秋といえば、の柿
毎年秋になると、
祖父母の家の木になる柿をもらう。
私は昔から、
スーパーで売られているような、
色が鮮やかでとても甘い
完成された柿よりも、
祖父母の家のこの
色もそれほどきれいじゃなくて
甘みも適度しかなく、
種もしっかりある、
ちょっと野性味あるこの柿が
とても好き。
毎年、皮をむいたこれをフォークに刺し、
ガリリッ、シャクッとかじると
”ああ秋なんだなぁ”と思う。
自分と同じように、
祖父母も歳を取っているのだから、
これから先もこれが当たり前に
食べられるなんて思わない。
けれど、これからもずっと
この柿に秋を教えてもらいたいなぁ、
なんて相反することを、
心のどこかで思っている。