H.ISHIKAWA

編集者・ライター│ ジュンク堂書店新宿店「ふるさとの棚」担当→インディペンデント誌「八…

H.ISHIKAWA

編集者・ライター│ ジュンク堂書店新宿店「ふるさとの棚」担当→インディペンデント誌「八画文化会館」→「 HOLOGRAM HOUR」所属│本の雑誌「即売会の世界」連載中│著作と活動詳細はここで見て→http://linktr.ee/h.ishikawa

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    八画文化会館vol.9 特集:商店綜合型録

     今号の特集テーマの「商店」は、5号の「駅前文化」、8号の「商店街」に続いて、編集部が追ってきた「旧市街地への旅」シリーズの完結篇ってことにしようと思う。有名観光地じゃなくても日本各地には”銘都”と呼びたい素晴らしい旧市街地がたくさんあって、かつての賑わいの痕跡をあちこちで目にすることができる。駅前の雑居ビルや、商店街のピカピカ輝くアーチ、そして個性的な商店の連なり。装飾テントや看板などの細部にまで工夫が凝らされた商店の外装は、訪問者の目を惹きつけてやまない。軒を連ねた商店のディテールの積み重ねが商店街となり、駅前文化を形成して銘都の賑わいを演出しているのだ。ひとつひとつの商店こそが旧市街地の賑わいを支えているといっても過言ではないー―。なんて堅苦しい理屈を抜きにしても、個人商店がいい感じなのは旅好きのみんななら頷いてくれると思うんだけど、じゃあ商店の何をどう見たらいいんだろう。  そう思いながら商店を探して知らない町を歩いていた時に、遠くの方に何か店舗があるのが見えた。遠くてはっきりわからなかったけれど、なんとなく美容院じゃないかと思った。でもなんでおぼろげな佇まいだけで特定の業種が思い浮かんだんだろう。「業種ごとに共通のスタイルがあって通行人にすぐに何屋か訴求できるようになっているからだよ」って正論を唱えてしまいそうになったんだけど、ちょっとよく思い出してみてほしい。じゃあその細部を「よく見た」ことってあっただろうか? 「なぜ三本の線があるとコンビニだと思うんだろう?なぜクリーニング店には動物のマスコットが多いんだろう?なぜ薬局の張り紙はおしゃべりなんだろう?」じっくりと見ていくとたくさん疑問が浮かんできて今まで見えてなかったものが見えてくるようになってきた。すごく楽しい。特集するにあたっては、いま記録しないと失われてしまいそうな「昼間に買い物をしたりサービスを受けたりするための個人商店」をメインに据え、昭和の商店文化とは切っても切れない存在のスーパーマーケットはチェーン店も含めて取り上げた。  7年以上かけて撮り集めてきたこれらの商店のなかには消えてしまったものもたくさんある。町の入れ替わりの激しさに思わずため息が出てしまうけど、だからこそまだあるお店は、ただ存在していてくれるだけで充分。ハイペースに移り変わる町並みのなかで、変わらない姿を見せてくれてるだけで尊いから。大きい波に流されずにマイペースに建ってる商店をゆっくり眺めて、束の間でもそこで過ごせたら、それはとてもしあわせな休息。のんびり歩いたって退屈じゃないし、知らないまちの日常圏を見聞すれば自分の町の魅力や独自性に気づくこともできる。「君のまちにある商店はなんて素敵なんだろなぁ。でも僕のまちにある商店も素敵だったんだなぁ」そんな風にみんなが自分の住んでいる場所の魅力に気づく、ひとつの視点になれたら望外の喜びだ。 (編集のことばより) ◆最終特集◆ 商店綜合型録 松村大輔・碍子系・JP-SUPER・酒井竜次・石川春菜 ■巻頭グラビア  ■理美容院・クリーニング店・メガネ店・電気店・薬局・スーパーマーケット ■ピンポイント鑑賞FILE ■商店を見るならこんなふうに。 おもしろ過ぎて気が散っちゃうよ。(ビロくん)/欲しくなる外装探してます。(卒業生代表)/装飾テントが効いてるね。(内海慶一)/やってるかい?渋い町並みで右左(武部将治)/営業時間外に宿る美しさを求めて(だみあん君)/地下街の矢印に誘われてみる。(Towers) ■座談会「商店文字の話をしよう」藤本健太郎・松村大輔 ■緊急ルポ「商店と新型コロナ」鹿取茂雄 ◆連載◆ REGULAR 国際ニュータカギ会館「楽器屋・レコード屋・本屋・模型屋つれづれ」高木壮太 【判型】B5変型並製(182mm×242mm) 【頁数】96p(オールカラー) 【発行】2022/06 【デザイン】吉川英夫(nout) 【ジャンル】商店街、昭和レトロ、旅行ガイド、サブカルチャー、建築
    1,980円
    八画文化会館の売店
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    八画文化会館vol.8 特集:商店街ノスタルジア

