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サシャの秘密6-サイレント・ネオ-boy meets girl-

3歳の孫になぐさめられた老人ゲンバ・オーウェンは、今度はサシャを抱き寄せて泣きじゃくるのであった。
このようなやりとりが半年ほど続いた後、サーシャはついに死んでしまったのだった。

溺愛した一人娘にも先立たれたゲンバ・オーウェンにとって、唯一の希望は孫のサシャだけであった。
ゲンバ・オーウェンはサーシャ以上にサシャを溺愛し、それは目に入れても痛くないほどという表現がぴったりだった。
公の席では常に威厳を保っていたゲンバ・オーウェンだったが、サシャがきて「おじいたん」と呼ぼうものなら、恐ろしい顔から眼尻がさがった”おじいたん”の顔に豹変した。
サシャは”おじいさま”と呼ぶのを嫌がり、”おじいたん”と呼ぶのが常だったのだ。

高貴なものがこのように呼ばれるのはよくないことであったが、ゲンバ・オーウェンはサシャにはとかく甘かったのである。
ゲンバ・オーウェンはサシャが姿を見せようものなら、重要な会議だろうが、公式の行事であろうが関係なかった。
サシャをだきかかえ、ぷっくらとした彼女の赤いほっぺにしわくしゃの顔をくっつけるのだった。

このようなゲンバ・オーウェンの態度に、兵士たちの一部は「ゲンバ・オーウェン様も人間だったんだな」という好意的な意見があがった。
一方で、「配下に容赦ない鬼提督は、自分の孫だけをひいきしている」と嫌悪する意見も多かった。

つづく…

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