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442.背番号42は世界を変えた勇敢の証

映画『42〜世界を変えた男〜』を観賞して、メジャーリーガーが全員背番号42を身につける「ジャッキーロビンソンデー」について知ることができた。

僕も曲がりなりにも14年間野球を続けてきた者である。

野球というスポーツがどのようなものなのか、どのような人間が行うスポーツなのか、14年間という限られた期間ではあるがその道を歩んできた。

ジャッキー・ロビンソン。
黒人初のメジャーリーガーとして名前は知っていたが、その時代背景や想いの部分までは恥ずかしながらあまり知らなかった。

そんなときに鑑賞した映画が、下記『42〜世界を変えた男〜』である。

肌の色で凄惨な差別が続けられていた時代の話。

映画内ではまだマイルドなものだったが、実際は見るに堪えないことが山のように巻き起こっていたことは想像に難くない。

そんな中、気性が荒めの主人公ジャッキー・ロビンソンは、黒人初のメジャーリーガーとしてその野球センスを遺憾なく発揮していく物語。

「やり返さない勇気のない奴になる」のではなく、「やり返さない勇気を持つ人間になる」ことを最初に強く言われ、どんな偏った対応にも心を強く持って乗り越えていく様は、本当に畏敬の念を覚える。

白人と野球をやるものではないというところから、まさに黒人の道を切り拓いた存在として、語り継がれるべき伝説を創ったと言っても過言ではない。

実力があってこそではあるが、どんな逆境にも勇敢に野球を通して立ち向かう姿にはとても勇気づけられる。

「みんな背番号42を身につければ、グラウンドでは違いなんてないよ」

初めは嫌悪していたチームメイトにも認められて、ジャッキーがそんな言葉をもらうシーンは、人種差別という世の中を変えていくに相応しい、象徴的なシーンだったと思う。

「世の中は変わる……だから、俺も変わる」

そういうチームメイトも出てくる。
グラウンドでは、肌の色どころか、その人の属性が何かを判断されることはないのである。

全メジャーリーガーが、ジャッキーのメジャー昇格日である4月15日に背番号42を身につける風習はまだ15年ほど前から始まったことのようであるが、こういった世の中の動きはとても大切だと思う。

メジャーリーグには、黒人も黄色人種も、また近年特に様々な国のプレイヤーが活躍するようになってきている。

アジア人初、みたいな記録も多く打ち立てられているし、大谷翔平選手に関してはもはや人類の誰も真似できないような記録を叩き出していたりもする。

例えば大谷選手の背景にも、野茂英雄氏を皮切りに、日本人が通用すると認めさせたイチロー氏、松井秀喜氏を代表とする先駆者がいる。

どの世界でも同じかもしれない。

今素晴らしい活躍や煌びやかな成果を出している人の先には、常に先駆者、開拓者の足跡がある。

野球の歴史を通じて、改めてパイオニアの存在に感謝の想いが芽生えた映画だった。

よく考えたら、自分もそういった開拓者的な行動をしているのかもしれない。

今後自身が逆風にぶち当たったときも、42の数字が背中を押してくれる。
勇敢さを思い出させてくれる。

それがきっと、結果的に多くの人を巻き込むことになるのだと思う。

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