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長岡発酵フィールドワーク①江口だんご本店で"茶色い赤飯"と出会う

久しぶりにフィールドワークに行ってきました!!

今回の訪問先は、新潟県長岡市
つい先週末に長岡花火大会が開催されたばかりで、まだその熱気が残っているように感じたのは、想像を遥かに超える暴力的な猛暑だったからでしょうか…。(東京と同等か、それ以上に暑かった!!)

今回の訪問で初めて知ったのですが、その昔、長岡はおびただしい数の空襲に遭っており、長岡花火は元々は慰霊のための復興祭だったのですね。
空一面を覆い尽くす盛大な花火には「世界中の爆弾を花火に変えたい」という平和への願いが込められているそうで、このお話を聞いた時には鳥肌が立ちました。(書いている今もブワっと…)来年こそは絶対に行きたいなあ。

そんな長岡市は新潟県で2番目に大きい都市で、なんと新潟県で酒蔵の件数が一番多い、まごうことなき酒どころ

それもそのはず、夏は暑くて冬は寒い豪雪地帯は米作りに最適な環境。
豊富な雪溶け水は田んぼに栄養を運んでくれ、日本酒の仕込み水になります。
冬が寒い分、寒造りでたっぷりとお酒が仕込めるという点も大きいですね。

新潟県には約90件の酒蔵があると言われており、そのうち16件は長岡市内にあります。
そして、長岡は日本酒だけでなく、味噌や醤油などの醸造文化も盛んで、長岡駅から南に少し行ったところにある摂田屋地区には醸造所が密集しています。

そこで今回は、日本醸造協会様のセミナーで一緒に登壇させていただいたご縁で出会ったFARM8の石橋さんに、長岡の発酵どころをご案内いただいたのです!!

FARM8さんは、ソリューション型の商品開発や地域資源のプロデュースを通じて、「地域を食べる」をデザインされている会社。
中越地震をきっかけに長岡市にUターンしたという代表の樺沢さんは超エネルギッシュな方で、「こういう方が地域を元気にするのだろうな〜」と感じます。

そして、今回の旅の行程を全てアレンジしていただき車でご案内くださった石橋さんは、商品開発のプロフェッショナル。
日本酒カクテルの素「ぽんしゅグリア」の開発をされた方です。
石橋さんも超アグレッシブですっごく明るい方なんです。

皆さんのエネルギーに圧倒されながら、長岡発酵旅が始まりました!!

まず最初に伺ったのは、明治35年創業の江口だんご本店さん。
米どころということは、美味しいもち米もあるということですね。
これぞ日本の原風景と言わずにはいられない、里山に囲まれたのどかな地域にあります。

中庭には、君が代で有名なさざれ石がありました。

店内では、笹だんごを作っているところが見られます。
あぁ、笹の香りが心地よい。

お団子も食べたかったのですが、今回のお目当ては「長岡赤飯御膳」
古民家を改装された江口だんご本店にはレストランが併設されており、のどかな里山の風景を眺めながら、お団子やスイーツはもちろん、ランチを食べることもできます。

お赤飯と言えば、もち米に小豆やササゲを混ぜて蒸した赤色のおこわですが、なんと長岡のお赤飯は、赤くない

醤油で味付けした、茶色いお赤飯なのです。

なぜお赤飯が醤油味なのかについては確かな文献というのが見つかっていないそうで、こちらの記事によると…

・長岡では昔ささげがなかなか採れず、ささげの赤い汁でもち米に色をつけることができなくて、身近にあったしょうゆで色付けしたのが始まりという説
・摂田屋など醸造の町があり、しょうゆ造りが盛んだったから、という説

このような説があるそう。

また、とにかく長岡市民は醤油味が大好きで、醤油の消費量がめちゃくちゃ多い。
そのため、当然お赤飯も醤油味でもおかしくない。

この後に訪問した酒蔵の女将さん曰く、「東京で食べたお赤飯が美味しくなくてびっくり!よくもまあ、あんな味のないお赤飯を美味しそうに食べるものだ」とのこと。笑

醤油味の長岡赤飯は、長岡市民のソウルフードなのですね。

さて、肝心のお味はというと、醤油の香ばしい香りがとても良く、甘じょっぱい味わいですごく美味しい。あとは、とにかくもち米がもっちもち。
やっぱり新潟のお米って美味しいなあ…。

ちなみに隣にある汁物は「のっぺ」という郷土料理で、干し椎茸と干し貝柱の出汁が効いた、旨味たっぷりの味わい。里芋のとろみがついているのが特徴で、他にも人参、こんにゃく、タケノコなど、具材が盛りだくさん。

食後は豆大福を食べようと思っていたのですが、お腹いっぱいで断念。
旅先では胃袋がもう一つ欲しい…。

江口だんごさんでお腹を満たした後は、JAの直売所「なじら〜て」へ。
新鮮な長岡野菜がずら〜っと。

新鮮、安い、種類豊富!!

茄子に至っては本当に種類が豊富!!

新潟県民は茄子が大好きだそうで、なんと茄子の作付け面積は日本一で、一世帯あたりの消費量も日本一なのだそう。
無類の茄子好きとしては心踊る情報です。

先ほどの長岡赤飯御膳でも茄子の炒め物が出ましたが、すっごく美味しかった〜。

…後々気付くことになるのですが、長岡は料理のレベルが高い
山の幸はもちろん、山を越えれば海の幸がある。食材に恵まれた地域ではあるものの、新鮮な海の幸が簡単に取れるわけではないし、冬は豪雪なので、限られた食材で工夫して料理をする必要がある。そのために創意工夫をしてきたこともあって、料理の技術が向上してきたのかな…と思いました。(あくまで個人的な所感ですが。)

話がそれましたが、こちらは巾着茄子という、長岡名産の大きな茄子。
身も皮も硬いのですが、皮を剥いて蒸してから冷やして食べるとトロッとした食感になり、「畑のトロ」とも言われているらしい。

…現時点で分かったのは、長岡は米どころであり、酒どころであり、そして茄子と醤油が大好き。

長岡旅レポート、まだまだ続きます!!

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