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成長と結果に必要な9つのポイント〜現状を見える化するpart2

スポーツメンタルコーチの河邊です。

気づけば前回のnoteから5ヶ月が立ってました。なんてこと。。。
気を取り直して早速書き進めて行きます。

この5ヶ月間の間に選手、指導者の皆さんの状況は変わったこともあれば変わらないこともあるでしょう。
多くの競技で試合は再開されましたが、いまだに無観客。地域大会は復活したけど世界大会はまだ見通しがつかない、もしくは来年以降になってしまって、試合が当面ない選手もいます。

これまで試合に向けて頑張ってきた選手たちからすると、試合=目標がなくなると途端にモチベーションが下がってしまうことが多々あります。
そりゃそうですよね。
あの試合に向けて苦しい練習も頑張ってこれたのに。
淡々と練習できたのも、成長してそこで成果を発揮するため。
家族や大事な人やファンの喜ぶ顔を見たいけど無観客。

それでも今できることを練習し続けている選手の皆さん、本当に素晴らしいです。
いかに自分がチャレンジしているか、ご自身でぜひ認めてください。
そしてその上で、今自分がどういう状況なのかをしっかり把握していきましょう。
もちろん、今、ガンガン試合をしている選手の皆さんも一度現状を捉えることでシーズン後半戦の伸びが全く違ってきます。

スタート地点を明確にするだけで、ここから先の取り組み方の質が何倍にも高まります。
やらなきゃ損!です。

ということで、現状分析。以前の記事は頭に思い浮かぶものを書き出すという方式でした。
今回は枠組みを使うからこそ、現状が見えてくるという方法です。

フィールド・フローのスポーツメンタルコーチングでは成長と結果を生み出すために押さえておくべき9つのポイントがあります。

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<メンタル>
意識、気持ち、自信、不安、集中、安定性、自分との対話 等

<体>
体の調子や状態、強度や持久力 等

<技術>
競技に必要は技、スキル 等

<戦術・戦略>
戦術理解度、相手への適応力 等

<マテリアル>
道具、ウェア、シューズ 等

<コミュニケーション>
チーム、仲間、指導者、スタッフ、家族、友人 等

<環境>
環境適応力、成長する環境かどうか 等

<プランニング>
練習や試合に向けての計画、試合直前〜当日の行動計画など

<行動パターン>
練習や試合、日常生活も含めての行動、習慣 等


どうしてもメンタルや技の出来具合、試合前には戦術い注目が行きがち。もちろんそれもとても大切なのですが、成長と結果を出すためにはもっと広く現状を捉える必要があります。

例えば、「マテリアル」。
一見、道具を使わない競技の人には関係ないと思われがちですが、シューズをいつ新調するのか、練習でどれだけなじませておいたら試合で最高のパフォーマンスが発揮できるのか、自分のシューズの替え時を把握しておくことはとても大切です。
以前、ある選手が同じシューズを履いているつもりだったが、メーカーのモデルチェンジで少し小指が当たるのが実は気になっていたということがわかり、旧モデルを手に入れることで解決したということがありました。ほんの些細な引っかかりではありますが、それをクリアにすることで、本当に取り組まなければならないことに集中できるわけです。
また、ウエアも練習用と本番用では気合の入り方が違うという選手がいて、試合当日用にいきなり試合技を着ると舞い上がっちゃうから、練習でも試合の意識を高めるために試合技を着るようにしているという選手もいました。
なかなかマテリアルの奥は深い。

「環境」は今の環境でどれだけ楽しく真剣に取り組めているか、ということを改めて振り返るきっかけとなります。現状ですごく満足している方もいれば、もっとライバルがいるような刺激のある環境を必要とすると感じる人もいるかもしれません。

「行動パターン」は練習や競技以外の日常生活も重要なポイントになります。睡眠、栄養、行動範囲。普段の積み重ねが全て試合に現れます。別に遊んではいけないということではなく、遊びやオフも含めて、現状を見える化することが大切です。

この9項目の使い方はいろいろ。
これからご紹介するワークは一人でも取り組めますし、仲間でペアになって行っても有効です。

活用方法その1:点数をつけて課題を明確化する

どれだけできているかということを点数化=スケーリングして、
点数をつけることで、今自分が何に取り組むべきか、具体的なアイデアや優先順位が明確になります。なお、点数をつける、数値化するという「スケーリング」は曖昧に捉えている現状を具体的に測る、もしくは感覚的に認識するのにとても有効です。
以下、9項目のスケーリング方法です。

(1) まずは直感的にそれぞれの項目が自分の理想や満足度が10点満点で何点かを表してみてください。そして書き出してみてどうか、率直な感想も出してみてください。

スクリーンショット 9項目チャート


(2)一番満足しているところと、一番気になるところを出して、その理由も教えてください。

(3)一番気になるところについて、その点数の理由を書き出してみてください。
例えば、一番気になるのが「体」で、6点だった場合。
どういう状態だから6点なのでしょうか。
6点の理由と、足りなかった4点部分の理由も具体的にしてみてください。

(4) 改めて、10点満点の状態を描いてみてください。
なお、この時の10点満点はいつの時点で10点満点にしたいのか時期や目標を明確にしておくと、より具体的に描くことができます。

(5) 現状の点数から1点上がった状態をイメージしてみてください。
例えば「体」が6点だとしたら、7点の状態を描いてみてください。

(6)その1点あげるために何をするか、具体的な行動を考えてみましょう。いきなり10点満点にはならないけれど、1点上がった状態ならば中間目標としてステップを踏みやすくなります。1点上がった状態にするために、今できることは何かを具体的に考えてみましょう。
その際、実行可能な行動なのか、ハードルが高すぎないかを確認してみてください。ちなみに、それをしようと思うと気分が凹むというならば、やめておいたほうがいいです。別の案を考えましょう。

他にもこの9項目の使い方はあります。

活用方法その2:点数をつけて課題を明確化する

そもそも、メンタル、体、技術・・・行動パターンの9項目について、どれだけ普段から考えているのでしょうか?なんとなくわかっているけど、あえて書き出すまではしていない、という方に有効な方法です。

(1)9項目について、練習の時に大事にしていることと試合の時に大事にしていることをそれぞれ書き出してみてください。

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(2)書き出してみていかがですか?練習の時に大事にしていることと、試合の時に大事にしていることは同じものもあれば、違うものもあるかもしれません。

(3)それぞれの大事にしていることで、今優先的に取り組む必要があるものを考えてみてください。また取り組む時期を想定していくのも有効です。

活用方法その3:仲間との振り返りやミーティングの議題のバリエーションにする

仲間と練習後の振り返りの内容がいつも技の話ばかりだったら、ちょっと趣向を変えてみて、今日はメンタルについて、明日は体について、さらにその先はコミュニケーションについて話してみようよ、と話題のバリエーションを増やすことができ、新しいチャレンジにつながる発見しやすくなります。

なお、9項目を考えた時に、大事にしたいことと言われてもなかなか思い浮かばない時は、普段からその項目についてあまり考えていないからかもしれません。
それであれば、その項目はもしかしたら、ちょっと意識をするだけで変化が起こる伸び代かもしれません。

いかがでしょうか。どれか1つでも試してみていただいて、9項目を使ってみなさんの伸び代ポイントを効率的に見つけ、成長を加速さていってください。


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