    八画文化会館を立ち上げて10年になりました。気づけば2010年の創刊準備段階からぶらぶら歩いてきた編集部の商店街散歩記録がたまっていたので、今号は商店街特集です。文字、銘都、団地、パチンコ、廃墟、美容院など独自の切り口で町歩きをしている愛好家仲間にも協力してもらいました。それぞれ別の対象を追いかけていても、商店街に寄せる関心は熱く「すべての道は商店街に通じている」んじゃないかとさえ思えてきます。 商店街は、昭和時代の買い物様式を後世に伝える遺跡です。地域の生活を支えた日常遺産であるとともに、街の中央に輝く都市の象徴でもありました。商店街は「道」であり「街」だったのです。また、どこも似ていることも商店街の注目すべき点です。「すべての幸福な家庭は互いに似ている。不幸な家庭はそれぞれの仕方で不幸である」と異国の文豪が言ったように、商店街は幸せの象徴だったのかもしれません。しかしどの土地にもある「ありふれた場所」に目を凝らし細部まで観察してみると、多くの人々の記憶が堆積した唯一無二の場所だと感じられます。 それぞれの土地にノスタルジアが掻き立てられる原風景のような商店街がありましたが、「道」、「物」、「人」の流れの変化により衰退が危惧されています。人々の想い出が集積された愛着のある場所が、抜け殻のように風化した町並み。商店街がなくなると町の匂いが消え、歓楽街がなくなると町の灯が消えてしまいます。どの土地であっても「ここにいてよかった」と小さな幸せを感じさせてくれる商店街の灯りが、この先少しでも多く残っていますように。 (編集のことばより) ◆特集◆ 商店街ノスタルジア ■巻頭グラビア  ■編集部対談 商店街鑑賞のススメ Special guest松村大輔 ■ノスタルジア備忘録 酒井竜次 ■都市秘境マーケット 戦後の原風景をとどめる市場10選 ■全国銘商店散策 forestbk ■団地商店街の歩き方 チーム4.5畳 ■商店街パチンコ鑑賞 栄華 ■12人に聞きました!マイフェイバリット商店街 ■失われゆくレトロピアの記録 柳ケ瀬商店街高島屋南地区 TEAM酷道よごれん ■不思議な商店街パトロール調査 ■コラム&エッセイ 「商店街に寄り添って暮らす理想の生活」を妄想する(玉置標本)/商店街を歩く理由「焦点を外に」(終末オトナ遠足 エロ司)/対立から共存の時代へ「商店街と大型店」(Jp-Super)/シャッターの向こう側。(高橋さよ)/商店街の本屋 いつもの朝(ブックスルーエ花本武) ◆連載◆ REGULAR 国際ニュータカギ会館「追憶の徳島しんまち界隈」(高木壮太) ◆参加メンバー◆ 酒井竜次/石川春菜/松村大輔/forestbk/チーム4.5畳 けんちん・UC・tamazo/栄華/タケムラナオヤ/道民の人/ムサシノ工務店/藤本健太郎/村田あやこ/三文字昌也/内海皓平/Towers/碍子系/ケブカグラフィックス/ふゅーりー/TEAM酷道 よごれん/玉置標本/終末オトナ遠足 エロ司/JP-Super/高橋さよ/ブックスルーエ 花本武/高木壮太 【判型】B5変型並製(182mm×242mm) 【頁数】96p(4c64p/1c32p) 【発行】2020/07 【デザイン】鈴木隆文(buzz design) 【ジャンル】商店街、昭和レトロ、旅行ガイド、サブカルチャー、建築
    1,980円
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    八画文化会館vol.7 特集:I ❤ Pachinko Hall パチンコホールが大好き‼

