怪物と接骨木(にわとこ)の話
昔々、あるところに人喰いの怪物がおりました。怪物は生まれながらの邪悪でしたが、不幸なことに、おのれの魂の醜悪さと犯した罪の重さについては、よくよく承知しておりました。しかしその知は罪を求めるあさましい欲を抑止するにはいたりません。
怪物は欲望のままに人を襲い、穢し、その上骨も残さず喰らい尽くす有様です。幾人もの勇者が怪物を滅ぼさんと挑みかかりました。しかし怪物に与えられた邪神の加護はいかなる聖剣の一撃も跳ね返し、聖水を蒸発させ、聖遺物による破邪の矢じりをも放たれる前に朽ち