リサーチがあれば友達ができる- 読書:デザインリサーチの教科書
先月から読書会に参加させていただいています。
自分は読んでも内容をすぐ忘れてしまいます…。それで、理解や定着を目的として、実は一度社内でも読書会を企んだんですがうまくできず。そんな時に上記ツイートを見つけ、ちゃっかり参加させていただいたのでした。
前回の読書会で読んだのはこちら:
なお、前回は著者の木浦さんご自身が読書会に参加される神回でした。
プロダクト開発者に向けた教科書
本書は「デザイン・リサーチとはなにか」ということから、準備、実施、まとめ、まで広くかつ実践的に書いてあって、後述しますが読み終わると「よし、会社であれやってみよう」みたいな気持ちになります。
また、そもそものチームビルディングや、スクラム開発との関わり方、会社内でのリサーチャー/リサーチ組織のあり方など、リサーチ以外に応用できそうなプロジェクト運用の基本もたくさん書かれていて、まさに「教科書」という内容です。リサーチにちょっとでも関わってるなら、デザイナーに限らずいろんな人のためになる一冊だと思う。
リサーチコストを下げるマニュアル化をしたい
ただ、前回自分がユーザーテストした時にも思ったのですが、リサーチって始めるときが一番腰が重い。リサーチにかけるコスト(特に時間)が重く感じてしまう。
そしてそのせいか、自分はリサーチに苦手意識があり、やる頻度もかなり少ないと思います。
なので、年明けから部内でリサーチをお手軽にすることを目的としたデザインリサーチのマニュアル化をはじめることにしました。
肝心の自分はノウハウがほとんど無いのですが、幸いなことにすでに部内にはリサーチに強いデザイナーもいて、一緒にやってくれそう(感謝)。キックオフ準備にも、この本にリサーチが網羅されてるおかげで、「具体的にどこをマニュアル化するか」とかが俯瞰できてこれまためちゃ役に立っています。
この本を読めば誰でも「リサーチしてぇ」ってなると思います。だけど正直今まで負のループではその熱もいづれ冷めてしまう(上図左側)。なので、まだ熱があるうちに良いループに変えていきたい。
「気の合う友達」とデザインするために
不確実な未来において、もう一つトレンドとして挙げるとすれば、デザインという行為の主導権が、デザイナーという職業の枠を超えて他の人々に渡りつつあるということである。
これは序盤にかかれている一文ですが、個人的にリサーチが「デザインにとって重要」な理由としては大きいと思っています。
他部署、社外関係者やユーザーと一緒にデザインプロセスをすすめるのは当たり前になりました。だけど、自分がただ待っていても、他の人達が「巻き込まれ」に来てくれるとは限らない。自分から他者を巻き込むスキルや共通言語が必要で、リサーチはみんなが興味を示すその共通言語になりうるのでは、とすごく思ったのでした。
なにより、色んな人と作るほうが楽しい。子供の頃、気の合う友達であーだこーだ言いながら協力して秘密基地作るのは楽しかった(秘密基地なんて、本来100%自分好みにしたいから一人で作りそうなものなのに)。そんな「気の合う友達」状態を作るためにみんなでリサーチしたり、プロトタイプをレビューしたり、UIの画面見ながらその場で修正と議論を繰り返すのが自分は好きなんだろうなと、最近とても感じる。
だから、リサーチがあれば友達ができる、と思うのです。
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