    娯楽の殿堂の面影を残したオールドスクールなパチンコホールに焦点を当てた、丸ごと1冊「パチンコホールが大好き」特別号! 監修は2300軒もの店舗を巡り歩いて記録を撮り、パチンコ一筋の人生を送っているパチンコライターの栄華さん。2015年に知り合ってから交流を重ねていくにつれ、彼女のパチンコに対する思想や活動に共鳴し、足掛け5年かけて制作した渾身の特集です。  気合いを入れて取り組むきっかけになった出来事があります。栄華さんと名古屋の町歩きをしながら「こんなに派手にネオンを光らせて街中で目立っているのに、パチンコホールって見られてないんじゃないか」と話したことです。古いパチンコ台には愛好家がいますが、ホールは未だ対象になっておらず、路上観察のテーマとしてもスルーされがち。その佇まいが注目されることは非常に少なく、競馬など公営競技と比べても文化的な評価が進んでいません。これは本誌で特集すべきテーマだと思い制作を開始しましたが、しかしパチンコを特集するというと周囲の反応はまっぷたつ。「いいね、パチンコ打ってたよ」という好意的な意見と、「パチンコは大嫌い、子供に見せたくない、近隣の文化水準を下げている」という否定的な意見。今まで取り組んできたテーマでは、これほどの賛否両論はありませんでした。  戦前には子供の娯楽だったパチンコ。敗戦後には焦土となった日本各地に娯楽と慰めを与え、庶民の娯楽の殿堂として親しまれました。最盛期には4万軒以上あったとも言われ、連チャン機やフィーバー台などで大人を熱狂させ、CR機に変化した90年代には30兆円市場に成長しました。しかし栄光の裏には、射幸性の高さによるギャンブル依存症問題や、暴力団との癒着、駐車場に子供を置き去りにする事件が発生するなど、負の歴史もあり、健全な社会の構成員たちから眉を顰められてきました。しかしグレーと指摘される景品買取の小窓には、戦争で一家の働き手を失った寡婦や障碍者などが働き、職業選択自由が少なかった在日朝鮮人がメーカーや店舗で働くなど、社会の受け皿になってもいたのです。そういった怪しくも魅力と活気溢れる昭和・平成のパチンコ店にも衰退の危機が訪れ、清潔で明るいものへと変化せざるを得ない状況になりつつあります。今まさにオールドスクールなパチンコ店を、評価する時期に来ていると言えましょう。 「パチンコ店は下に見ていいという、固定化された眼差しを解放したい」と栄華さんは言います。軽蔑や無関心により見えなくなっている、パチンコホールの美しさや独自の存在感に光を当てることが、本特集の意義です。パチンコホールは、日本独特の町を構成する重要なエレメント。今までパチンコ店が視界に入らなかった人に少しでも興味を持ってもらえるように、また誤解や偏見が解けるよう誌面作りに励みました。本特集がパチンコ文化の裾野を広げるきっかけになることを願っています。(編集のことばより) ◆特集◆ I ❤ Pachinko Hall パチンコホールが大好き!! ■巻頭グラビア  パチンコホールの「発見」 ■公開対談 パチンコホール鑑賞は路上観察になるか!? ■栄華流 ホール鑑賞入門 これでわかる大解説!パチンコホール徹底解剖!  ■パチンコホール ディテール図鑑 各部の名称と鑑賞方法を覚えよう! ■魅惑のホール7選 ■観光遊戯場7選 ■岐阜レトロミュージアム所蔵7つの逸品! 美しい盤面秘蔵コレクション ■マッチラベル・センター役物コレクション ■コラム&エッセイ PACHINKO INTERVIEW パチンコライター 栄華/転用ホール図鑑 パチンコホールの輪廻転生を徹底研究!!/パチンコホールのサービス七不思議/パチンコホールのトイレ研究所/パチンコホール奇抜建築論/青森2泊3日 旅打ちdiary/パチンコ実機コレクター・広瀬恭士と「部屋」/女性がパチンコ店を営むという事/廃業ホールにパチンコ台が無い理由/開発と規制の70年史(神保美佳)/ぱちんこの未来予測(POKKA吉田) ◆連載◆ REGULAR 国際ニュータカギ会館「パチンコ屋の追憶」(高木壮太) ◆参加メンバー◆ 栄華/酒井竜次/松村大輔/TEAM酷道 よごれん/チーム4.5畳 けんちん/日本給水党 UC/終末トラベラー 逢根あまみ/岐阜レトロミュージアム館長 杉本勇治/POKKA吉田/神保美佳/高木壮太 【判型】B5変型並製(182mm×242mm) 【頁数】96p(4c64p/1c32p) 【発行】2019/03 【デザイン】吉川英男(nout) 【ジャンル】パチンコ、昭和レトロ、旅行ガイド、サブカルチャー、建築、芸術
    1,980円
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    八画文化会館vol.9 特集:商店綜合型録

