【レシピ】ささみと菜の花といよかんの塩麹辛子和え
春生まれということもあってか、春になると浮き足立ってしまいます。
冬枯れた景色が一変し、虫たちが目を覚まし、地中でエネルギーを蓄えていた様々な命が芽吹き始める季節。
春に楽しみにしている食材は両手で数え切れないほどありますが、中でも大好きなのが菜の花。京都では、まだ大きく成長していない柔らかい菜の花が手に入りやすく、この時期は毎日のように菜の花を食べています。
今回は、私が大好きな菜の花のレシピをご紹介します。
『いつものお酒が100倍おいしくなる 最強おつまみ事典』(西東社)にも掲載したレシピです。
ささみ+菜の花+いよかんという食材が合わさった時の、なんとも言えないみずみずしく、ほろ苦い美味しさ。味付けのベースが塩麹+オリーブオイルというのもポイントです。
ささみと菜の花といよかんの塩麹辛子和え
1.鍋にAを入れて火にかける。沸騰したらささみを入れて火を止め、蓋をして余熱で8分火を通す。ささみを取り出し、粗熱が取れたら食べやすい大きさにほぐす。(茹で汁はスープとして使えます。)
2.鍋に1L程度の湯を沸かし、小さじ1の塩(分量外)を入れ、菜の花を根本から茹でる。全体を浸して1分ほど茹でたらザルにあけ、冷めたら3等分に切る。
3.新玉ねぎは繊維に沿って薄切りにし、塩もみして5分おく。しんなりしたらさっと水で洗い、水気をしっかりと絞る。いよかんは房を取り出す。
4.ボウルにBの調味料を入れ、よく混ぜ合わせる(辛子はダマになりやすいので先に入れて、攪拌しながら他の調味料を少しずつ加える。)。ささみ、菜の花、新玉ねぎを入れてよく混ぜ合わせ、最後にいよかんを加えてさっと
和えたら、器に盛る。
合わせたお酒は、「不老泉 山廃純米吟醸 無濾過生原酒 雄町」(上原酒造/滋賀県)。
蔵つき酵母ならではの複雑な味わいで、甘味、旨味、酸味、渋味など、味の要素が非常に多いお酒です。冷酒だと比較的すっきり、常温~お燗で飲むと、濃醇な味が楽しめます。
不老泉といえば、どっしりした濃醇な味わいが特徴のため、このような爽やかな料理に合わせるのは意外に思われるかもしれません。
私もペアリングを考えていた時、ずっと肉や魚を使った濃い味付けの料理を試作していました。しかし、どうも思うようにいかず、朝まで徹夜して試作を続けて出来上がったのが、このレシピです。
なぜ合うのかうまく説明できないのですが、辛子が不老泉のパンチをしっかり受け止めてくれているのと、いよかんのジューシーさが生酒のテクスチャーに馴染んでくれていること。そして、菜の花の甘味やほろ苦味が、お酒の味の要素と重なってくれているのだと思います。
こういう苦悩に鍛えられてきたんだよなあと、初心に帰らせてくれるペアリングでもあるのでした。
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