艶漢のおはなし

東京に帰る道中。ひかりじゃなくてこだまに乗ってゆっくり振り返り。艶漢の思い出を書くよ。ぽろぽろ、思い出の涙を流さないように。写真の載せ方が分からないので文字だけで堪忍。

艶漢の稽古初日が1/16、艶漢の出演が決まったのが1/6。本当に突然だったのよ。実は2/19から1ヶ月間振り付けでインドに行く予定だったんだけど、色々考えた末に渡印をキャンセルし艶漢を選びました。今考えるとコロナもあるし最善の選択だったなぁと思うところもある。でも行ってみたかったな!インド!笑

艶漢という作品について。私はサブカル好きと言及しているものの実に漫画やアニメ弱く、今回出演が決まる前まで艶漢について存じ上げてなかった。ごめんなさい。初めて漫画を手に取ったとき、何だこの美しいイラストは…!と感動したのを覚えている。ニナミカオタクであり派手モノ好きな私にとって尚先生が描かれるもの全て私の心に突き刺さった。どタイプ!!!明治から昭和にかけてのレトロ感、ノスタルジックな雰囲気めちゃくちゃ好きなんです。そして華やかな色彩から放たれる色艶。んーたまらん!強さの中にも何かしらの悲しみを秘めている登場人物に惹かれどんどんページが進んでゆきます。ストーリーもワクワクもそうだけど、ハラハラドキドキそしてキュンと言った方が適切な感じもする。次も楽しみ。すっかり艶漢ファンよ。尚先生とはマチソワ間に色々お話させていただきましたが趣味が似てて!私が着てる服とか履いてるスリッパとか褒めてくださってもう感激よ。コラボカフェに行ったときやイベントに行った時もコメントくださったり、本当に優しくて素晴らしいお方、大好き。尚先生が色紙をくださったの。家宝。

そろそろ稽古のお話しをば。わたしは打ち解けちゃえば相当なお天馬娘なのだがとっても人見知りで稽古開始直後ずーっと猫被ってた思い出がある。プレ稽古のとき演出のほさかさんが、「1日に1回必ず言葉を発すること、いい?森ちゃん。」っておっしゃってたのだけど守れなかった日もたくさんあった。今考えるともっと喋ってもよかったと思う所が沢山あるがどの現場でもスタートはこうなってしまう。辛くて社長に電話したよ、「ここにいていいのかな〜」って。でも艶漢の稽古場は本当にあったかくて優しくて、礼儀知らずの若者を有難いことに受け入れてくださった。こんな現場ないよ。非常に恵まれた環境でした。そして稽古はすごかったなぁ。何に対しても「凄いなぁ」と尊敬ばかり。とても勉強になりました。演劇に対する執念と、原作への敬意が滲み出てる稽古場で、恐れ多くも一緒になって作品への愛を証明したくなりました。先輩方の動きも勉強になったな〜。大きな現場は初めてだったので、私自身もすごく注意しました、稽古中でも稽古中以外でも。当たり前のことなんだけど。どの現場にいても、稽古は不安で仕方ないのです。勝手にプレッシャーとか責任感を感じてしまう。もっと気楽にいればいいのにとよく言われるけれど、この場所に派遣された意味とか、ここでどう役目を果たすかばかり慎重に考えてしまうのです。不安で不安で仕方ない稽古も時が来れば終わっちゃうのです。

劇場入りしてからはあっという間だったなぁ。毎日殺陣返しの時間があるのだけど、1番楽しかった笑 自分の身体のコンディションとか考えながらもちょっとふざけながら確認してる姿がカッコよくも可愛いくて凄く好きでした。もちろん殺陣は素晴らしいので目に焼き付けて勉強させてもらう時間にしてた。あとアップね。今回セリフは喋らなかったけど、公演回数が多いのと身体のケガが怖すぎて入念にアップはしてたな。アップ中のおしゃべりタイムも楽しかったな。楽屋のパーテーション越しに繰り広げられる会話も楽しかったな。女子楽屋の装飾も楽しかったな。マチソワ間のメンテナンスタイムも楽しかったな。幕が上がる前に袖で頑張るぞとふざけながら意気込むのも楽しかったな。うーん、全部楽しかったな。時間をかければかけるほど愛おしくなって、時が満ちればバラバラになっちゃうの、儚いな。毎日会っていた仲間とのお別れは寂しい。身体の痛みさえ愛おしく思えちゃう。でも忘れるようにしてる。いつまでもメソメソしてたらよくない。寂しいけれどなるべくロスらないように努力してる。写真とか見ちゃうんだけどね。あぁ、書いててロス来てるよ。会いたいよ。

大好きな人も尊敬する人もたくさんできた。夢もできた。本当に幸せすぎる2020年のスタートだったな。千秋楽の日、実は就活解禁日でちょっとブルーな気持ちになってたんだけど、少し元気が出る出来事もあった。このご縁、本当に大切にしたい。改めて幸せな時間を過ごさせていただきました。関係者、お客様すべて感謝の意を表します。そろそろ品川です。ありがとうございました。


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