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豚提督オジャム1サイレント ネオ-ムーン ソング

皆さんはオジャムという人物を覚えているだろうか?
オジャムはカイバを乗っ取った父親ソデに変わり、提督についた人物である。
提督といっても実は名ばかりで、実権は父親のソデと、筆頭将軍であるシャギが握っていた。
カイバの名門だったコンクリオン家は悲劇的な結末を迎えたが、その後はソデとシャギによる2頭政治のような形になった。
しかし、それはうまくいかず、やがて両陣営は敵対するようになっていった。


オジャムは常に提督の椅子に座り、一言も話すことなく朝議を聞いていた。
勝手に話してはいけないと、きつくソデに言われていたからだ。
あまりの退屈さから眠ってしまうと、屋敷に帰って父親に容赦なく折檻された。
だから、オジャムは退屈を持て余しながらも、叩かれるのが怖くて目をカッと見開いていた。
その様子があまりに滑稽で「豚提督が今朝も大きなまなこを見開き、面くらっている」と家中の者はかげ口を叩いていた。

豚提督とかげ口を叩かれるオジャムにとって唯一の自由は好きなものを食べまくることだった。
オジャムはカイバはおろか、月歌全国から取り寄せた贅沢なものを貪り食うのが趣味で、非常に太っていたのである。
医者からはこのままでは命が危ないといくら諭されても、食べることをなかなかやめられなかった。
また、胴長短足の家系であるため、豚提督というあだ名がついてしまったのだ。
そんなオジャムのことを皆はばかにこそすれ、情を寄せる者は1人もいなかったのである。

実のところ、オジャムは少々頭が足りなかった。
だから、父であるソデは自分が実権を握るために、オジャムを提督に据えているのにすぎないのだ。
オジャムの唯一の願いは退屈でしかない提督の椅子をぶち壊し、「余は提督である。頭が高い、控えよ!」と宣言して、家臣をひれ伏せさせることだった。
しかし、オジャムを提督とみなすものはおらず、オジャムは朝議で一言も発する機会はなかったのだ。

カイバ一の実力者と言われるまでとなったシャギは、そんなオジャムのことを心底馬鹿にしていた。
ただ、馬鹿にこそすれ、実害がないため利用しようとしていたのである。
続く…

最後まで一気読みしたい方用


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