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本の雑誌「即売会の世界」連載4年目突入!

2020年1月から本の雑誌さんで連載させて頂いてる「即売会の世界」の続投が決まり、4年目に突入いたしました。

これもひとえに本の雑誌読者のみなさま、コロナ禍にも滅気ず即売会本(同人誌やミニコミやZINE)を作って下さる作家のみなさま、〆切に遅れるルーズな私を叱り飛ばすことなくむしろ毎回丁寧に原稿を褒めて下さる担当編集Mさん、出版業界の辺境で彷徨ってい私を掬いあげてくれたH編集長と炎の営業Sさん、そして本の雑誌が読者に届くまで関っておられる方々のおかげです。いつもありがとうございます。

よい機会なので本の雑誌さんとの思い出を振り返っていいでしょうか。

思い起せば小学5年生の頃。本の雑誌の発起人であり作家の椎名誠さんに傾倒していました。ビールを飲んで焚き火を見つめ、知らない土地を仲間と旅しながら随筆に書き、好きな本を語り合う場としての雑誌を立ち上げ、時に映画も撮り、すごいパワーのSF小説で読者を唸らせる……。

そんなエネルギッシュな自走式漂流を続けている椎名誠さんの生き方に心底憧れを抱いたのでした。

当時私は小平に住んでいたので、奇しくも椎名さんの家が近いらしいと知り、夏休みの自由研究は「椎名さんの家を探す」という怪しくストーカーなうえ、非ネット時代に難しすぎるお題に挑戦してあえなく玉砕したりしていました。

椎名さんみたいになりたいけど、どうしていいかわからないまま青春時代を経て本屋に就職。今は失きジュンク堂書店新宿店で資格書を売る日々を過ごしているうちに、椎名さんへの憧れは消えかかっていました。

しかし2008年からミニコミやローカル出版物を展開する「ふるさとの棚」を担当させてもらったことがきっかけで、ニッチなテーマで自主制作をつづける作家さんや、地元で情熱を燃やして出版活動をする版元さんと出会い、何かが変わっていきました。

椎名誠さんのトークイベントのお手伝いをしてサインを頂いたことで、子供の頃に一番最初に見た夢を思い出したのもこの頃です。

その後、ふるさとの棚でトークイベントやフェアなどを仕掛けていくうちに、本の雑誌の炎の営業Sさんの目に留まり、編集長のHさんが取材に来て下さったり、『ニッポンの地元愛』という連載の原稿依頼を頂けるようになりました。

すごく嬉しかったことを覚えています。生まれて始めて文章を書いてお金を頂戴するという経験ができたのが、本の雑誌さんでした。

その後、廃墟愛好家の集まる同人雑誌の編集部との出会いがあり「八画文化会館」という都市探索系マニア誌の編集長になって現在に至ります。

子供の頃に夢見た憧れの生き方が、だいぶ予想とは違う角度ではありましたが、叶いつつあります。ビールを飲んで廃墟を見つめ、知らない土地を仲間と旅しながらその様子を書き、好きな場所を語り合う雑誌を立ち上げ、映像コンテンツの企画広報をしのぎにしています。あとは自走式漂流の負荷をあげて、すごいパワーの小説で読者を唸らせるだけです。

すみません。つい長々とback in the dayしてしまいましたが、私の活動の原点であり軸は「自分が読みたいから作る」「自分が残さなければいけないから作る」という情熱と使命感がほとばしった同人誌やミニコミ(時に大手出版からも出る)などの、熱い紙の束なのです。

そんな熱い紙の束を、現在まで37回分の連載でご紹介させていただきました。どれも素晴らしい作品でまだ入手できるものもありますので、またの機会にインデックスを作りたいと思います。

ではこれからも「即売会の世界」をどうぞよろしくお願いいたします!

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