     今号の特集テーマの「商店」は、5号の「駅前文化」、8号の「商店街」に続いて、編集部が追ってきた「旧市街地への旅」シリーズの完結篇ってことにしようと思う。有名観光地じゃなくても日本各地には”銘都”と呼びたい素晴らしい旧市街地がたくさんあって、かつての賑わいの痕跡をあちこちで目にすることができる。駅前の雑居ビルや、商店街のピカピカ輝くアーチ、そして個性的な商店の連なり。装飾テントや看板などの細部にまで工夫が凝らされた商店の外装は、訪問者の目を惹きつけてやまない。軒を連ねた商店のディテールの積み重ねが商店街となり、駅前文化を形成して銘都の賑わいを演出しているのだ。ひとつひとつの商店こそが旧市街地の賑わいを支えているといっても過言ではないー―。なんて堅苦しい理屈を抜きにしても、個人商店がいい感じなのは旅好きのみんななら頷いてくれると思うんだけど、じゃあ商店の何をどう見たらいいんだろう。  そう思いながら商店を探して知らない町を歩いていた時に、遠くの方に何か店舗があるのが見えた。遠くてはっきりわからなかったけれど、なんとなく美容院じゃないかと思った。でもなんでおぼろげな佇まいだけで特定の業種が思い浮かんだんだろう。「業種ごとに共通のスタイルがあって通行人にすぐに何屋か訴求できるようになっているからだよ」って正論を唱えてしまいそうになったんだけど、ちょっとよく思い出してみてほしい。じゃあその細部を「よく見た」ことってあっただろうか? 「なぜ三本の線があるとコンビニだと思うんだろう?なぜクリーニング店には動物のマスコットが多いんだろう?なぜ薬局の張り紙はおしゃべりなんだろう?」じっくりと見ていくとたくさん疑問が浮かんできて今まで見えてなかったものが見えてくるようになってきた。すごく楽しい。特集するにあたっては、いま記録しないと失われてしまいそうな「昼間に買い物をしたりサービスを受けたりするための個人商店」をメインに据え、昭和の商店文化とは切っても切れない存在のスーパーマーケットはチェーン店も含めて取り上げた。  7年以上かけて撮り集めてきたこれらの商店のなかには消えてしまったものもたくさんある。町の入れ替わりの激しさに思わずため息が出てしまうけど、だからこそまだあるお店は、ただ存在していてくれるだけで充分。ハイペースに移り変わる町並みのなかで、変わらない姿を見せてくれてるだけで尊いから。大きい波に流されずにマイペースに建ってる商店をゆっくり眺めて、束の間でもそこで過ごせたら、それはとてもしあわせな休息。のんびり歩いたって退屈じゃないし、知らないまちの日常圏を見聞すれば自分の町の魅力や独自性に気づくこともできる。「君のまちにある商店はなんて素敵なんだろなぁ。でも僕のまちにある商店も素敵だったんだなぁ」そんな風にみんなが自分の住んでいる場所の魅力に気づく、ひとつの視点になれたら望外の喜びだ。 (編集のことばより) ◆最終特集◆ 商店綜合型録 松村大輔・碍子系・JP-SUPER・酒井竜次・石川春菜 ■巻頭グラビア  ■理美容院・クリーニング店・メガネ店・電気店・薬局・スーパーマーケット ■ピンポイント鑑賞FILE ■商店を見るならこんなふうに。 おもしろ過ぎて気が散っちゃうよ。(ビロくん)/欲しくなる外装探してます。(卒業生代表)/装飾テントが効いてるね。(内海慶一)/やってるかい?渋い町並みで右左(武部将治)/営業時間外に宿る美しさを求めて(だみあん君)/地下街の矢印に誘われてみる。(Towers) ■座談会「商店文字の話をしよう」藤本健太郎・松村大輔 ■緊急ルポ「商店と新型コロナ」鹿取茂雄 ◆連載◆ REGULAR 国際ニュータカギ会館「楽器屋・レコード屋・本屋・模型屋つれづれ」高木壮太 【判型】B5変型並製(182mm×242mm) 【頁数】96p(オールカラー) 【発行】2022/06 【デザイン】吉川英夫(nout) 【ジャンル】商店街、昭和レトロ、旅行ガイド、サブカルチャー、建築
    1,980円
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    八画文化会館vol.8 特集:商店街ノスタルジア

