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映画「TAR/ター」(@2022年米国 TOHOシネマズ日比谷12)を見ました!

映画「TAR/ター」(@2022年米国 TOHOシネマズ日比谷12)を見ました!

脚本・監督はトッド・フィールド。上映時間158分という長尺ながらまったく飽きさせません。ヒリヒリした状況がいつもそこにあります。創造者のある種の狂気が伝わってきます。その狂気と引き換えに人が震えるような感動が生まれてきます。しかしながら命を削るような覚悟で芸術に創作に向き合うことで失われてしまうもの、さらには名声や人気そして富と引き換えにやってくる代償のようなもの!本作はオリジナル脚本ながら、そのリアリティのある今の姿をコロナ後という設定で描き出します。

ケイト・ブランシェットが全編出演しっぱなしです。この映画は、彼女の芝居を観る映画と言ってもいいのかも知れません。ベルリンフィルで主席の指揮者を務める彼女はいわゆるクラッシック界の最高峰の高みに達したと言えるのではないでしょうか?でも、監督のトッド・フィールドは簡単なハッピーエンドの映画にはしません。ベルリンの曇り空の風景がそれを倍加させていきます。ターは同性愛者でベルリンでお金持ちのパートナーの女性と一緒に住んでいます。そして一人娘が二人の間にいます。多分小学2‐3生くらいでしょうか?移民の子を養子にもらったのだと思います!この女の子はアマゾンの出身なのでしょうか?

映画には詳しい説明はありません。なので、観客はそれらのことを想像しながらこの創作に向き合うことになります。そういう意味ではとても演劇的な映画と言えるかも知れません。観客と一緒に考える場所を提供する芸術としての映画です!

そして本作は映画館で絶対に見て欲しい映画です!音楽家の話なので、やはり音に関するこだわりがすごい!そしてターは深夜になるとちょっとした住居の異音が気になるようになっていきます。ターの聴覚が過剰に進化していっているかのような。その感覚を同時体験するのには遮音された中である大音量でこの映画を体験しなければならないのではないでしょうか?
私が見た東京宝塚劇場地下のスクリーン12は精巧な造りでかなり大きな劇場です!なので、空気を伝わってくる音の大音量の迫力と同時に繊細な音が伝わってくるのです!IMAXの大画面の魅力もいいですが、まさにこうした音響にこだわることも映画の魅力です。映画館だからこそ出来る体験です!この鑑賞の体験も含めて映画を見ると言う価値がこれからの新たな顧客価値につながっていくのかな?などと思ったりしています。

実は、TOHOシネマズは6月1日から料金が100円上がりました!この日は映画ファストデー。入場料1300円(5月までは1200円でした)でこの体験をすることが出来ました!

ケイト・ブランシェットの淡い恋心も描かれながら、あのエンディングはどういうことでしょうか?あのエンディングがあることによってこの映画の大きな深みがターの人生と重なりそれが一気に表出したのでないかと思いますが!みなさんはどうお感じになられるでしょうか?

写真は2枚とも公式HPより引用しています。引用元は https://gaga.ne.jp/TAR/

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