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斜め前の並井さん(仮)と私の悩み

今日も並井さんは眠っている。今は3限の数3の授業中。授業中彼女がうとうとしているところを見るのはこれが4回目くらいかな。
どうして彼女が気になるって?
単純に人を観察するのが好きってこともあるけど、彼女はこの学校に首席で入ってきた人だから。
それにコミュ力もあって気も利く、いつも彼女の周りにはたくさんの人。
そんな彼女と私は違う世界に生きる人間だと思っていた。
なんでかって?私の学校は受験勉強をせっせとする勤勉な子が多いの。おそらく彼女もその1人。
自分が少数派でその子たちに劣等感やどうしてそこまで機械のように頑張れるのか違和感があった。
あと、たいてい頭の良い子は医学部を目指す。将来の仕事が17、18で決まって良いのかと思う。もう少し考えてもいいのにと思う。
それにその大学に行く目的が明確じゃない、もっとはっきり言えば学歴のために行く子も多い。きっと所詮彼女もそんな大人数の1人だと思っていた。
ある日私が授業を休んだ時、翌日、並井さんはわざわざ話しかけてくれてノート写したかったらいつでも言ってねと言ってくれた。
授業を休んでばかり、端からみればさぼり?どんな子かわからない、普通は誰も話しかけない私に対等に話しかけてくれるのが嬉しくて嬉しくて心が本当に温まった。
彼女とは移動教室の授業で一緒だったのだが、クラス替えテストがあって、彼女は上のクラスに上がってしまった。
こんないい子の努力が報われてうれしいけれど、こくこくしてるところを見れなくなると寂しい。
ちなみに生物の授業で、脳の構造や働きを習った時、中脳は並井さんを想像して覚えた。
中脳には、眼球運動や瞳孔の反射中枢があって、こくこくしている並井さんが覚えるのにすごくイメージがあっていたからだ。
並井さんには少し申し訳なかったけど。
「牛丼の並、中、大で、中の隣の並だから、中脳のは眼球運動!」
と心の中で覚えた。
私の中にあるクラスの子への違和感はどうして生まれたのか。
それは私に友達が少ないのと彼女みたいなタイプの子と進路について本音で話す機会が少なかったからかもしれない。
私にはそういうことを話す友達がいるが、その子も成績はそんなに良くなくて、受験勉強に熱心ではない方だと思う。
その子としかそんな話をしていなかったから、他の子がどういうことを思ったり、何に悩んでたりするか私は知らない。
できれば、この問題難しいよね〜?とか英表の英文覚えんのむりなんだけど!みたいな話をしてみたいし悩みとか知りたい。もっと話をしたい。私もその輪に混ぜてほしい。でもなんて言えばいいかわからない。
ずっと考えていて思ったのは、友達と話す機会が少ないとかそれ以前に、自分が"勉強してないから私はそういうことを話せる立場じゃない"と自分で自分を縛ってたことだ。
いくらバカだって、授業寝てたって、その科目の話をしちゃいけないなんて誰も言ってない。
なのに、私は自分でそれを語る資格などないと考えていたと思う。
私の脳内は常に考え事で溢れていて、ついつい深くわりとネガティブに物を考えてしまうからあんまり今も暇な時間を作りたくない。
かと言って忙しすぎても嫌なんだけど。
だから認知行動療法とか自律訓練法とかの本を読んだり、スクールカウンセリングでカウンセラーさんとお話しして、解決法を一緒に考えている。
カウンセラーさんにはストイックなんだね。と言われた。
いや、そうかもしれないけど、完璧主義で、授業は理解しようとその場は結構頑張るし、テストの点数もいい点を取りたいと思うけど、テスト勉強は直前詰め込み型なのだ。
ストイックなのかなんなのか、、
こういう頭の中で考えていることの出し方がわからないけど、カウンセラーさんには話せる。
するとカウンセラーさんは私を面白いと言ってくれる。
自分はたいして話もできないし、そんなに面白くもないと思っていたけれど他の人からすれば違うのかもしれない。
だったら、その思ってることを吐き出して笑いに変えたり、この思考疲れるのよ〜などと愚痴を言いたい。
人との距離感の縮め方がわからない。
息抜きしたい。いつも考え事してる。疲れる。自律訓練法もずっとやってても飽きるし。

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