シャローンの初陣1-サイレント ネオ-ムーン ソング

戒厳令が敷かれる中、大黒柱であるエビル・メルセデウス17世を失ったムーンキングダムの軍勢は大混乱に陥っていた。
大将が突然いなくなってしまったからである。
この空白期間を利用して、北閥が一気にキングダムに攻め寄せると言う噂がたち、市民たちの中にはキングダムを脱出する者まであらわれた。
まるで蜂の巣をつついたような騒ぎとなったのである。
あわてた参謀府が外出禁止令を出すと、今度は人一人街を歩かない状況になり、不気味な静けさが都市を支配することとなった。

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キングダムはエビルだけでなく、有力な将軍たちも失っており、家中をまとめられる人材を一気に喪失した。
この喪失はムーンキングダム及びメルセデウス家に大きな影をなげかけることになる。
そのため引退していた元軍師で高齢カペッロマンが一時的に復帰する有様であった。
「もはやキングダムに人はなし」とさえ噂され、北閥に攻められて滅亡するのではないかと思う市民も少なくなかった。

キングダムを守る守備兵たちは夜中にも関わらずCAに搭乗して、あてもなく政庁広場前に集結していた。
もしもに備えてのことである。
しかし、指揮系統も機能しておらず、誰も彼もがどうしたらいいかわからなかった。
その中でも階級の高い将校が何となく隊長におさまり、「とにかく政庁を守備すること」と命令した。

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