    八画文化会館を立ち上げて10年になりました。気づけば2010年の創刊準備段階からぶらぶら歩いてきた編集部の商店街散歩記録がたまっていたので、今号は商店街特集です。文字、銘都、団地、パチンコ、廃墟、美容院など独自の切り口で町歩きをしている愛好家仲間にも協力してもらいました。それぞれ別の対象を追いかけていても、商店街に寄せる関心は熱く「すべての道は商店街に通じている」んじゃないかとさえ思えてきます。 商店街は、昭和時代の買い物様式を後世に伝える遺跡です。地域の生活を支えた日常遺産であるとともに、街の中央に輝く都市の象徴でもありました。商店街は「道」であり「街」だったのです。また、どこも似ていることも商店街の注目すべき点です。「すべての幸福な家庭は互いに似ている。不幸な家庭はそれぞれの仕方で不幸である」と異国の文豪が言ったように、商店街は幸せの象徴だったのかもしれません。しかしどの土地にもある「ありふれた場所」に目を凝らし細部まで観察してみると、多くの人々の記憶が堆積した唯一無二の場所だと感じられます。 それぞれの土地にノスタルジアが掻き立てられる原風景のような商店街がありましたが、「道」、「物」、「人」の流れの変化により衰退が危惧されています。人々の想い出が集積された愛着のある場所が、抜け殻のように風化した町並み。商店街がなくなると町の匂いが消え、歓楽街がなくなると町の灯が消えてしまいます。どの土地であっても「ここにいてよかった」と小さな幸せを感じさせてくれる商店街の灯りが、この先少しでも多く残っていますように。 (編集のことばより) ◆特集◆ 商店街ノスタルジア ■巻頭グラビア  ■編集部対談 商店街鑑賞のススメ Special guest松村大輔 ■ノスタルジア備忘録 酒井竜次 ■都市秘境マーケット 戦後の原風景をとどめる市場10選 ■全国銘商店散策 forestbk ■団地商店街の歩き方 チーム4.5畳 ■商店街パチンコ鑑賞 栄華 ■12人に聞きました!マイフェイバリット商店街 ■失われゆくレトロピアの記録 柳ケ瀬商店街高島屋南地区 TEAM酷道よごれん ■不思議な商店街パトロール調査 ■コラム&エッセイ 「商店街に寄り添って暮らす理想の生活」を妄想する(玉置標本)/商店街を歩く理由「焦点を外に」(終末オトナ遠足 エロ司)/対立から共存の時代へ「商店街と大型店」(Jp-Super)/シャッターの向こう側。(高橋さよ)/商店街の本屋 いつもの朝(ブックスルーエ花本武) ◆連載◆ REGULAR 国際ニュータカギ会館「追憶の徳島しんまち界隈」(高木壮太) ◆参加メンバー◆ 酒井竜次/石川春菜/松村大輔/forestbk/チーム4.5畳 けんちん・UC・tamazo/栄華/タケムラナオヤ/道民の人/ムサシノ工務店/藤本健太郎/村田あやこ/三文字昌也/内海皓平/Towers/碍子系/ケブカグラフィックス/ふゅーりー/TEAM酷道 よごれん/玉置標本/終末オトナ遠足 エロ司/JP-Super/高橋さよ/ブックスルーエ 花本武/高木壮太 【判型】B5変型並製(182mm×242mm) 【頁数】96p(4c64p/1c32p) 【発行】2020/07 【デザイン】鈴木隆文(buzz design) 【ジャンル】商店街、昭和レトロ、旅行ガイド、サブカルチャー、建築
    1,980円
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    八画文化会館vol.7 特集:I ❤ Pachinko Hall パチンコホールが大好き‼

