読書記録30📚「社会人大学人見知り学部卒業見込」若林正恭

<あらすじ>
若手芸人の下積み期間と呼ばれる長い長いモラトリアムを過ごしたぼくは、随分世間離れした人間になっていた―。スタバで「グランデ」と頼めない自意識、飲み屋で先輩に「さっきから手酌なんだけど!!」と怒られても納得できない社会との違和。遠回りをしながらも内面を見つめ変化に向き合い自分らしい道を模索する。芸人・オードリー若林の大人気エッセイ、単行本未収録100ページ以上を追加した完全版、ついに刊行!

<レビュー>
⭐️⭐️⭐️⭐️

コミュ力が低い自意識過剰人間(簡単に言えば、いわゆるひねくれ者)だった若林が感じていた社会への違和感や、売れると共に社会と上手くやれていくようになる成長を綴ったエッセイ。

私自身もひねくれ気味で自意識高めの人間と自覚しているので、あらすじを見て読んでみたくなり手に取りました🤣
読んでいる中で深く共感したり、クスッと笑ってしまったり、ずっと覚えておきたいなと思った言葉やエピソードを記録としてここに残しておきます。

・湯船を勝ち取った
売れない時代、春日が昔住んでいたむつみ荘と同じレベルの部屋に住んでいた若林が、少し売れ始めてやっと引越しできた。それでもユニットバスの狭い浴室。でも家でお湯を溜めてお風呂に入れた時は、ガッツポーズしながら「勝ち取った！湯船を勝ち取った！」と本気で思った、というエピソード。想像できて面白かった😊

・自分が見てる
自意識過剰な奴には、誰もお前の事なんか見てないぞ、と突っ込みたくなる気持ちは痛いほどわかる。でもそうじゃないんだよ、誰も見てないじゃなくて、自分が見てるんだよ！この俺が！っていう心の叫びには激しく同意しました。他人がどう思っているかと同じくらい自分がどう思うか、納得できているのかっていう感覚、大事にしていきたい。

•夢日記
50年後に自分はどうなっていたいかを決める。じゃあその夢を叶えるために、今これをしないといけない。1年後にはこうなっていないといけない、3年後には、10年後には…と書いていくのが夢日記らしい。(いわゆる人生設計図？)
若林はその夢日記の項目の一つに、〇〇年に「M-1優勝」と記したらしい。実際は2年遅れで準優勝という結果だったらしく、多少の誤差は人生だから仕方ないよね〜と語っていましたが、結論、夢日記めっちゃいいです、とのこと。私も一旦3年後にどうなっていたいかを設定して夢日記書いてみようかな。

・性格は形状記憶合金
憧れの人物の性格になりたくても、元々の性格は変えれるものじゃない。変えるのではなくて、自身の性格をしっかりと理解してコントロールすることが大切。

・仕事はジェットコースター
人は時折、自分の能力を上回るような仕事をしないといけない機会がある。その時は緊張したり嫌だな〜と憂鬱になったりするけれど、いざこなしてしまえば達成感、安堵感に包まれる。いわば仕事はジェットコースター。ジェットコースターに乗る時と同じ感覚で仕事も楽しんで行こう。

・ネガティブを潰すのはポジティブではない、没頭だ
若林が温泉旅行に行った時の出来事。リフレッシュするために旅行に来たのに、温泉に浸かっている間、仕事のことをついつい思い出して心配の念が溢れてきたらしい。これでは何もリフレッシュできていないではないか。その反面、何かに没頭しているときは仕事のことなど忘れてひたすら集中していることに気づく。
よってネガティブ人間は、ネガティブを克服するためにポジティブになろうなろうと意識するのではなくて、没頭できたり夢中になれることを増やしていくべき。

・根拠のない自信は最強
何に置いても自信がある人は強いよねって話。頑張って自信あり気に振る舞っていこう。(特に仕事)

•スター性
スター性のある人達の法則を考えてみると、客観性の希薄さを持っている人＝スターなのでは？と気付くみたいなエピソード。まあ他人の目を気にすることなく行動出来る人は強いよね〜。一個上の根拠のない自信は最強という言葉とセットで心に留めます。

・ある程度お金を貰えば幸福になれると思っていたが違った話
売れてからというもの、ある程度お金が入ったが、結局所持金と幸福度は比例しないって話。売れない芸人時代、相方の春日による、超貧乏やのにそれでもどうしても幸せなんですが…の一言からの気づきらしい。
とは言っても私は今お金が欲しい。ブランド物とかあまり金銭気にせず買いたい、もっとアクセスいい広い家に住みたい、等々。だから仕事してるんです！って思いながら活動するとやる気が出ます。頑張るエネルギーになってる。なのでとりあえずこの話は頭の片隅に置いておきながら、お金を増やす努力は怠らず生きていきます。

・いじられたい？
世の中には、いじりやすい人といじりにくい人がいる。いじりにくい人は、何故いじりにくいのかという理由の一つに、いじるとそれを本気に捉えてムッとしてしまうから。では何故ムッとしてしまうかというと根本で自信がないから。だから人は誰かをいじって優位性を確認する。
逆にいじられキャラはいじられた時でも悲壮感が出ない。その理由はそういう人達は根本で自己を肯定できているからではないだろうかという持論。
いじられる努力しよう〜🙂

記しておきたい事柄、全てメモ完了。

全体の感想としては、前半は自意識こじらせている若林集という感じで笑えるシーンや共感できるシーンが多かったように思う。後半にかけるにつれてネタが無くなってきたのもあるんだろうけれど、それよりも自分自身を理解して性格をコントロールする術をつけ、結局器用に生きている若林に変容。残念ながらそれでは段々と読み応えが無くなっていったので評価は⭐️4つにしておきました。