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砂漠の陣2-サイレント・ネオ-boy meets girl-

「はっはっは…さすがはムドー先生、一流のパイロットというのは人を愉快にさせる言葉も知っておるものじゃ。他のものにも少しは見習ってほしいものよ」

いつになく上機嫌のシャギは、まばゆいばかりの宝石がきらめく玉座に深くこしかけ、愉快そうに笑っている。シャギを取り巻くシャギ十将たちも、愛想笑いを浮かべていた。

その中に一人だけ、眉一つ動かさずしかめっ面をしている男がいた。

2

ムサシのライバルであり、地球からわざわざ彼を追ってやってきたガスズだ。
シャギはこの何かと態度が鼻に突く若者を配下に加えることを渋ったが、ムドーの推挙もあり仕方なく客将として雇っていた。

「ガスズ殿もさすがにこの壮観な眺めを見れば、シャギ様の御威光をわかっていただけるであろう」

参謀のマーバイムが気を利かせたが、それは裏目に出た。ガスズはただ鼻で笑っただけだった。
その態度を見のがさず、シャギは仮面越しに怒気をふくめた言葉で言った。

「何か、不満でもあると言うのか…!?」
「不満などはござらぬが……あまりに滑稽な猿芝居をみているようで、あきれはてているまで」
「なんじゃと!」

ガスズの言葉に取り巻きのシャギ十将がいきりたった。

「そうではござらぬか……戦というのは始まってみなければ勝敗などわからぬもの。それが、始まる前にもう勝った気でいるのは愚の骨頂。まして、戦の勝敗は数で決まるものではござらぬ。1000の烏合の衆を集めて、勝った気でいるとは滑稽極まりないと思ったまで」

「貴様、シャギ党のことを烏合の衆呼ばわりするとは、ききずてならんぞ!」

シャギ十将たちは腰に差す刀の柄に手をかける者、今にもガスズに殴り掛かりそうな者、みないきりたち、仇のようにガスズをにらんだ。

「烏合の衆が気に障ったのならおわび致そう。ともかく、寄せ集めた1000の兵がいたとしても、それははりぼての虎になるは目にみえてござる」

この言葉にシャギはこめかみをひくつかせながらも、大物ぶって仰々しく言った。

サイレント・ネオ-boy meets girl-(砂漠の陣/先行配信中)

BGM

-登場人物-

テディ・D:ゴスロリの格好をし、腕には9.8と数字をほり自死がんぼうがある少女。
オジャム:お飾りの提督をしていたが、父親をころされたあげく、砂漠に追放された。命からがら助かり、ゴサクの家で豚小屋などを掃除して糧を得ている。心優しい少年。
サシャ:誘拐船でオジャムと出会った6歳の女の子。勘が鋭く、ゴサクに気に入られている。その正体は…!?

ムサシ:地球(テラ)・ネオ東京出身の19歳の青年。愛機サイレント・ネオをあやつり、第5次地球・コロニー戦争において100機墜としを達成、英雄認定及びスーパーエースの称号を得た。地球のCAリーグにも参加している人気パイロットでもある。しかし、戦う意味を見失い、月歌に放浪の旅に出る。

ソック:ムーンキングダム・斥候隊副隊長。ボーナスをなくしてしまい、恐妻トド子に家を追い出された悲しき中年男性。

シャギ:極悪非道の仮面騎士と呼ばれる男。若いころは、義侠を持ち黄金のシャギと呼ばれていた。青年時代に地元の若者たちと悪党を結成、砂漠地帯で暴れまわったが、ゲンバ提督の娘に手を出したことで怒りをかってしまう。顔を切り刻まれ、腕と足を切り落とされたあげく、投獄された。しかし、復活後は人が代ったように残酷になり、シャギ党を結成して、ついにはカイバの提督の座を強奪するに至った。

ムドー:月歌だけでなく、コロニー連合などで十数年の間、傭兵として戦場をわたりあるいてきた猛将。残酷な攻撃をすることもあるが、騎士道と義理を尊ぶ武人。シュトライツァー党では義兄弟のシュトライツァーの副将として活躍、北国随一の武将とまで呼ばれるにいたった。ダークブルーのパンツァーを愛機としており、精鋭の青備え50機を率いる。

ガスズ:ムサシのライバル。CAリーグでは常にムサシと同時に昇級しており、何度か土をつけている。黒いCAヤシャをあやつる。唯我独尊を地で行く男。

マギー教授(おねえ)とみなみちゃん(アイドル):一年前に地球(テラ)から月歌に向けて出発したが、未だに到着せず。
かつてスーパーエースだったマギーは戦闘での怪我のため、現役を引退して士官学校で教授をしている。裏の顔はおねえである。

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