    娯楽の殿堂の面影を残したオールドスクールなパチンコホールに焦点を当てた、丸ごと1冊「パチンコホールが大好き」特別号! 監修は2300軒もの店舗を巡り歩いて記録を撮り、パチンコ一筋の人生を送っているパチンコライターの栄華さん。2015年に知り合ってから交流を重ねていくにつれ、彼女のパチンコに対する思想や活動に共鳴し、足掛け5年かけて制作した渾身の特集です。  気合いを入れて取り組むきっかけになった出来事があります。栄華さんと名古屋の町歩きをしながら「こんなに派手にネオンを光らせて街中で目立っているのに、パチンコホールって見られてないんじゃないか」と話したことです。古いパチンコ台には愛好家がいますが、ホールは未だ対象になっておらず、路上観察のテーマとしてもスルーされがち。その佇まいが注目されることは非常に少なく、競馬など公営競技と比べても文化的な評価が進んでいません。これは本誌で特集すべきテーマだと思い制作を開始しましたが、しかしパチンコを特集するというと周囲の反応はまっぷたつ。「いいね、パチンコ打ってたよ」という好意的な意見と、「パチンコは大嫌い、子供に見せたくない、近隣の文化水準を下げている」という否定的な意見。今まで取り組んできたテーマでは、これほどの賛否両論はありませんでした。  戦前には子供の娯楽だったパチンコ。敗戦後には焦土となった日本各地に娯楽と慰めを与え、庶民の娯楽の殿堂として親しまれました。最盛期には4万軒以上あったとも言われ、連チャン機やフィーバー台などで大人を熱狂させ、CR機に変化した90年代には30兆円市場に成長しました。しかし栄光の裏には、射幸性の高さによるギャンブル依存症問題や、暴力団との癒着、駐車場に子供を置き去りにする事件が発生するなど、負の歴史もあり、健全な社会の構成員たちから眉を顰められてきました。しかしグレーと指摘される景品買取の小窓には、戦争で一家の働き手を失った寡婦や障碍者などが働き、職業選択自由が少なかった在日朝鮮人がメーカーや店舗で働くなど、社会の受け皿になってもいたのです。そういった怪しくも魅力と活気溢れる昭和・平成のパチンコ店にも衰退の危機が訪れ、清潔で明るいものへと変化せざるを得ない状況になりつつあります。今まさにオールドスクールなパチンコ店を、評価する時期に来ていると言えましょう。 「パチンコ店は下に見ていいという、固定化された眼差しを解放したい」と栄華さんは言います。軽蔑や無関心により見えなくなっている、パチンコホールの美しさや独自の存在感に光を当てることが、本特集の意義です。パチンコホールは、日本独特の町を構成する重要なエレメント。今までパチンコ店が視界に入らなかった人に少しでも興味を持ってもらえるように、また誤解や偏見が解けるよう誌面作りに励みました。本特集がパチンコ文化の裾野を広げるきっかけになることを願っています。(編集のことばより) ◆特集◆ I ❤ Pachinko Hall パチンコホールが大好き!! ■巻頭グラビア  パチンコホールの「発見」 ■公開対談 パチンコホール鑑賞は路上観察になるか!? ■栄華流 ホール鑑賞入門 これでわかる大解説!パチンコホール徹底解剖!  ■パチンコホール ディテール図鑑 各部の名称と鑑賞方法を覚えよう! ■魅惑のホール7選 ■観光遊戯場7選 ■岐阜レトロミュージアム所蔵7つの逸品! 美しい盤面秘蔵コレクション ■マッチラベル・センター役物コレクション ■コラム&エッセイ PACHINKO INTERVIEW パチンコライター 栄華/転用ホール図鑑 パチンコホールの輪廻転生を徹底研究!!/パチンコホールのサービス七不思議/パチンコホールのトイレ研究所/パチンコホール奇抜建築論/青森2泊3日 旅打ちdiary/パチンコ実機コレクター・広瀬恭士と「部屋」/女性がパチンコ店を営むという事/廃業ホールにパチンコ台が無い理由/開発と規制の70年史(神保美佳)/ぱちんこの未来予測(POKKA吉田) ◆連載◆ REGULAR 国際ニュータカギ会館「パチンコ屋の追憶」(高木壮太) ◆参加メンバー◆ 栄華/酒井竜次/松村大輔/TEAM酷道 よごれん/チーム4.5畳 けんちん/日本給水党 UC/終末トラベラー 逢根あまみ/岐阜レトロミュージアム館長 杉本勇治/POKKA吉田/神保美佳/高木壮太 【判型】B5変型並製(182mm×242mm) 【頁数】96p(4c64p/1c32p) 【発行】2019/03 【デザイン】吉川英男(nout) 【ジャンル】パチンコ、昭和レトロ、旅行ガイド、サブカルチャー、建築、芸術
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          本の雑誌「即売会の世界」連載4年目突入!

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          本の雑誌2022年11月号「即売会の世界」