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245.結果で黙らせる快感を知る

日本人史上最高選手といっても過言ではない、元メジャーリーガーのイチロー氏が、シアトル・マリナーズで球団殿堂入りを果たしました。

実は殿堂入りは昨年の出来事で、先日27日はその式典が行われたのです。

とんでもない偉業です。
マリナーズでも歴代10名しかいないのです。

名選手のメッセージが多数送られたその式典後の会見で、イチロー氏の発言がとても心に残りました。

「結果で黙らせる快感を僕は知っている」

メジャーリーグに挑戦したばかりの当時、イチロー氏には様々な声が上がりました。

メジャーリーガーとしては決して大きくはない体格や、日本人という属性、プレースタイルなどあらゆることについてネガティブな声は届きます。

ただ、黙々とバットを振り続けた。
ヒットを量産し続けた。
そして、常人では考えられないほどの結果を出す。

その繰り返しを、ひたすらにやり続けられていました。

それが10年連続200安打やメジャーリーグ通算3,000本安打など、100年に一度とも言えるほどの大記録を叩き出したのだと思います。

会見ではこうおっしゃっていたようです。

「とにかく、小さいころから体が細かったこと、野球選手としては大きくなかったこと、が、僕の中で邪魔してたわけではなくて、第三者が見た時に必ず、細すぎて無理だろう、って。小学生のころ、中学生も、高校行った時も、プロ行った時も、メジャーに行く時もずっとそれとの戦いだった」

活躍の裏では、いろんな声や意見や思いが飛び交っています。

それをすべて受けた上で、何を言い返すこともなく、結果で示すという選択をされ続けたプロとしての意気が、僕は最も尊敬できるところの一つだと感じています。

結果で黙らせる。

野球界では同じくメジャーで挑戦している大谷翔平選手の二刀流起用も、同じようなものなのかもしれません。

前代未聞の挑戦には、必ず逆行する声があります。
一歩を止めようとする力が何らかの形をとって働いてきます。

イチロー氏は、いつも圧倒的な行動と実績の積み重ねの上に存在しています。

そういう声を結果で黙らせる快感を僕は知っているので、その積み重ねが今ここにある僕だっていう、そういう感覚ですね

思えば、僕も野球をやっていたときは似たような感覚を持っていたように思いました。

これだけやっていたなら仕方ないと思えるほどやっているか

高校球児の頃の思い出です。
僕は最初、新チームになった2年生の夏の終わり、打順は2番でした。

1番のチームメイトが出塁したら、だいたい2番打者はバントでした。
打つのは好きなのに、バントばかりになるのはちょっと不満だったのです。
ただ、チームが勝つためにしっかり決めて、成功させる。
決まるから、いいねとなって2番が定着する。

誰にも言わなかったですが、勝手に「これはまずい」と思っていました。
1番打者がいいのです。打てる機会が最も多い、ただそれだけの理由です。

どうしようかと考えた挙げ句、バントをわざと失敗するわけにはいきませんから、バントのサインが出たら100%決めつつ、それ以外のヒッティングの機会ですべてヒットを打とうと、そういうアイデアに行き着きました。

バント以外全部ヒットを放てば、「こいつを1番で起用してみようか」と思われるだろう、と。

結果、2年の秋は練習試合を含め4割ぐらい打っていました。
強豪校と試合することはあまりないので、努力でなんとかなる投手が相手であることが多かったのです。
容赦なく、夏の練習試合から秋のオフシーズン前に向けて打ち続けていたのを覚えています。

もちろん、相応の練習はしていたつもりでした。
人生で最もバットを振った時期だったかもしれません。

これだけ振って打てないなら仕方ない、と自分で思うほどに。
そして実際には、結構ヒットを打つ。
チームメイトからも、こいつが1番打者に選ばれたのなら仕方ない、と思えるぐらい練習して、試合で打つ。

その繰り返しをしていました。

このときの想いは、今でも鮮明に覚えています。

圧倒的な結果と行動で、自分の居場所をコントロールする。

そんなことに試みていた学生時代も、思い返せばありました。

イチロー氏の言葉から、ふと思い出したあの頃のお話です。

今は何にその想いをぶつけられるか

社会人になった今は、やはり仕事に対して同じような想いをぶつけていきます。

営業だったら、どれだけ営業先の見込みを増やすかと訪問する数、ライターだったらどれだけ文章を書き記事をアップするか、経営者ならどれほどの人と会いビジネスを加速させるか。

何の仕事をしていても、何の立場であっても、何かしらの数に置き換えることはできます。

野球だったら素振りの数のように。
何かの数を追いかけるように、成し遂げるように目標として置いて、実行することはできます。

今、何の数字を追いかけているでしょうか?

ホームランを打ちたいのにダッシュの数を増やそうとしていませんか?

何を言われようと結果で黙らせるのであれば、結果に相応した行動になっていますか?

こんなことを日々思いながら、優先順位を見極めて行動に移しています。

ただ、圧倒的かといわれると、爆発的かといわれると、まだまだ余力が残っているようにも感じます。

やりきる。
決めたことをやる。

この繰り返しが、自分と自分の中の確信を育むのでしょう。

イチロー氏の有名な名言が蘇ります。

「小さなことを積み重ねることが、とんでもないところへ行くただ一つの道」

派手じゃなくても。
綺麗じゃなくても。
下手でも、何でもいい。

ひたすらに、没頭する時期を創り上げていきます。

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