兎にも角にも「今何が起きているか」から始めよう ①現状を見える化する

アスリート、指導者の皆さん、いかがお過ごしですか?
緊急事態宣言も延長されました。
競技によって差はあれど、練習環境に制約がかかっている方が大半だと思います。
だからこそ今、普段は取り組む時間がなかなか取れていないメンタルとコミュニケーションに時間を費やしてみませんか?

練習や試合が再開した時に、成長を実感できる自分、さらには絶好調な自分を目指していきましょう。

ということで、今回は今後の強さに繋がるために現状把握についてお伝えします。未来を描くためには課題も含めて、今何が起きているのか、ということを隈なく把握しておくことが必要です。


なんで現状把握?
課題なんでわかっているよ。
いつも考えているし。

って思った人、手をあげてください!

あらー、結構いるみたいですね。

そうなんです。
現状把握、自分の課題。
わかっているつもりの方、めちゃくちゃ多いです。

確かに、
わかっている部分はあると思います。
普段から練習に真面目に取り組んでいる人ほど、考えています。

とはいえ、自分の頭の中だけで考えてませんか?
書き出したことはあっても、それで本当に全てですか?

それにそもそも見えている現状が、本当に全てかどうかもわからない。
もう少し視野を広げてみていく必要があるかもしれません。

ちなみに
今何が起きているのかを把握する力が最も必要とされるのが試合です。

なぜなら
なにより試合は現状把握→(必要があれば修正)→チャレンジの連続。
しかもそれを瞬時に行わなければなりません。
その力は試合中だけでなく、練習中から、日常生活から養っておくことが必要です。
そして、試合がない今、現状把握力を高めるめっちゃチャンス!この機会の活かせるかどうかが、今後の競技人生にかかってきます。

ということで、強く速く美しくなる第1歩目は「現状把握」です。

●現在地と目的地が明確になってから手段を考える

いきなりですが、質問です。
例えば、北海道に行きたい、と思った時に、皆さんはどう行かれますか?
飛行機?新幹線?車?フェリー?自転車?

手段は色々とありますが、そもそも出発地点がわからないと、何が適切かわかりません。

出発地点は
東京?大阪?沖縄?オーストラリア?

誰といきますか?
自分だけ?パートナーと?チームメイトと?子供と?

そう、どこから出発するか、そして誰と一緒なのかがわからないと、何が適切かわかりません。

さらに、自分にとってどんな気持ちで向かいたいのか、どんな状態を求めているのか?ということも大切です。
とにかく速く行きたいのか、景色を楽しみたいのか、ゆったりしたいのか。

そして、「北海道」とだけ書きましたが、これだけでは全然情報が足りません。
函館?札幌?旭川?ニセコ?稚内?(本当はこれでも足りないぐらい広い!)
各エリアが大体300キロは離れている北海道では、地名を間違うと致命的なことになります。

つまり、「北海道に行く」となった場合に、ベストな手段を考える前に、まず、今がどんな状態で、そしてどんなふうに向かいたいと思っているのかということを明確にすることが必要なのです。

ちなみに、我が家は毎年、東京から車(青森から函館まではフェリー)で北海道に行きます。函館、帯広、ニセコあたりを回りますが、途中、「イオンまで40キロ」という看板を見て北海道を舐めてはいかんと衝撃を受けました。

現在の状況を見える化して把握する

さて、話を戻します。

メンタルコーチングというと、目標達成や本番で力を発揮することを求められることが多々あります。
そしてそれはその通りなのですが、だからこそ、現在どうなっているかを明確にすることが何よりもだ大事なのです。
現在地を明確にすることが、何より成功への近道なのです。

では、ここからは具体的に現状を明確にする方法についてお伝えします。

Case 
なんとなくモヤモヤしている。またはやることがいっぱいあるのはわかっているけどどうしていいかわからない場合。

① いま、考えていること・感じていること(不安・恐れ・課題・気になること)を全て書き出す。

2020年3月以降、練習もできない、試合もない、自主練する場所もない。目指していた大会がなくなってしまった、延期になってしまった。
そんなアスリート達がたくさんいます。
この状況がいつまで続くのか。先が読めずに不安に思っている方も多いでしょう。モチベーションがマイナスになっている人だっていると思います。プロアスリートならば、スポンサーとの契約状況や、試合勘がなくなることを恐れている方もいるかもしれません。

後から後から芋づる式に、不安がたくさん出て来るかもしれません。

それでOK!

自分の中にある気になることをすべて書き出してください。
可能ならば、付箋に書き出すことをお勧めします。あとから張り替えられるので便利です。
長文を書く必要はありません。自分で意味がわかればOKです。
ポイントは「気になることを100%出し切った」と思えるところまで全てです。

よくあるのが、
「まあまあ書き出しました」
「だいたいこんなもんです。」

そういう方に、「何%書き出した?」と聞くと、「80%」「9割ぐらいです。」と答える方が9割!!(河邊調べ)
ほとんどの方が、全て出し切った状態ではありません。
だから「あと20%出しちゃいましょう」と言って、最後の1滴まで書き出してもらいます。
ここでは「書ききった!」と思えるまで、どんな些細なことでもいいので、全て書き出してください。

ちなみに、このワークをするとき、競技に関係にないことでも気になることは全て書き出すのがオススメ。

意外と競技以外のことが競技に向かうエネルギーを止めている場合も多々あるからです。
家族、恋愛、バイト、仕事、キャリア、人間関係などなど。
競技に力を入れたいからこそ、それ以外の課題も明確にすることが大切です。


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② 全部書き出したのを見て、どう思ったかを感じてみる。

「まあ、こんなもんかな」
「思ったより少ないな。」
「めっちゃたくさんある。これじゃあ疲れるわけだ」
「おんなじ言葉何回も言ってる」
なんでもいいです。全て書き出して見てどう思ったかを観察して見て下さい。

③ 書き出した付箋を、グループ分け・優先順位をつけて貼り直す。

書き出した付箋の順番を変えていきます。
まずは似たようなものをグループに分けてみてください。
同じことを違うにたような表現で表していることもよくあります。

さらに、取り組む必要があるものについては優先順位をつけていきます。
優先順位の高いものや早いうちに取り組んだ方がいいものを手前に。
取り組むのはもう少し後にしてもいいものは奥に。
さらにジャンル別に左右で分けても構いません。
貼り直し方は好きなようにしていただいて大丈夫。

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④ ここまでやってみてどうだったかを振り返る。ここまで取り組んでみていかがでしたか?

例えば
・モヤモヤがスッキリした。
・頭の整理ができた。
・取り組むべき課題が明確になった
・思っていたことを紙に書き出すことで整理ができた

やってみると色々な感想があると思います。
その全てOKです。

そう、この時点では何も解決策がわかってなくてもOK。
まずは何が気になっているのかを「見える化」することで、現状把握が進みます。
さらには頭の中では並列だった問題も、書き出すことで優先順位をつけられたり、何に取り組んだらいいか、自然と浮き上がってくるかもしれません。
さらには、やらなくてもいいことやコントロールできないことに意識が向いていたこともわかるかもしれません。

なんかあれ?と思ったら、ぜひ頭の中身を外に出して目に見える形にてみてください。
課題がわかるだけで、状態が良くなることは多々あります。

今、何が起きているのか。
強く速く美しくなりたい方はまずは「現状の見える化」取り組んでくださいね。

現状把握の方法は他にもたくさんあるので、次回以降で紹介します。

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