの集客をするため 自分の問題意識をシェアしたい。 サービスの存在を認知してほしい。 私的な、あるいは公的な「自己実現」を果たすために、私たちは発信します。 ただ、もちろんこの2つの目的は大事ですが、もっと大きな副産物があることに、多くの人は気づいていません。 私自身、過去5年にわたり、さまざまな形式を用いて、さまざまな媒体を通じて発信してきました。 今、改めて思います。 発信する

教師の不思議な現実 #センセイを捨ててみる。

同僚が私生活でどんなことをしているかなんて、かなり親しい間柄でもなければわかりません。 ひょんなことから、趣味や、夢中になっていることや、推しや、習い事や、時には家族の様子がわかったりするものです。 だから、「隣のあの人」が自己投資に励んでいるかどうかは、わからない。 でも、今まで30年教員をしてきて、はっきりと「自己投資」と言えるような事柄に取り組んできた人を、私は知りません。 趣味にお金と時間をかけてきた、という人はいました。ただ、それらの「投資」は、「その人自身